言葉として理解する


 私は四国の出身ですが、同じ日本人でも、関西の人と関東の人とでは、同じ言葉を言っても、アクセントの位置や抑揚が違いますね?

 日本語とヨーロッパの言葉とでは、主語・述語の並び方も違います。母音と子音のバランスも違います。西洋音楽を演奏するということは、彼らの考え方・しゃべり方で表現するということと言い換えても良いと思います。フランスの音楽とドイツの音楽を吹き分ける時に、まず考えるのは、フランス語とドイツ語の耳障りの違いです。悲しいかな不勉強で、私は外国語を操ることはできませんが、違うんだろうなということは想像できますし、意味はわからなくても、フランス語らしいことやドイツ語らしいことは耳で聞き分けることはできます。更に、救いは、私たちが演奏する譜面には歌詞がありません!本当は、言語を理解しなくてはいけないのでしょうが、「少年老い易く楽成り難し」であります。せめて、タモリの4カ国麻雀(古いか?)のように、でたらめな外国語でも操ってみてはどうでしょうか?もちろん、それで良しと思ってはいけないのではありますが・・・

 複数の国の先生に少しでも習ったことがある人は経験していることかもしれません。ある先生は「その音はもう少し大きさを保って伸ばしなさい。」「そんなに引きずるように吹き伸ばしてはいけません。」などというように。これは前述の通り、国籍が違えば、言葉が違い、従って、表現方法も違うということなのです。言い換えれば、クラシック音楽は、世界音楽のように言われていますが、事この部分に限っていえば、一種の民族音楽でもあるのです。

 同様に、ジャズの語法は、更に特殊です。そして、一言でジャズといっていますが、ジャズにもいろいろあるでしょう。アフリカの音楽だっていろいろあるでしょう。私たちが聞き分けられない差違は、たくさんあるのだと思います。

 話がリズムの話題からそれてしまいましたが、言葉から来るリズム感を無視してはいけないということです。たとえインテンポでなくても、そちらの方が「言葉として」リズムに合っているという事もあるのだと、心のどこかに留めておいて下さい。

 前半、話が難しくなってしまいましたが、誰にでも気を付ければ、表現の助けになることについて書いてみたいと思います。それは、楽譜の題名・作曲者に続いて書いてある言葉についてです。AllegroとかMaestosoとか書いてあるでしょう?Tempo di marciaとかAlla Mazurkaとか書いてあるかもしれません。この言葉の意味を調べることは、表現のみならずテンポ設定やリズムの感じ方の理解にもなります。人前で演奏する前に、一度はここに書かれてある言葉の意味を調べるようにしましょう。


1 2等分する

2 3等分する

3 運動として理解する(シンコペーション)

5 5等分する・組み合わせ・応用

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