●第27号 2002年(平成14年)9月発行

山下議員は、地域の力で"新しい仕組みづくり"を前向きに取り組んでいる
市民と共に運動していきます。

 ― 今日は山下議員がホームページ上でも「最近街づくりに対する住民参加が変わったと感じている」と書かれていましたが、どのように変わったと見ているのかお聞きしたいと思います。
山下議員 いくつか実例を挙げてみますが、最初に三鷹駅北口の三鷹通り(中央通り)のフラワーポットの設置と管理システムについてです。
三鷹通り(都道)は、近年カラー舗装されました。その時、通り沿いの商店会の皆さんから、「掃除はもちろんだが、もっと人々の憩いになるような通りにしたい」と相談がありました。そこで、皆さんや市とも協議を重ね、フラワーポットを市で設置し、水遣りや苗の植え替えなど日常の維持管理は地元の中央通西祥会(村上哲也会長)でとの協定を結びました。皆さんの協力により元気に花が育っております。水遣りはフラワーポットの置かれた前の方々にお願いし、10人以上の方で手入れをするチームを組んでバックアップしています。(東京都「道の里親制度」に認定

 − 次に、先日も新聞で紹介されていました西久保一丁目町会(井上敏雄会長)の交通規制指導員の仕組みについてですが。
山下議員 まだ、試行段階ですが、今まで私が取り組んできた中でも、非常に面白い仕組みです。     
以前から、西久保一丁目の住宅地に朝の時間規制(7時〜9時)を無視して進入する車が多く、子どもたちや高齢者の皆さんも大変危ない思いをし、取締りの要望が寄せられていました。しかし警察や市もこの地区だけ特別に継続的に取り締まることは難しい状況でした。
ところが、今年の6月頃から、30代の若いご夫婦が、規制の入り口に連日立ち、進入する車を排除する行動に出た結果、ほとんど進入がなくなりましたが、このご夫妻だけで今後も続けていくのにも限界があり、西久保1丁目町会の役員会で諮ったところ、全員賛成で、「シルバー人材センター」の皆さんにお願いしようということになり8月1日から試験的に実施しております。
 ―費用はどうしているのですか。
山下議員 集団ごみ回収の交付金を当てています。

 ―― リサイクル・安全・高齢者福祉と循環しているわけですね。ほかにはどうですか。
山下議員 文化会館や、図書館の周りにある中央会(山田俊彦会長)という商店会もユニークな試みを始めました。
 クリスマスのシーズンに文化会館のコンサートに来る多くの人たちのために何か出来ないかと、各戸に自分たちの費用で、イルミネーションをつける運動を始めました。昨年は約半分の会員が参加して評判が良かったのですが、今年は参加会員の増加はもちろん、文化会館、図書館にも参加してほしいですね。

―― 様々な地域で、様々な試みが行われているのですね。
山下議員 そうですね。共通しているのは、地域の皆さんが、自分たちの力で地域独特のユニークな仕組みを作り、それを行政が後からバックアップしている点です。今までの行政に言われたからするとか、行政に何でも任せるというのではなく、本当の意味での住民自治が行われつつあると感じております。私も議員として、そのようなシステムを作り出す喜びを感じ、これからもお手伝いをしていきたいと思います。

―― 最後に、6月から、新しいカラス対策を試みているとか
山下議員 はい。約3ヶ月たちましたが、カラスに1回も襲われておりません。
図のような囲いを作ったものですが、このポイントは、カラスは、ゴミをあさる時、足を地面につけて引っ張ります。そこで、その状況にさせないようにAの部分をある程度高くして地面につけていれば、カラスは足を地面につけて引っ張れず荒らされないということです。この話をしておりましたら、他にもユニークなカラス対策をとっている方が色々いらっしゃるのをお聞きいたしましたので、市も、「からす対策コンテスト」でもすれば良いのにと思いますね。


―― 最後は、カラス対策まで身近な市民の中での山下議員の動きが良く分かりました。これからも市
民の視点を忘れずに頑張ってください。ありがとうございました。

今回は別刷りでカラスよけネットの製作を同封いたしました。

カラスよけネットの製作について
桜堤のKさんよりご提案のあった、カラスよけネットについて、もう少し細かく解説いたします。
カラスは、口ばしでゴミを引きずり出すが、足が地面上にないと力が入らず、ごみ置き場を荒らすことができませ
ん。防鳥ネットだけでは、端におもりをしっかりつけていないと効果がないなどが考えられます。
このカラス対策設備は、このカラスの弱点を考案して作ったもので、市から支給されたネツトを上からかぶせるだけ で良く、私も、6月下旬よりこの設備を桜堤のKさんに作っていただき実験をしたが、一度もカラスに襲われることはあ りませんでした。
また、ボックスになるため、ごみステーションが整理されるという効果もありました。
このカラス対策の設備はひとつの試みであり、設備を作るために費用がかかる、耐久性にもまだ問題がある。また、 置く場所が必ずしもすべての場所に適用できるかという点も考慮する必要があると思います。
しかし、カラスの習性をつかんだ防御方法としてはひとつの成果が上がったと思います。
以下に、参考図を描いておきますので、興味のある方は製作してみて効果を試していただきたいと思います。
また、カラス対策で様々な試みを各地でなさっていると思いますが、意見交換できれぱ幸いに存じます。

カラス除け取り扱い説明書
カラスは嘴でゴミを引っ張り出すが、脚が地面上にないと力が入らない。防鳥ネットだ けでは端に相当な錘が無いと効果が無いし、猫、犬にはやや弱い。
当設備はこの点を検討して考案したもので上から市支給のネットを被せるだけでよい。
効果は抜群でテスト結果は上々だった。大きさは10世帯程度をかんがえた。時々洗浄、破損具合チェックすれぱ、椅麗に、且つ長持ちができる。

格納時
(1図)
中央A部から二つ折りにし、B,C部を折り返してコンパクトにする。
折りたんだ中にネットを収める。(使用位置においてもよいが、塀の中等に置 けぱ街がきれいになる)

(2図)
塀、生垣等に沿って2図の如く設置し、ネットは上から掛けるだけでよい。

(備考)他にスライド式で容量(幅)調整型でのコンパクト化方式も可能です。



未来に向けての市政運営のあり方ー
 バランスシートから行政評価システム導入へ

 先ほどは、山下議員が関係した身近な話題や市民活動の動きをお聞きいたしましたが、今回は、大きく変わろうとしている時代にあって、これからの地方自治体の行政のあり方についてどのようなことが大切とお考えか、お聞きいたしました。

― さて、山下議員の議員の任期もあと残すところ半年足らずとなりました。
3期12年目ですが、今期は、かねてより主張していた「企業会計方式、バランスシートを役所の決算に導入せよ」という主張が通り、既に4回目のバランスシートが発表されましたね。

 山下議員 はい。私は議員になって以来「役所の家計簿(単式簿記)方式の会計処理では、実態が分からない」と主張してきました。
 これからの行政は、いかに市民にわかりやすく情報を提供するかが大事であり、資産、負債の状況が一元的に分かる企業会計方式の導入を訴えてきたわけです。
 − 以来4年が経つわけですが、武蔵野方式と言われ、大分評判がいいとお聞きしておりますが。
 山下議員 はい。私の知る範囲では、一番良く出来ていると思いますよ。
昨年の11月に武蔵野市で開かれた国際公会計学会に私も出席しましたが、出席者の間からも武蔵野方式は高く評価されていましたね。
 ――さて、今後のあり方という点ではどうでしょうか。
山下議員 現在、自治体が直面する状況では、まず、平成12年度から地方分権一括法の施行により地方分権が進められ、事業の移管、財源の移譲の地方分権が進められました。また、介護保険のような他自治体と事業内容が比較されるような状況の発生や、その地域々での需要を的確に反映させるような政策が求められています。例えば、武蔵野市のような過密な都市と広い土地はあるが人口が少ない地区との高齢者対策はおのずと違うべきでしょう。
 また、環境問題、高齢者福祉の膨張、少子化による人口構成の変化、安全・危機管理等々新たな行政需要が山積しており、しかも、このような状況で経済の低成長傾向はこれからも続き、今後も厳しい財政運営が求められているということです。
そうした中では、今後、「官」と「民」、行政と市民が、「できること」と「できないこと」をお互いに納得し、役割分担をしていく時代になると思います。これからは、市民要望が強い事業・施策でも取捨選択の厳格化が避けられなくなると思います。
このように地方自治体は、自己責任と市民、行政双方に自己決定を求められる時代に入ったとも言えます。
この中で大切なことは、取捨選択する事業の評価(得られる効果、コストなど)が正確に確実に市民に伝えられることですが、そのためには、その判断材料(施策や事業の評価)を数値化、明確化する努力が行政に求められています。私はバランスシートもその第1歩と考えその作成を強く要望してきました。
おかげで、四期も経年変化を見ておりますと、武蔵野市の資産と負債の状況もよく分かりますし、前に、急に市長選になったら「武蔵野市の財政は火の車」などと主張し始めた候補がいましたが、これらの主張が間違っていることがこのバランスシートを見れば一目瞭然になりました。
―― 武蔵野市でバランスシートを作る時、次のステップとして、行政評価システムにつなげると言っておりました。山下議員は、以前から行政評価システムの導入も強く主張していましたね。昨年の決算委員会でも山下議員の質問に対し、今年の3月ぐらいにシステムの骨格が固まると答弁があったと思いますが。
 山下議員 そうです。少し遅れているようですが、6月に、武蔵野市の行政評価システムについての報告書が出されました。
 ―― 簡単にその報告書の施策評価や事業評価の方法をご説明願えますか
 山下議員 まず、施策や事業を進めるに当たり、事前にその事業の目的、目標値の設定、費用対効果などの計画を立てる(Plan)。その上でその目的や目標値の達成に向けた事業執行(Do)。次に業績の測定、達成度の評価(Check)、改善(Action)をします。この点が大事なところですが、今までは、「コストがどのくらいかかったか」と「施策や事業をどのくらいやったか」が役所内部の評価の大きな柱でした。今回の行政評価システムでは、「行った事業が市民にどのくらい役に立ったか」、「満足を与えているのか」等を把握するシステムです。事前の目標設定と比較することによって、そのことが明確になってきます。さらにここには、満足度調査等の手法による市民の視点からの評価が加えられる場合もあります。そして、その評価を経て、問題点の把握を行い、今後に向けた改善方針を立て、市民に公表します。


―― 武蔵野市もだいぶ改革してますね。
 山下議員 そうです。従来と違うのは、事前の計画をしっかり作ることによって、この施策や事業が果たして武蔵野市にとって必用か否かがよりはっきりし、目的の明確化が図られ、民間のように事務効率、コスト意識等が職員の間で向上する点だと思います。
また、市民側からすると、政策形成過程からの市民参加の促進や行政が行おうとしている施策や事業の必要性や妥当性の判断材料となり、より明確に評価できることになります。
 ――なんだか今流行の国際標準規格(ISO)の認証に似てきましたね。
 山下議員 そのとおりです。ISOの認証のような事業管理の手法による計画、実施、チェック、計画と循環システムの考え方と同じです。
 ―― このような考え方で、社会福祉協議会が介護保険にかかわる各施設の評価を公表するとお聞きいたしましたが。
 山下議員 介護保険に限らず、福祉関係の施設などを評価することによって、当面は経営サイドの努力を促すきっかけになればというところから始め、最終的には複数の選択肢から市民が選択する判断材料に使うと聞いております。
 ―― これなどは、その行政評価の魁ともいえますね。
 山下議員 そうですね。
 ――山下議員は、監査委員を経験し外部監査の必要性も述べておられましたが、
 山下議員 はい。先ほど来、述べてきましたが、これからの行政評価システムをより客観的に、特に市民の立場に立ったものにするには、行政内部だけの評価ではなく、第三者によって常に評価されるシステムが必要と考えます。そしてこのことが、行政の信頼性、事業の信頼性をより高める時代です。ただ、第三者評価は将来的には必要だと思いますが、現時点では内部での評価方法をしっかり確立することが大切だと思います。
 ――第三者評価は別として、 この行政評価システムは、いつスタートするのでしょうか。
 山下議員 全てではないと思いますが、本年度から試行すると聞いていますので期待しています。とにかく、方針が決まったらまずやってみる。その上で問題点が見えてくる部分もありますから、そこで修正を加える作業をしていくことが大切だと思います。また、その作業の中で議員はもちろん市民の皆さんにも、その過程や評価が公表され議論をしていくことが必要だと思います。このように大きく変わろうとしている行政のシステムについて私もレポートやホームページでお知らせしていきます。皆さんもご意見をどしどしお寄せください。
 ―― まだまだお聞きしたいことがありますが、時間もきましたのでこの辺で終わらせていただきたいと思います。本日はありがとうございました。


編集後記
●今年の夏は、西久保一丁目の交通規制指導員の問題や中町2丁目の袋地に大規模なマンション建設計画に対する反対運動等にかかわり、忙しい毎日でした。
●ホームページのアクセス数もここに来て急速に伸びてきました。毎日地味ながらも、山下議員の活動日誌を通じ皆様に市政の動きをお伝えし続けた成果だと思います。これからもよろしくお願いします。
●お体に気をつけて、10月8日、皆様とお会いできるのを楽しみにいたしております


第11回 山下倫一市政報告会及び懇親会のご案内

 暑かった夏も終わり、いつの間にか9月。皆様におかれましてはお元気でお過ごしのこととお喜び申し上げます。
 さて、山下議員も議会活動に地域活動にと忙しい毎日を送っております。
今回の市政レポート27号にも書きましたが、山下議員が相談を受け市民の皆様のお手伝いをさせていただいた仕事が、東京都の道の里親制度の認定を武蔵野市で第1号で受けたり、「交通規制指導員制度」は新聞や、武蔵野三鷹ケーブルテレビで取り上げられるなど、住民の皆さんとの連携をしっかりととった活動が評価されるなど、以前にもまして精力的に市政に全力投球です。また、カラス対策を住民の皆さんと研究するなど多岐にわたる活躍をしております。
 恒例の市政報告会及び懇親会を下記のように開催いたします。お忙しいこととは存じますが、是非お誘い合わせのうえご出席を賜りたくご案内いたします。

日時 平成14年10月8日(火)
   午後7時開会(6時30分受付開始)
場所 JA東京むさし(武蔵野市農協)にて
会費 3000円(ご夫婦5000円)


活動日誌はこちら




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