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  すまいのリフォーム
 
 
 私たちは、事務所設立以来、民話型建築家を目指して、 地域の人々から寄せられる建築相談や、 日照、建築紛争などの住民運動への協力、 様々な相談会や講習会、懇談会などへの参加を重視して取り組んできました。
 その中で、私たちの事務所に相談に来られた事例を紹介します。
 
   
1階の天井が、突然水浸しに・・・  
     

 古くなった建物に雨漏りが生じた場合その原因を特定して、 的確な修繕を行うのはなかなか難しいものです。この例は雨漏りではありませんが・・・・

 Oビルは、築23年の鉄筋コンクリート造5階建てのテナントビルです。 今年の4月、屋上の高架水槽から大量に水があふれるという事故がありました。 その際は塔屋の出入り口から階段室に入ったため5階の屋内が水浸しになりました。 ここまでは当然といえるかも知れません。 ところがあろう事か、途中階は何でもないのに1階の天井裏に大量の水があふれて、 天井、壁が水浸しとなり、照明器具は火花を発して次々切れてしまう事態となりました。 大家さんは、知り合いの水道工事屋さんなどと現場を調査しましたが、 どうしても原因が分からず相談にこられました。

 現場の屋上はそれほど広くないため排水口(排水ドレイン)が小さいのですが、 これに地上から這い上がったツタの枯れ葉が詰まりやすい上に、 屋根周辺のパラペット(水が外部に出ないようにする立ち上がり)より塔屋の床の方が低くなっています。 これで階段室に水が浸入した原因は明白でした。ところが1階になぜ大量の水が浸入したのか。
原因はあったのです。 以前1階の空調の室外機は屋上に置かれていましたが、最近は空調機の方式を変えたため撤去されています。 原因はこの電線管が残されたままになっていたため、 1階から屋上に通ずる電線管が屋上に突き出しており、 これがパラペットより低い位置にあったのです。ここからあふれた水が、電線管を通じて直接1階に流れ込んだのです。
この原因を断ち切るために、電線管を撤去し劣化していた屋上防水を全面的にやり直しして漏水を止めることができました。

     
揺れる木造3階建て住宅
 

 Aさんの住宅は木造3階建てです。建築して入居まもなく、 住宅が大風などで眠れないほど揺れることに気がつきました。 施工した近所の工務店に相談すると「そんなはずはない。 あの家は4寸角(約12センチ角)の柱を使って丈夫に造ってあるのだから」と取り合ってくれません。 Aさんはその後3年あまりも相談にのってくれる人を探して私たちの事務所に見えました。
調べてみるといろいろな問題がありました。 揺れに関する問題だけでも耐震的な筋かいや壁がかなり不足しており、 その筋かいも釘1本だけで留めてあります。 また、木造3階建ては背が高いので、強い風が当たったり、地震の揺れで家が持ち上げられやすいのですが、 これを防ぐためのホールダウン金物と呼ばれるものもありません。 構造検討の結果ではAさん宅は強い地震や風によって倒壊のおそれさえあります。

 私たちは、まず構造計算を再度行い、弱い部分に筋交いを補強し、基礎にホールダン金物を施しました。 入居後、住みながらの工事となったので、全ての工事を外側からとし、 外壁材を一端全て撤去、構造用合板を打ちつけ補強しました。 このような事態になった原因は、工務店が確認申請を単なる方便と考えて図面を無視し、 当初から違うものを造るつもりでいたこと、自己過信から経験だけを頼りに造ってしまったことにあります。

     
欠陥だらけの新築
 

  Kさんは、1階に駐車場を持つ鉄骨造3階建ての住宅を新築しました。  完成引き渡し時期はその年の12月末ということで、新年は新築住宅で迎えるものと思っていましたが、 工期が大幅に遅れ、部分的に完成場所を作って暮れにはなんとか仮入居することができました。 しかし、入居して驚きました。工事の程度があまりにもひどいことが分かったのです。 扉のたて付けが悪い、床がひどく沈んできしむ、畳が柔らかく人が乗ると沈む、間仕切り壁が不安定で揺れるなど、 新築住宅に膨らませていた夢をうち砕く工事内容だったのです。

 Kさんは未完成部分の工事進行に合わせてきちんとした工事にしてくれるよう要求しましたが、 施工者はおざなりの対応しかしません。Kさんは支払いの一部を止めて冷静に改善要求をしましたが、 7月になって工務店が暴力で乗り込むまでになりました。 その時Kさんが工務店に要求していた改善点は建物全体で300箇所を超えていました。

 私たちへの相談は、欠陥部分の専門的調査と改修の手配、訴訟のための鑑定書でした。 私たちは、建物を念入りにチェックし不具合箇所の鑑定書を作成しました。 その後Kさんは別の工務店の手で補修工事を行い訴訟にも勝利しましたが、 建物の基本的な出来具合には不満は残りました。

 この事例では、施工の依頼をしたのは近所の工務店ですが、 評判や実績など内容をよく調べないで契約したのが失敗につながったと言えます。 また設計監理を行ったのはその工務店の紹介した設計事務所でしたが、 単に確認申請を通すだけの役割だったようです。設計者の役割の重要さを再確認させられた経験でした。

     
     
   
   
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