「みんなのうんち展」とは?  事業概要・大人むけご案内


「みんなのうんち展」開催のごあいさつ

 アフリカのサバンナを歩くとわかることですが、そこらじゅうに動物のうんちが落ちています。でもテレビで放映されるアフリカものや動物ものの番組では、それらが映されることはまれです。
 それはちょうど私たちが生活の中で、自分のうんちのことに「気づかない」ようにしていることとよく似ています。
 私たちのうんちの世界とはちがって、野生の動物のうんちの世界はじつに豊かです。大きなゾウのうんちからは、だれもがそのお尻の「アナ」の大きさを想像します。ライオンのうんちの中にまじっている動物の毛からは、その動物が何であったのかと、その動物の死、あるいは「殺して食べる」ということを想像します。

 ここに展示している「展示資料」は、諸般の事情から動物園で採取していただいたものもありますが、野生の動物の実物もあります。それが野性であれ、動物園で生まれ動物園で飼われているのもであれ、ここに展示してある67種類のうんちを通じて、いろいろな動物の多様さ、それぞれの動物の生き方と、「この」うんちができたことのドラマを感じ取ることができます。
 そしてうんちを排泄するそれぞれの種の多様なシステムの中に、その種としての「人生観」も感じ取ることもできます。
 あの可愛いといわれるパンダは、1日18時間を食べて排泄することにひたすら費やし、あとは寝ているしかありません。ゾウのそれもパンダに似ています。
 ナマケモノは、きわめて平和を好む種であり、そのために多種が食べない毒入りの葉をあえて食べ、その解毒と消化に50日を費やします。動くと消化に回す栄養分が不足するので、彼らはひたすら動かないようにあいています。人はそうした彼らを「ナマケモノ」と呼ぶのです。
 こうした動物の多様なうんちを通じて、私たちヒトとはいかなる「種」であるのか、考え込んでしまいます。

 動物園に行けば、いろいろな動物のうんちを見ることは可能です。しかし動物園には2つの問題があります。ひとつは動物たちのうんちは掃除されてしまうことです。もうひとつは、動物園ではやはり動物の方をみてしまいます。だから、動物園では、うんちそのものを「生物学的哲学者」として見つめることは、とてもむずかしいのです。
 「みんなのうんち展」は、こうした理由から、あえてうんちを実物の動物から切りはなして、実験的な展示を試みました。「その」前でウンウンとうなづき、生物学的哲学をしていただければ、主催者としてこれにまさる喜びはありません。


[河合 満朗(かわい みつお):「みんなのうんち展」企画責任者/CDI取締役・主任研究員]

日程
2001年8月10日(金)〜30日(木)
会場
科学技術館(東京・竹橋)
主催
CDI科学技術館
展示内容
世界の動物たちのうんちから、生き物の不思議、多様性を学ぶ
(具体的展示内容・予定)
「いろいろなうんち」 世界の動物のうんち 約70種類の実物展示
「シンボル展示 ぞうのうんちがいっぱい!」
「消化と排泄 イカやサザエのおしりはどこ?」
「健康とうんち バナナうんちのつくりかた」
「暮らしとうんち ボクのうんちの運命は?」
「キミは動物のうんちを触ることができるか?!」
 コアラ・キリン・アフリカゾウのうんちを、さわれるように用意します。
「うんちくクイズ」 会場にクイズが5問隠されています。
入場料
500円 (4歳以上)/前売 400 円 販売方法
協賛
カゴメ(株)、(社)農山漁村文化協会、(株)大氣社/(株)建材社、(株)ティアイエスコーポレーション
協力
東京都恩賜上野動物園、東京都多摩動物公園、東京都下水道局、国営沖縄記念公園水族館
Shenton Safaris Kaingo Camp(Zambia) 、Chobe Safaris(Botswana)
企画委員会
  顧問:
岡田 節人(JT生命誌研究館館長・京都大学名誉教授・元岡崎国立共同研究機構長)
  企画委員長:
小原 秀雄(女子栄養大学 名誉教授・(財)日本自然保護協会 理事長・日本環境会議 代表理事)
  企画委員:
山下 光雄(慶應義塾大学医学部教授)・
吉田 隆子(管理栄養士・食育研究者)・
砂田 登志子(食生活・健康ジャーナリスト)・
彦坂 裕(建築家)

[BACK]さいしょのページにもどる

http://www.jade.dti.ne.jp/~cdi/u/about.html

from 20010524 CDI, last update 20010806 1430 makita@CDI