●第22号 2000年(平成12年)2月発行

モチベーションを高め、組織活性化のために
給与体系の改善を一般質問
 平成11年第四回定例議会が、11月15日より32日間の日程で開会された。 山下議員は、11月16日の本会議で「これからの給与体系等について」一般質問を行なったほか、「市民クラブ」を代表して出席した決算特別委員会で、委員長を務めた。

 本市では、昭和58年4月の土屋市長就任以来、「行財政点検委員会」の答申に基づき4000万円の退職金の是正(平成11年度平均3000万円)を始め様々な行財政改革を断行してきました。
  最近では、平成8年度から5ヶ年間の職員削減計画を立て、平成11年度までに107名の職員定数の削減をしてきましたが、厳しい社会情勢を勘案し、引き続き新職員定数適正化計画(平成12年〜16年)を策定し、5年間で新たに179名の職員定数を削減する計画を立てるなど、現在も行財政改革に真剣に取り組んでおります。
  一方、東京都では、全職員に対し3年間で本給4%、ボーナス10%の大幅な給与カットを打ち出したほか、成績率という考えを導入し、部課長の評価をし、ボーナスに差をつけています。そして、今後はすべての職員に評価制度を導入する予定とも聞いております。これからの時代、公務員の給与にもそのような考え方を導入する必要があると思うとともに、給与の見直しは今後論議になる問題と考えます。
  そこで今回は、武蔵野市における職員給与体系の改革について質問をしました。

山下議員 職員のやる気を引き出し、組織の活性化を図るために大切なことは、仕事の達成感が得られ、本人の努力、成果に対し公平な評価がされるシステムが出来ていることだと考えるが、

(1)本市の給与体系は55歳以上になるとほとんどすべての職員が係長職の給与表に移行し、退職時は同じ給与である、どのように考えているのか。

(2)57歳の部長と一般職(係長職以下)の給与差は21,200円と少な過ぎる。民間では同じ課長でも年収に2倍の差をつけるなど能力給、成果主義の給与体系が広く導入されている中、本市では成績率の導入を含めどのように給与体系を改善しようとしているのか。

(3)給与体系だけでなく、日額旅費制度についても、4時間以上連続の市内出張や,三鷹市や保谷市などの近隣市に行くだけで出張手当が支給される制度についても見直しが必要だ。管内外の旅費については即刻廃止すべきと思うがどうか

土屋市長 (1)いつまでも続けていく制度ではないと考える。
(2)評価制度等難しい面もあるが、職務職階級の原則や官民比較、成績率の導入も含め検討したい。
(3)日額旅費などは適切と考えていない。特殊勤務手当の見直しなどの推移を見て考えたい。

  その他,美術館建設について、建設場所の選定等の質問をしました。
  山下議員は,今までも企業会計、行政評価システムの導入など今後の自治体経営のあり方について質問をしてまいりましたが、組織の活性化とモチベーションの高揚という視点から、今回は基本となる給与体系について鋭く指摘をし質問を終わりました。


安全でおいしい水のために
市内で最近増えている濁り水(赤色・黒色)対策のために、その濁り水の発生原因となる鉄・マンガンを除去するため、第1浄水場内にろ過装置がつけられ、12月20日に通水式が行われました(第2浄水場は平成12年度設置予定です)



武蔵野市は介護保険導入後も
サービス水準を低下させません

 いよいよ本年4月から介護保険が導入されます。武蔵野市では1月に説明会を開くなど、いよいよ準備が整ってきました。
  今日は,山下議員に本市の介護保険への取り組みの概略についてお聞きいたしました。

始めに、介護保険の基本的な考え方を改めてお聞きしたいと思います。

山下議員
 従来の福祉施策は、各自治体が、限られた施設、限られた財源(予算)、限られた人材の中で行なう措置制度でしたが、介護保険は必要なときに必要なサービスを利用者自らが選んで受けられる保険制度になります。これが一番大きな違いです。
  しかし,そうは言っても現実にどこまでサービスが受けられるかというと、施設一つにとっても急にはつくれないですから、当面は各自治体の蓄積がものをいって来ると思いますし、各自治体の力量が問われてくると思います。

なるほど。今までとは明らかに違う福祉になるのですね。

山下議員
 住民からすれば、必要なときに必要なサービスを受けるために保険料を支払うということになります。そのために、行政は,どこまでサービスを提供できるのかを今まで以上に真剣に検討し,保険料を決めなければなりません。

その保険料ですが,本市ではいくらぐらいになりそうなのですか。

山下議員
 最終的には,3月議会で決まりますが、第1号被保険者(65歳以上の方)は3,300円を基準として収入に応じて表@のように保険料が決まります。第2号被保険者(40〜64歳)はそれぞれの加入する保険によって決まってきます。但し、平成12年4月から9月までは保険料は徴収されず、平成12年10月から平成13年9月までは、本来の保険料の半額を徴収される経過措置が取られます。

介護保険では,民間の業者の参入や,要介護度の認定作業における公平性が大事と聞いていますが、本市ではどのような仕組みを考えているのでしょうか。

山下議員 まず、介護保険の認定作業の公平性、確実性が保たれることが最も重要なことです。そこで本市では,認定調査を民間には任せないで、公的機関の職員が介護認定調査をすべて行ないます。 その認定作業も、コンピューターによる1次審査の誤差を修正するため、2次審査の段階で調査員が審査会に出席して質問に答え、より実態に近づける作業を行ないます。
  次に、認定調査や、サービスに不服があるときは、東京都等に申し立てが出来ますが、本市では「サービス相談専門員」を置き、その対応にあたるとともに、解決可能なものはそこで解決したいと考えています。また、民間の施設や、介護保険全般のチェックもここで行ないます。
  さらに、サービスを受ける方の自己負担は10%ですが、本市では訪問介護、通所介護、通所リハビリテーションについて所得に関係なく3年間にわたり市で7%を負担し自己負担は3%で済むように予定しております。
 
皆さんに安心していただけるように市はさまざまな対応を考えております 。

次に福祉の総合条例もこの3月に出されるとのことですが,介護保険条例との関係はどのようになるのでしょうか。

山下議員 表(2)を見ていただくと分かりやすいと思いますが、高齢者対策に関しては「福祉総合条例」が全体を包括し、その中に、高齢者対策の一部として介護保険があるということです。つまり、先進的な高齢者福祉を実践してきた本市では、介護保険だけでは逆にサービスの低下をきたす場合があるので、介護保険によらない、あるいは、介護保険の適用を受けない方に対するサービスをこの総合条例でカバーしようとしております。今話題のテンミリオンハウスなどはこの条例の中に含まれてくると思います。また、介護保険は,給付条例ですから施設の設置などはこの条例によってカバーすることになります。

ところで、介護保険になると今まで無料で受けられたサービスが有料になるとお聞きしましたが。

山下議員 そうですね。例えばホームヘルプサービスを例にとると、今まで月40時間までは無料で利用できましたが,介護保険では1割の負担をしていただくようになります(武蔵野市では、3年間は3%)。介護保険を利用しないで同じサービスを受けると無料ということでは矛盾が生じますので、どうしても一部費用負担の問題が出てくると思います。いくらにするかは現在決まっておりませんが、ある面やむを得ないことでもあり、介護保険導入による大きな変化の一つだと思います。

今後高齢化率がますます高くなってきますが,今後の福祉の考え方についてはどのようにお考えですか。

山下議員 寝たきり老人の介護にしても,費用負担の問題だけでなく、誰が介護するのかという人的資源の問題があります。いわゆる自助・共助・公助の共助の部分をどのように構築していくかが求められてくると思います。
  そのための下地を武蔵野市は,社協などを通じ今までも作ってきましたが、昨年西久保に開設し、最終的には,30〜40ヶ所開設する予定のテンミリオンハウスなどは新たな取り組みといえるでしょう。

本当に大きく変化するのですね。 今日は、武蔵野市の介護保険への取り組みの特徴を聞かせていただきありがとうございました。

山下議員 国民健康保険の制度が導入されてから約40年ぶりの大きな改正です。私も今必死になって勉強しておりますが、まだ最終決定していないこともいろいろあります。4月の上旬にはそれらの決定を踏まえ、介護保険についての市報特集号も出る予定です。皆さんもしっかりチェックをしてください。
 
また、個々の問題についてご質問を頂ければお答えいたします。そのことが私にとっても勉強になりますので、どんどんご質問をお寄せください。

表(1)保険料は所得によって5段階に分けられます。かりに3、300円が基準だとすると、次のように試算されます。

世帯全員が住民税非課税で老齢年金受給者        1,650円
世帯全員が住民税非課税                2,475円
本人が住民税非課税                   3,300円
本人が住民税非課税で年間所得金額250万円未満    4、125円
本人が住民税非課税で年間所得金額250万円以上    4、950円


企業会計的手法に基づくバランスシート作成

 山下議員は,3年前、これからの行政に必要な説明責任、財政状況の公表、経営効率の向上等のために、民間企業の複式簿記による財務諸表の必要性を訴え、質問(後援会報17号参照)をいたしました。これが一つの契機となり、武蔵野市では企業会計的手法を取り入れることを検討してまいりましたが、2月17日の総務委員会で、「武蔵野市のバランスシート」が出来たとの報告があった。  
  本市のバランスシートの特徴は、(1)バランスシートの作成(2)行政評価システムへの情報提供(3)長期計画や予算制度への情報提供といった3段階の第1ステップとして位置付けられていることで、今回の報告で、平成十年度の資産総額は,2187億円(市民一人当たり168万円)で負債総額483億円(同37万円)、正味財産は1704億円(同131万円)となるなど、今まではっきりしなかった数値が公表されました。また、経年変化を見ることによって、市の投資と資産の推移がよりはっきりしてくるでしょうし、民間と同じ指数を使うことによって民間企業との比較による効率性の向上も役立つなど、 今後、第2、第3とステップアップすることによって、本来の目的である、個別の事業の効率性、透明性等がより解りやすい情報を得ることができると思います。  
  山下議員も「大事なことは,バランスシートを作ることではなく、これをどのように生かしていくかが問題だ」と述べておりますように、今回の「市のバランスシート」をどのように生かすべきを更に研究していきたいと決意しております。



活動記録(会報では載せられなかっものも掲載) (平成11年7月〜9月)
7月
1日 本会議
2日 西久保地区テンミリオンハウス検討委員会/「武蔵境駅舎・広場・街づくり協議会」設立3周年記念総会
4日 福祉協議会「七夕のつどい」、福祉展
5〜6日 武蔵野三鷹地区保健衛生組合視察:仙台市他焼却場
8日 武蔵野三鷹地区保健衛生組合議会、市税減免審議委員会
10日 第五地区「地域のつどい」反省会、読書会:高校時代の友人と始めた会。久しぶりに出席。
14日 臨時議会:21号参照
24日 南町フェスティバル
25日 武蔵野まつり
27日 東京都河川改修促進連盟総会
30日 三多摩上下水及び道路建設促進協議会第2委員会

8月
5〜7日 ジャンボリー
7日 小川洌後援会長古希を祝う会
12日 武蔵野三鷹地区保健衛生組合議会
21日 桜堤公団生ごみ資源化説明会、クリーンむさしのを推進する会西久保地区集会

9月
2日 介護保険勉強会
4日 大多摩歴史講談:高校時代の同級生による多摩の歴史と自由民権運動の流れについて講演
6〜24日 平成11年第三回定例議会
11日 秋祭り、東京土地家屋調査士会多摩ブロック運動会
16日 建設委員会
17日 鉄道対策・農水省跡地利用特別委員会
19日 三鷹国際交流フェスティバル
22日 武蔵野稲門会総会、クリーンむさしのを推進する会中央集会
23日 市民スポーツフェスティバル
26日 武蔵野市太極拳連盟表演会
27日 中里議長就任を祝う会
28日 議員野球:VS部課長戦3打数2安打、4盗塁
29日 山下倫一議員を囲む会
30日 青少協第五地区委員会/介護保険事業計画策定委員会

10月
1日 ヨセフ・スーク&スーク室内オーケストラ
2日 国際交流協会創立10周年記念式典、シンポジウム
3日 第五小学校運動会、大津鎮雄油彩画展
4日 武蔵野稲門会幹事会
5日 テンミリオンハウス事業シンポジュウム
7日 太極拳講演会:友人の吉岡充氏(八王子上川病院理事長)を講師に。レニングラード・フィル、商工会館工事祈願祭
10日 大運動会、吟詠剣詩舞大会
13日 吉祥寺街づくり講演会、五中絵付け教室
15日 吉祥寺駅開設100周年並びにウエルカムキャンペーン開会式典
16日 防災初動訓練
17日 ごみと環境フェスティバル
20日 介護保険・高齢者福祉計画合同委員会
21日 気功研修会、前外務大臣「高村正彦」氏講演会
22日 東水社展
24日 公団桜堤団地・環境整備推進記念式典、くすりと健康展
26日テンミリオンハウス第1号「川路さん家」開所式
27〜29日 建設委員会視察:福岡市、広島市他
30日 武蔵野市外交クラブ:国際交流シンポジュウム
31日 成蹊大学50周年記念講演会「永井路子」氏:『歴史と人間』/塩田玲子氏ボタニカルアート展:南町在住で緑化を始め様々な活動に取り組んでおられる塩田さんの作品展

11月
1日 五中文化発表会
2日 武三保議会
6日 二中50周年式典、五小展覧会:子ども達の生き生きとした色使いに感心。PTA作品は毎年感心する出来映え
7日 障害者総合センター文化祭・青空市・ひまわりママNPO取得記念祝賀会、介護保険市民意見交換会
9日 建設委員会 高齢者センターバイオリン講座発表会
11日 鉄道対策・農水省跡地利用特別委員会
15〜12月16日 第四回定例議会
16日 一般質問=第1面参照、代表者会議
17日 東京都道路整備推進大会
18日 忠洲市市長歓迎会
20日 体育協会50周年記念式典
22〜30日 決算委員会:委員長を努める
23日 成蹊大学講演会「どうしよう武蔵野市のごみ」
28日 市内一斉清掃

12月
1日 五小子供クラブの父母の方と意見交換
3日 本会議:決算委員会の審議内容を委員長として報告、紫芳会幹事会
9日 建設委員会 くちなし会
10日 鉄道対策・農水省跡地利用特別委員会
13日 会派予算要望
14日 代表者会議
15日 青少協第五地区忘年会
16日 本会議
17日 JCクリスマス会
18日 「五小音楽のつどい」:合唱クラブ「風」を始めとして子ども達がいきいきと歌っている姿に感動
20日 第一浄水場ろ過装置通水式
30日 消防団歳末警戒激励



編集後記

 
◎いよいよ一ヶ月たらずで介護保険スタート。今回は,そんな中から武蔵野市の介護保険の特徴的なことをいくつかお知らせいたしました。1年ぶりに特集を組んでみましたがあまりの変わりように改めて驚いた次第です。 ◎武蔵野市のバランスシートが発表されました。今後の進め方に期待。 ◎ 山下議員のホームページ。開設以来1400件のアクセスを数える。月平均100件。もっと柔らかくの声あり。どしどしご意見をお寄せください。

 




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