にんぷ日記/妊娠9ヵ月の巻〜半分ほんとで、半分は嘘かも〜。

  7月13日(35週6日)   父親学級


  夕方から父親学級へ。私は欠席の予定だったが、夫婦同伴が原則のところに夫一人では気の毒だと思い直し、
  巨大な腹を抱えて参加。メニューは、父親の役割についてのビデオと講義、妊産婦体操。
  仕事疲れで居眠りしかかっている人もいるなかで、夫はメモを取りまくっていた。
  大分大学の臨床心理学の先生の「1歳まではパーラダイス♪」という一言に、我々は大受け。
  よその夫婦を観察するのも面白かった。

  7月12日(35週5日)   タイル張り


  剥離した台所のタイルを、A剤とB剤を練り合わせる式の熱硬化型接着剤で応急処置。
  気温が高いため固まるのが早い。大急ぎで作業する。「やる気一発!」ってなかんじだ。
  いずれ大家さんが全面張り替えてくれることになっているので、割れたのもヒビ入りのも、そのまま圧着。
  おかげで見事に“雑”な出来ばえ。作業の途中、家に立ち寄った夫は「偉いねー」と感心してくれたが……。
  あまりのアバウトさに、学生時代の共同模型制作を思い出してしまった。
  仕上にかかわる細部になると、仲間に「頼む!ここは手を出さないでくれ!」と哀願されたっけ(笑)。

  7月11日(35週4日)   助産婦さんの数


  夫と街へ。図書館→書店とハシゴしたら、活字に気をとられて時間がかかるのなんの。
  と、夫が地元誌『おいたん』(月刊だったのが、これから季刊になるらしい。厳しいね)の、大分県内の産婦人科特集を発見。
  快適性に気を配った病室や設備、食事などが取り上げられている。私が通っているH医院も掲載。
  夫は写真を見て「へえー、綺麗な病室」などと感心していたが、私が驚いたのは助産婦さんの数。
  H医院は10人なのに対し、他院の多くが1〜2人。1〜2人では助産婦が外来で指導する余裕はなかろう。
  また母親学級の担当の助産婦さんは「分娩時はマンツーマンでお世話します」と言っておられたが、他院では……。
  先日、地元紙の記事に“大分県内の助産婦は100人ほどで、うち約半分が病医院等に勤めている”とあるのを見て、
  「そんなに少ないの?数字が間違ってるんじゃないの?」と思っていたが、そうだったのかー。
  H医院については、設備の新しさや食事の豪華さばかりが人の口に上るが、
  この情報を事前に知っていたら、助産婦の数だけでもH医院を選んだかも(実際には直感で決めた→妊娠2ヵ月)。
  ちなみに助産婦は、看護婦の免許を取得した後、さらに勉強や訓練を重ねて取れる免許である。

  7月10日(35週3日)   血液データで見る妊娠


  国際交流センターへ。行きは途中までバス。帰りは腹の張りをなだめつつ道草をくいつつ、家まで歩いた。
  途中、書店で立ち読み。ある本に、血液のヘモグロビン量について、
  “普通の女性で11.0g/dl、妊婦は10.0g/dlあればよい”とあるのを見てしまった。
  なーんだ大丈夫じゃん。でも気をつけるにこしたことはない。妊娠前は男並みだったのだし。
  気になったので、帰宅後、献血時のデータと母子手帳の血液検査データの数値を比べてみた。
  妊娠を境に、見事なまでに、赤血球数も血小板数もヘモグロビン量もガクンと減り、白血球数が増えている。
  妊娠は病気ではないとはいえ確実に身体の負担になっているんだなー と、数字を見て再実感。

  7月9日(35週2日)   呼吸法の復習


  昨夜、知人K氏宅にお邪魔した夫は、K夫人から「呼吸法だけはしっかりマスターしておくべき」と助言され、
  帰宅するなり「乳マッサージや体操は思い出したようにやってるけど、呼吸法はちゃんと練習してるの?」。
  頭ではすっかり覚えたつもりの呼吸法だが、本番でパニックになったらどうなるか分からないし、
  これから出産までの間はしばし、夫の前で「ヒーフー」だの「ヒヒフー」だの、してみせることにしよう。
  夫は、今夜、Goethe大阪校・夏学期最後の通学である。船に乗るのも大阪も、しばらくお休みだ。
  美術館仲間のKさんから久々に電話をいただいた。母親が厄年に産んだ男の子は運が強いんだそうだ。ラッキー。

  7月8日(35週1日)   親が眠れば児も育つ?


  昼食後、猛烈な睡魔に襲われ、倒れこむように2時間半も眠ってしまった。3日連続で歩き回ったから?
  昨日、医師から「お腹が大きくなると睡眠が浅くなるので、昼寝で補って下さいね」と言われていたが。謎。

  7月7日(35週0日)   のせられる


  健診。超音波診断でももう顔や身体のパーツしか見ることが出来ない。
  長さから推測した体重は2200g強。標準〜ちょっと小さめ。「誤差の範囲内です」と医師。
  貧血検査をしたら、またも鉄剤処方を免れるギリギリのヘモグロビン値10.3g/dl。前回値より+0.1。
  前よりも血量が増えている分、血が薄まっていておかしくないので、努力は実っているのかな。
  助産婦さんに、「自分の体重が増えないので母乳の出が心配だ」と話したら、
  「身体に脂肪が少なくても、乳房マッサージで既に分泌があるなら、出は良いはず」とのこと。
  昨日のお産の話も。産後すぐ母親の乳首をくわえさせたら、
  赤ちゃんが強く吸い付いて、離そうにも離れなかったとか。
  「あと1ヵ月ありますから、貧血対策と乳房マッサージもがんばってください」と優しく励まされ、
  すっかりその気になって帰宅した。のせられやすい。

  7月6日(34週6日)   ダーリンミシン♪(by RC)


  昨日の掘り出し物“ワッフル織の古シーツ”を切り刻んで、赤んぼの「おしりふき」をつくった。
  何度も水をくぐっているため生地が適度に柔らかく、汚れたら惜しみなく捨てられる。
  とはいえ洗濯もしたいので、縁を始末した。50数枚を一気縫い。
  今日ほど、このロックミシン付きミシンの威力を感じたことはなかったかも。
  上京間もない頃、池袋のミシン屋さんで、冷やかすつもりが値切り倒してしまい(20万円→6万円)、
  買わざるを得なくなってしまったという代物なんだが、ここのところ大活躍だ。
  夕方は、夫と長浜神社のお祭りへ。さつま揚げや、巨大な肉片の焼き鳥の屋台は、九州ならでは。
  境内では、赤い戦闘服のレディースたちが、日本酒一気飲みをして気勢を上げていた。今や無形文化財?

  7月5日(34週5日)   犬も歩けば


  「太らなきゃ」と言いつつ、薄曇りをいいことに朝から歩き回る。汗がリュックの紐に滲むほど出た。
  途中でパン屋さんに寄ったら、店員さんが、焼き立てホカホカの天然酵母パンの“耳”をくださった。
  保育園の前を通りがかったら、子供たちがお昼寝の準備をしているところで、とても可愛かった。
  家に戻って、ふと、押入の天袋を捜索したら(ホントはもう高い所は禁止なんだが)、
  掘り出し物があった。犬も歩けば棒に当たる。ラッキー。

  7月4日(34週4日)   ちっとは太っておきたい


  食べても食べても体重が増えぬ。代謝が良すぎるのか? 産後の母乳の出具合を考えると心配。
  胎児は相変わらず元気一杯で、腹の皮が痛くなるほど動いている。

  7月3日(34週3日)   スタイともいう


  本日つくったもの、よだれかけ3枚。あまりの可愛さにウットリしてしまった。自画自賛度300%!

  7月2日(34週2日)   巻き物?


  本日つくったもの、沐浴布 と 春巻。……深い意味はない。

  7月1日(34週1日)   薄くなってる


  散歩を兼ねて街へ。客用の夏の寝具などを買い足した。
  ここ4ヵ月、スカートばかり履いているせいなのか、ホルモンの関係か、
  脚の毛が薄くなっていることに気付いた。ヘソの周りは濃くなったのに。

  6月30日(34週0日)   回復


  梅雨の晴れ間。開き直って、何とか回復。階段や自転車置き場の掃除もした。
  不審な布団屋が来た。ピンポーンピンポーン。「どちら様?」「N川です」「どちらの?」「布団屋さんでーす」
  「何の御用件?」「布団の手入れをさせてもらってます」「あ、結構です」。
  昔、「Y本です」で押し通そうとしたY売新聞の勧誘員もいたな。
  用件を先に言えよ。名前だけだと余計怪しい。ドアを開けさせようたって、そうはいかんぞ。

  6月29日(33週6日)   敷きっぱなし


  また大雨。早朝に目覚めてしまった。フラフラしながら何とか夫の弁当をつくり終えたが、
  寝不足と腹の張りで、午前中は再び床へ。午後は座って作業していたが、夕方腹が痛み、再び床へ。
  乾かぬ洗濯物、続く雨、不快な法律、要らぬ口出し、物事の遅延……痛む腹に相乗効果だ。

  6月28日(33週5日)   ……はむ


  雨が止んだので、歩いて市役所などへ。出生届ほか各種届出のための書類を揃えた。
  各所で普段使わない脳ミソを使い、買い物も含め4時間以上も歩き回ったので疲れた。……はむ。
  KYONさん&BBBBの『DANGEROUS HOY! SAUCE』をやっと入手。
  誰の演奏がどうだ、なんてどうでもいい。渾然一体となったガンボな味が、やみつきになりそうだ。
  今日買った『母乳とダイオキシン』(本郷寛子 岩波ブックレット482 1999)は
  妊婦必携だ。外野への武器として有効。BBBBを聴きながら一気に読んでしまった。
  疲れすぎた勢いで、夜はバンバンバザール『4』で踊りまくる有り様。

  6月27日(33週4日)   雨の日曜は怖いねえ


  雨が小降りになったので図書館へ。混んでいて、走り回る子供に泣き叫ぶ子供(それを見てみぬふりの親)、
  ゴホゴホと咳をしているオジサンたちなど、身の危険を感じたので、大急ぎで本を借りて外へ出た。
  スーパーに寄ったら、ここでもエネルギーの有り余った子供たちが、走り回ったり無闇にカートを押したりで、
  この巨大な腹にぶつかってくるんじゃないかとヒヤヒヤした。

  6月26日(33週3日)   セツ先生は雲の上


  新聞の訃報で、長沢節先生が6月23日にお亡くなりになっていたことを知った。ショック。
  つい3週間ほど前、NHKの朝の番組で、健康的な食生活を披露されていたばかりだったのに。
  自転車事故だったとか。千葉県勝浦市の病院……ということは、
  毎年恒例のスケッチ大会をする大原漁港で、転んじゃったのかなあ。
  長い闘病ではなく、直前まであの素敵な姿でいらしたであろうことが、せめてもの救い。
  高校時代から愛読していた『So-en』誌(現、『装苑』)の影響で、ずっとセツ先生に憧れていた。
  東京で働くようになって、運一つで(6倍ものクジ引き。入学試験なし)セツ・モードセミナーの夜間部に入学した。
  大正生まれなのに、王子様みたいな、天使みたいな方だった。
  仕事が忙しくて中退することにはなったけれど、先生に会えたのは、私の人生の幸運の一つだったと思う。
  微笑んでもらったし、「ね、先生の絵、上手でしょー」なんて、耳を引っ張ってもらったこともあったし。
  おいしいコーヒーと、素敵な時間をありがとうございました。合掌。

  6月25日(33週2日)   何やってんだろ


  今日も大分は大雨。坂の途中で転ぶのが怖くて、買い物にも出なかった。
  夜中に思い立って、普段使ってない方の中華鍋をカラ焼きしては磨いてみたり。何やってんだろ。

  6月24日(33週1日)   古い家


  土砂降り。身体が変にだるい。朝のゴミ出しだけ済ませ、昼まで寝ていた。
  午後、ガス会社が3年毎の訪問点検に来た。ついでに、古〜い瞬間湯沸器(使えないのに、油で汚れる厄介物)
  外してもらった。担当者は「業者に頼んだら2000円くらい取られるよ」とブツブツ言っていたが。
  おかげで台所がスッキリした。と思ったら今度は、壁のタイルの一部が剥離。ううう。

  6月23日(33週0日)   愛想よし


  胎動がますます強烈に。夫が胎児の心音を聴いているときも、グニグニと動き、夫を面白がらせた。
  先日の健診では愛想がなかったのに……。私はもう、少しの胎動なら驚かなくなった。

  6月22日(32週6日)   雑事


  あと4週で正期産となる。ドタバタしてると忘れそうな、人の世の手続き(自動車保険の更新等)を確認した。

  6月21日(32週5日)   元気が何より


  健診のため医院へ。いつものメニューをこなして超音波画像を見た。2週間なんてあっという間。
  胎児は「えー、また撮るのお?」とでも言いたげで、顔はプローブにそっぽ向き。性器も隠す。
  医師に必ず「立派なタロウさんです」と言われるのが恥ずかしいのかも。
  それでも、ここ数日の私の寝不足にもかかわらず、元気で順調なのは何より。
  胎児の頭が、私の腹の下の方に位置しているため、腹が張りやすいことも分かった。
  「それで分娩が早まるようなことはない」とのこと。推定体重は2100g強だった。
  次に助産婦の指導タイム。今日の担当は、婦長さん。別姓夫婦の子の戸籍について、
  「最近増えてきたので、どう手続きするのか教えて」と質問され、逆レクチャー。
  帰りに郵便局で、戸籍謄本取り寄せ用の為替を購入した。夫のと合わせて2通分。
  ついでにタワレコへ。KYONさん&BBBBの新CDについては、
  『ミュージックマガジン』誌に大きく載っており、楽し気な様子に顔がほころんでしまった。
  予約しようとしたら若い女店員に「これはJ-POPですか?」と聞かれた。
  対して「は? それは“日本の”という意味ですか?」と聞き返す、意地悪バアサンみたいな私。
  何にでも“J”を付けりゃいいってもんでもなかろう。ジャニーズ・ポップ?
  商店街の100円ショップにて、蓋付きバケツを発見。汚れたオムツの付け置き用にピッタリ。
  青かオレンジ色のが欲しかったが、みな売れてしまっていて残るはピンクのみ。ま、いいかと購入。

  6月20日(32週4日)   猫どもめ


  涼しくはなったが今度は、近所の猫どもが家の周りで鳴きまくり、眠らせてくれなかった。
  そのせいか、夫が大阪から帰ってきたというのに、ぐったりして起きられず。昼過ぎまで寝ていた。
  梅田のタワレコで買ってきてくれた、最新の『BLUES MARKET』(99年7-8月号)は、
  巻頭インタビューにバンバンバザール!! うれしい! 
  メンバーの意外なルーツに驚く(特に安藤さんと南さん)。安達さんの発言が少なくて残念。

  6月19日(32週3日)   だるい


  雨は午前中のみ。身体がだるく、家の中を休み休み片付けていたら、一日が終わってしまった。

  6月18日(32週2日)   いい目覚め


  ここ数日、蒸し暑さのせいで、早朝に目覚めてしまっている。おかげで睡眠不足。体重も横這い。
  昼寝すればいいのだが、そうはできぬ日もあり。夜、涼しくなると元気になるのも困ったもの。
  ちなみにこれまでの数カ月は、膀胱が圧迫される感覚に、飛び!起きていた。
  赤んぼが生まれたら、泣き声で目覚めるんだなあ。ふむ。
  今日は夕方になってまとまった雨となり、気温低下のおかげでやっと身体が楽になった。

  6月17日(32週1日)   ファン


  赤んぼの必需品・ガーゼのハンカチに刺繍なんぞしてみた。うーん、ダサい。
  さてこの夏、KYONさんやバンバンバザールなど大好きなアーティストの方々が、
  続々と大分や近県まで来てくれて、ライブを行うらしい。どれもこれも垂涎ものの魅力的なイベント。
  去年までなら、夫を誘ってスタコラと聴きに行ったところだが、今年は
  「大きくなったら、一緒に(ライブに)行こうねー」とお腹に話しかけつつ、お預けとする。
  そういえば、福岡にて、HKBに参加しているKYONさんの出待ちをしているときに、
  4〜5才くらいの少年が「モトハルだいすき!」と言いながら、
  母親につくってもらったという“佐野元春人形”を抱えて、同じように待っているのを見た。
  両親とも佐野ファンらしいのだが、少年に付き添っていた母親は、
  「親よりも、この子の方が熱心になってしまって」と苦笑していたっけ。

  6月16日(32週0日)   お任せじゃいけない


  いけないいけないと思いつつも、蒸し暑さに負け、今日は家の中で読書三昧。
  『ひとはどう生き、どう死ぬのか』(日野原重明・犬養道子 岩波書店 1997)を一気に読んだ。
  医療問題についての対談だ。入手しそびれたのを図書館で発見した。
  日野原氏は聖路加病院名誉院長で、日本のホスピスケアの第一人者である。
  犬養さんの文章と行動力には常々勇気づけられているが、対談を読むのは初めて。
  理知的な方だと思っていたが、話の脱線っぷりが意外に人間臭い。変なところで感心してしまった。
  さて本筋。主体性をもって医療を受ける……そのことが日本では難しい。
  患者としては、賢くなってオカシイことには問題提起しなくては、と思ったことだった。
  夕方にやっと天気雨。もっとザーッと降って、気温を下げてもらいたいところ。


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