にんぷ日記/妊娠8ヵ月の巻〜半分ほんとで、半分は嘘かも〜。
ようやっと7月に、平日夜の「父親学級」が開かれることになり、申し込んだ。
夫婦同伴が原則だが、開講時には臨月なので、夫が一人で参加する。もっと頻繁にやってくれればいいのに。
梅雨のはずなのに全然雨が降らず、蒸し暑いばかりで妊婦はぐったり。農作物も心配。
赤んぼ用の替えシーツ2.5組を一気に縫った。ミシンで思い切り直線を縫うと、蒸し暑くても爽快。
夜、胎児と“ラッコの母子ごっこ”をして遊んだ。床の上に仰向けに横たわり、
「お母さんが貝を割ってあげよう」と言いながら、胸の中央を叩いて振動を伝える。
「ほら割れたよ!食べな」と腹に載せているつもりの子供(胎児)のいるあたりに手を持っていくと、
胎児がウネウネと動く。食べているフリなのか? ノリのいい子だ。
子宮の重みで苦しくなるため、あまり長い時間、仰向けではいられないのだが。
大阪帰りの夫のお土産は、赤んぼ用のやわらかいガラガラと、鈴木光司氏の育児エッセーと、月刊誌『母の友』。
育児にやる気の夫は「なーんで、“母”の友なんだ。名前を変えるべき」。
昼は、夫と一緒に街の本屋へ。またしても公園でパニーニなんぞ食べながら、よその子供を観察。
夜は、名前を考えるのに夢中になって、床に就くのがかなり遅くなってしまった。
『子どもを産む』(吉村典子 岩波新書 1992)を再読。
“今月の新刊”との帯がついているから、出たてで買ったらしい。
当時、自分が子供を産むとは考えていなかったが、興味はあったらしい。
そしてそれが現実となった今も、妊娠/出産/育児は、「初めて体験すること」として面白がっている。
“子孫を残す”なんて重い意味は、感じない。そんなの、めんどくさい。
午前中の体調がいいうちに……と、久しぶりに車を運転して、知人宅へ届けもの。
腹が張ってくるのが怖くて、玄関先で立ち話だけして、大急ぎで帰った。
案の定、家に着く直前で胎児が暴れ始め、たどり着いたときには腹はもうパンパン。
今の時期は、車や歩行の際の振動が直接胎児に伝わっているため、それに応じて腹が張るのだそうだ。
葉物を炒めるときの「ジャッ!」という音にも、びっくりして大暴れしている胎児であった。
ミッフィー こと うさこちゃんの絵本で知られる、福音館書店からPR誌が届いた。
そのなかに載っていた『こっちよこっちよ』という本の絵に「あーん、可愛い♪」と身もだえ。
まんまと出版社の策略にはまった。絵本を買わせたいなら母親のツボを押せ!だ。
夜、保健所の母親学級で友達になったAさんから電話。予定日は1週間違い。
最近急に出歩くのがしんどくなった…という状態は、彼女も同じようだった。
我々夫婦には、訳あって年に3回も結婚記念日がある。本日もその一つ。
去年まではワインで乾杯なんぞしたもんだが、今年は私が禁酒中なので(アルコールは胎児に悪い)
朝、オレンジジュースで乾杯した。なんて健康的な。
夫が仕事帰りに、毎年のワインの代わりとして、花の苗を買ってきてくれた。
梅雨の晴れ間だというのに、どうも気分がすっきりしない。お腹は張るし。
こんなときにはゴミ捨てだ。そこで、昔つくったスクラップのファイルを整理。紙袋一杯近く捨てた。
子供ができたあたりを境に、興味の対象がかなり変化してきたのだ。
健診は2週間に1回となった。本日も、体重/血圧/尿検査、ともに順調。
胎児も順調にスクスク大きくなっており、サイズから計算した体重の予測値は1800g強。
相変わらず週数の割には、ちょっと大きめ。その点は夫似か?
腹が張るのは、この時期では仕方ないらしく、しばらく横になって治るようなら心配ないとのこと。
「昔からアグラが苦手で、妊婦体操のアグラをかくのも辛いんですが」と助産婦さんに相談したら、
「アグラがかけないと自然分娩できない? そんなことはありませんよ!」と言われ、ほっとした。
医院は大分市の中心部にある。帰りに、百貨店の食料品売場に寄ったら、
あちこちの売り子さんから「ほら、鉄分が欲しい妊婦さん!この◯◯が鉄分補給にオススメ!」
とかなんとか声がかかって困った(苦笑)。
腹の中が狭くなってきたようだ。時々、腕(肘?)や脚(膝?)らしきものが、
腹の皮に引っ掛かるのが分かる。これまでの胎動が「ボコボコ!」だったのに対し、
ここ数日のは「ぐいーっ!」。もちろん、腹への衝撃は後者の方が大きい。
昨日、ありがたくも、実家の両親と妹が、赤んぼの布団を買って送ってくれた。それが本日届いた。
ベージュ地にミッフィーの刺繍。かわいー♪ 妙なフリルがついてないのも、うれしい。
(身内を誉めるのも何だが、妹のセンスの良さには、一部で定評があるのだ)
さっそく替えのシーツを縫うことにしよう。
郵便受を覗いたら、申し込んでおいたバンバンバザールの最新CDが届いていた。二重の喜び。
そのうえ、バンバンのHPを見てみたら、久々に大分に来てくれるとの情報が。
きゃー、うれしい!! おや待てよ?……7月29日って、予定日直前じゃん。あらららら。
ヘソが裏返ってきた。妊娠前に凹んでいた部分が、とうとう軽い出ベソ状に……。
胎児の動きによっては、ヘソの部分の薄い皮膚が刺激され、不思議な感覚を味わえる。
ヘソを突き破って胎児が出てくるような。
ダイオキシンについての講演を聴講。講師は県環境課の化学の専門家。
ダイオキシンの化学的性質を説明してくれたのはいいけれども、
「マスコミがあおったせいで、皆さん気にしすぎ」「生殖期が終わった年代には、大して影響はない」とか
「議会の賛成がないと行政は動けない」「大分の汚染度は低い」とか、逃げ口上が多い。
で、「これから妊娠する若い女性だけは、気をつけるべき」と言う。
妊婦としては黙っていられず、質問コーナーになったら真っ先に挙手して、
「私はそんなに若い女ではありませんが、妊娠中です。
貧血防止に貝やレバーを食べろと栄養士は言いますが、汚染が怖くて食べられません。
若い人間は一体、何を、どう、気をつければいいのですか?」と質問した。
返答は、薬などの化学物質を極力とらないこと(→そんなの妊婦の常識だってば)、
そして栄養士の言うのと同様、「色んな食品をバランスよくとること」(→これまた妊婦の常識)だと。
他の人の質問にもヌルイ返答で、肝心な点は教えてくれずガッカリだ
った。行政はあてにならない。
結局、自分や家族の身は自ら守るしかないのだ。これまた当たり前のことだが。
換気扇の掃除。図書館で借りたDIYの本を見ながら、モーターのついている本体部分も初めて外した。
結構簡単に外れるものだ。ネジ2本で止まっているだけだもの。
踏み台から落ちたら洒落にならないので、取り外しには細心の注意を払う。
ベランダに出て、油汚れをせっせとボロ布で落していると、隣の神社(無人)で何やら唱えている声が。
聞いてみれば、般若心経。神社でお経! 吹き出しそうになったが、
ご本人(お婆さん)は「……くださるよう、お願い申し奉ります」と真剣な様子なので、こらえる。
上半身が油臭くなったのでシャワーを浴びて、車で郊外の美容院へ。
ざっくりと髪を切ってもらい、お猿になった。
夫が13年前から所有していた古いテレビと、私が8年前に買った古いモノラルビデオを、
「欲しい」という奇特な方がいらっしゃったので、嫁に出した。おかげで、赤んぼの空間が増えて嬉しい。
赤んぼは畳の上に布団で寝かすことにした。そこで、寝室の畳を上げて、
裏を掃除した。をー、カビくさっ! ちなみに我が家は集合住宅の1階だす。
夫と街の図書館に行き、胎児にかんする本を2冊ばかり借りてみた。
それらによると、胎児は何でも知っているらしい。ほー。
やっとスカッと晴れた。12時間も寝て体調は回復。大分市の端までフリマを覗きにいった。
妙にテンションの高いオジサンが、私に向かって一声。
「そこのお母さん! 子供の服やら、買うていかんね!」。
見知らぬ人にいきなり“お母さん”と声をかけられたのは、初めてだ。がーん。
だからって訳でもないが、オジサンとことは別の店で、ピアスなんぞ久々に買ってしまった。
オーブン粘土でつくった、青/ベージュ/緑のマーブル模様の玉 のついたやつ。
家に戻ってよく見ると、地球みたい……う、「母」なる地球ってことかい。
妙にお腹が張ったり(しばらくじっとしていると治る)、頭がボーッとしたりで、
せっかく晴れたというのに、横になっている時間が多かった。ううう。
昨日の医院でのレクチャーをもとに、入院時に必要なものを点検。
乳帯(授乳用ハーフトップ)と、家で破水した場合のお産パッド(巨大ナプキン)とを買い、
入院する最低限の準備は、とりあえず終了した。
医院の母親学級の後半。医院のスタッフ紹介があり、看護婦さん、助産婦さんはもちろん、
受付の方、厨房の方や美容師さん(!)まで、わざわざ見えた。その後、我々も自己紹介。
本日の講義内容は、妊娠中の食生活と、母乳管理、入院時に必要なもの、そして新装なった院内見学。
妊婦の集団はノロノロしていて、どういうわけか他人の迷惑を考えない。人のフリ見て我がフリ直せ、であった。
狭い出入口を巨体と傘でふさぐようにして、靴をゆっくりと履く。後ろがつかえているのにお構いなし。
各室を見るときにも、奥まで詰めないでボーッと立っているため、後ろの方の人には何にも見えない。
(しかも、見えなかったはずの人も、後から見ようとはしないから不思議。やる気あんのか?って感じ)。
スタッフのテキパキした態度とは、あまりにも対照的な妊婦たちであった。
私以外の妊婦は皆、地元人か、夫が地元人。
この医院の評判を十分に聞いて来ているわけで(わざわざ他院から移って産む人もいるとか)、
「医院にお任せするから、私はちゃんと聞かなくていいわ」なあんて思ってるのかな。
ま、他人のお産だから、知ったこっちゃないけど。
解散して医院を出ると、お迎えの車がずらっと並んでいた。不気味だった。
そうそう、シャンプー&エステルームでは、退院前に、無料で髪をカットしてくれることが分かり、
これで、安心して髪を短くできると思ったことだった。
昨日の超音波画像ビデオには、もう胎児の顔立ちもばっちり映っていて、
医師も夫も「アゴのラインがお母さん似」だと言う。夫は喜んでいるが、私は複雑な気分。
ま、顔立ちなんて年齢を重ねるごとに変わるから……と、気にしないことにする。
天気予報では、今日一日だけ晴れて、明日からはまた雨らしい。
というわけで、朝は大急ぎで洗濯と網戸の張り替えを済ませた。
大阪〜京都と勉強会をはしごした夫は、フェリーで早朝に帰宅した。疲れでフラフラしつつも職場へ。
私は妊婦健診へ。妊娠後期に入り、心電図の測定、ATLおよび貧血の検査を受けた。
ATLの結果は後日だが、貧血の結果はすぐに出た。
鉄剤を処方されずに済むギリギリのヘモグロビン値。
ここ2〜3日、鉄分が不足した食生活だったかも。心当たりあり。油断した。
体重の増加は制限範囲内だったので、「よく管理してますね」とほめられた。
今ちょうど、看護学校からの実習生が来ていて、腹囲と子宮底を測ってくれたのはいいが、
臍上部の皮下脂肪のために、子宮の境目が見えず、右往左往。分かりにくくて申し訳なし…だった。
心電図では雑音が入るし、採血後の絆創膏はズレて貼られるし、
今日の私は、医療関係者を惑わす妨害電波を発していたのかもしれない。
超音波画像のときにいたっては、医師がビデオの録画ボタンを押し忘れてしまった。
一通り見終わったところでミスに気付き、録画し直し。ま、二度も画像を見られたのでいいけれど。
頭や胴体の幅、脚の長さなどから計算すると、胎児の体重は現在1500g強。週数の割に少々大きめらしい。
つい「発育がいいと、(胎児が)早めに出てきてくれたりしますか?」と医師に問うてしまった。
即座に「そんなことはありません。だったら“未熟児”なんてないでしょう」と笑われた。愚問だった。
夕方、雨上がりに油断して歩いていたら、溝の蓋のグレーチングの上でツルン!
危うく転ぶところだった。気を付けなくちゃ。
朝目覚めて「雨だから網戸の続きはできないなー」と思ったら、二度寝してしまった。
でも、雨に車の汚れを落してもらえたのは、幸い。午後は、お裁縫。
フリマで買った長袖の授乳用パジャマを半袖に。着過ぎて剥げチョロけたワンピースを
授乳用の寝巻きに作り替え。このごろ、服に鋏を入れることに抵抗がなくなってきた。
バジルとロケットが発芽した。
初めて「トイザらス」に入店できたが、商品数の多さに目眩が……。とりあえず今日は見るだけ。
感じいいのオンブ紐を見つけた。赤んぼの首がすわる頃には、寒くなっているはずだから、
背負って暖をとりたいなーなんて、うしし。まだ生まれてもいないのに気の早いこと。
その後、ホームセンターへ行き、アミ戸の張り替え材料(網、押さえゴム、ローラー)を買い込んだ。
赤んぼと夏を過ごすための、蚊よけ対策である。遅い昼食の後、張り替え開始。
作業は、古い網とゴムをはがし、新しい網を広げてローラーでゴムを溝に押し込んでいくだけ。
余った網を切るカッターの使い方や、網を張るときの力加減などには慣れが必要だが、
コツをつかんでしまえば、テキトーな私にも楽勝。初めてにしてはまあまあの出来か?
予定の半分を張り替えたところで蚊が出てきたので、残りはまた今度。
市保健所の母親学級/全6回がやっと終わり、修了証書をもらった。
本日の内容は、新生児の育児および家族計画。新生児にとって快適な環境は、
湿度60%、気温20〜22度だそうだ。数字を守る趣味はないが、家の中に温湿度計を置くのは、
小学校の理科(今は生活科だっけ?)の観察のようで面白そう。これを機会にやってみたい。
来週、医院の母親学級の後半を受けたら、レクチャーはお終いとなる。
市では「父親学級」も行っているが、ここ数カ月は土曜のみの開催だった。
土曜ごとに大阪通学の我が夫は、参加不能。本人は参加したがっているのに、残念なこった。
夫を通わせた人たちの話によると、出産・育児に対する夫の姿勢が、てきめんに変わったそうな。
夜、義父母と電話で話をした。
美術館の研修へ。5月からボランティアの当番は休ませてもらっているので、久しぶりの美術館だ。
展示替えしたばかりの常設展示室の日本画について、学芸員さんからレクチャーを受けた後、
明後日から始まる企画展の準備を見学させてもらった。
ずっと立ちっぱなしで少し疲れたが、ピンとくる絵も多く、楽しい時間を過ごせた。
医院の母親学級へ。内容は、医院の方針説明、呼吸法、妊婦体操など。
噂に聞いていたオヤツは、バニラアイスクリームに白玉団子(アンコ)添え。
「新ラマーズ法」のビデオを見ながらいただいたのだが、一口食べたところでいきなり、
股間から子供の頭が出てくるシーン。団子が喉につかえるかと思った。
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