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ひとりでも社長


 親父の仕事の関係で、実家には幼い頃から松下幸之助(ご存知パナソニックの創始者)の本がたくさんあった。僕は10代の後半頃から親父の書斎から松下幸之助の本を引っ張り出しては読み出した。
で、これが結構ハマってしまい、自叙伝から経営学、PHPに至るまで、家にあった松下幸之助の本はほとんど読んでしまい、その後も何回も読み直してる。僕のその後の生き方バイブルとなった。

松下幸之助は9歳から丁稚奉公で働き、22歳の時に奥さんと奥さんの弟(のちのサンヨー電気創始者)とともに松下電器を始める。幸之助自身は大変身体が弱く、その事も僕自身と重なる部分もあり共感して読んでいた。

ちょっと話が逸れるが、聖書、法華経を読むとそれらのほとんどが比喩(ひゆ:例え話)で書かれている。そのような書き方をするのは、誰にもわかるように比喩を使う訳だが、「法華経を一度でも唱えたならば、一億光年先までも・・」みたいな話でもあるので、現代の人が読んでもピンと来ないほど壮大でもある。その点、松下幸之助の本は、普通の生活、仕事の中から出てきた言葉なので大変解りやすい。生き方、考え方のヒントになる。

前置きが長くなったが、その中に「ひとりでも社長」のような言葉を覚えている。今の松下電器を見れば、3人で玄関口の土間で始めた家内工業会社とは想像もつかないだろうが、当の本人は「自分は3人で会社を始めた当初から大会社の社長と同じ心つもりでやっていた」「自分の仕事は社会の為になるんだ」と。

ちょっと大げさではあるが、僕がギターを続けてきた上で、励まされ自分を奮い立たせ続けられた言葉である。仕事があろうが無かろうが自分は社長。ギターを通じて世の中に<何か>貢献するんだ。なんて思っていた。

一般の人には「勝手気ままにギター弾いてそれが仕事?」のように思われる世界。
だから尚更、自分はひとりでも「社長」のつもりでやってきた。
松下幸之助も『はじめから』そのような志だったから成功したんだと思うしね。
大会社と違い、会社が小さければ小さい程、社長がダメだと話にならないよね。

また、ギターは芸事でもあるので、芸能=人気商売とも言える。周りの人に好かれないような人は見知らぬ他人からも当然好かれない。
今までいろいろ人を見てきて「才能さえあれば何でもOKか?」と言えば、そうでもないように思う。

他人に好まれてないような人は、やはりいつかどこかで潰れてる。先が続かなくなってしまうんだろうね。「同性に好かれない人」というのと同じ感じだね。

<才能>は持って生まれた資質によるところが大きいが、その「既にある」ものだけで一生勝負出来る人なんて、そうは居ないんじゃないかな?。だから、その人の考え<志>も必要だと思っている。
ちなみに才能の「才」の字の意味は「わずか」という意味らしい。能力が「わずか」しかないなら他も当然必要である。

5年、10年と人を見てれば、<考え><志>ひとつの違いで雲泥の差がついているんじゃないかと思う。

 

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