●第9
号 1994年(平成6年)9月発行

いよいよ秒読み段階!! セカンドスクール構想
−山下議員、学校教育の充実を求め、更なる努力を要望−
21世紀へ、はばたけ子どもたち
〜はつらつと・たくましく・やさしく・英知に満ちた社会人に〜

 9月6日から21日間の会期で平成六年度第三回定例議会が行われた。6日の本会議で山下議員は従来の殻を破った学校教育のあり方を求めて試行されているセカンドスクール構想の実現にむけて一般質問を行った。

  現代社会の激しい変化の中で失いつつある知識や技術を身につけ感性を回復し将釆たくましく社会生活のできる人間をつくるために学校教育の新たな役割として「体験学習」を充実することが求められています。

  武蔵野市では、平成3年から専門家の方々を中心に「武蔵野市セカンドスクール構想策定委員会」を設置し検討を重ねてきました。委員会では、そのセカンドスクールの目的として、
(1) 良い環境の中で、セカンドスクールにふさわしい学習を行い、新しい学力観に立った学力の基礎を身につける。
(2)体験に基づく多様な学習を展開し、生きた学力を身につける。
(3) 恵まれた自然環境の中で長期の集団生活を通して豊かな情操を養い、人間関係を育むとともに、生活の基健や規範を体得する。
(4) 一人一人の児童生徒が、創意工夫しながら、問題を自分で解決する体験を通して、個性を伸張し、ファーストスクール(従来の学校における学習を補完する
等です。
  セカンドスクールの実施に向けて、平成4年より夏休み期間中、希望者による試行を繰り返してきました。
  来年からは学期期間中に実施できる学校から、小学生は5年生、中学生は1年生を対象に授業の一環として試行にはいるとの方針が出され、新たな段階に入ってきました。
  このセカンドスクールの実施は、全国でも初めての試みで、学校教育にとっても画期的なことです。それだけに本格実施までにはいくつかの困雑が予想されます。山下議員は教育長に今までの試行期間中の問題点、また、これからの計画について一般質問をしました。

(1)場所の選定
  多様な活動ができ、自然環境に恵まれた地域、宿舎、教室、勤労学習の舞台ともなる民宿の確保等が必要です。また、その実施場所の自治体を始めとして地元の協力無くしては実現することは難しいが、何処をお考えなのか。
(2) 教諭、指導者の体制について。
(3) 学習指導要領との関係について。
(4) 費用について。
(5) 実施期間について。
(6) 父母の協力、理解、教員の方々の理解等について。
(7) 本格実施までの今後のタイムスケジュールについて。

  公立校離れが叫ばれる中、このような画期的な教育ができるのも武蔵野市が数年前から「個性・個別化教育の研究」 「地域の教育力の活用」 「時間講師の採用」など、これからの教育のあるべき姿について真剣に取り組んできた結果です。

  21世紀に向けた真の教育のために更に一層の努力を教育長に要望して質問を終えました 。


小さな疑問が大きな成果へ
誕生 新・福祉環境整備指導要綱

 新人議員研修の時に感じた小さな疑問。「市の施設に障害者トイレを後から付けた?」これが2年の歳月を経て、大きな成果に実りました。新しい「福祉環境整備指導要綱」誕生までの様子を、山下議員に聞きました。

さて、昨年の10月より武蔵野市の「福祉環境整備指導要綱」 (以下「福祉要綱」という)が大幅に変わりましたね。これは、山下議員の一般質問(後援会報第2号参照)がきっかけとなったとお聞きいたしましたが。

山下議員 そうですね。今までも「福祉の街づくり」との観点から個々の整備についての質問、要望はあったようですが要綱そのものが機能していないと指摘したのは初めてです。新人議員の研修で境の市政センターに行ったとき、障害者用のトイレがなく、あとから改造したとの説明を聞き、「福祉の街・武蔵野」と言ってますが、市の施設に障害者用のトイレがないとは、施設をつくるときの福祉関係のチェック体制はどうなっているかと疑問を感じたのがきっかけでした。
  例えば昨年オープンした「高齢者総合センター」のようにこれから高齢社会を迎える武蔵野市において、様々な対策が全国に先駆けて行われています。そのような中、私は元気なお年寄りが増えている現在、お年寄りが自由に街の中で生活ができる環境、街づくりをしていかなければならないと考えています。
  昨年より始まっている第三期長期計画の中でもTWCC(*)の理念に基づく街づくりを目指していますが、その大きな力となるのが、道路をつくるときや新築のビルなどを建てる際に高齢者、障害者に配慮した建物を建てるよぅに、指導、指針となるべきものがこの「福祉要綱」です。この「福祉要綱」が適用される施設は、市が建設する公共施設と、「宅地開発等指導要綱」 (以下、「宅開要綱」という)に適用する施設のうち、劇場、映画館、病院、ホテル、銀行、及び物品販売の店舗など、主に不特定多数の人が利用する施設です。
  武蔵野市では昭和59年5月に「福祉要綱」を制定しました。これは、全国でもかなり早い時期でした。私も一般質問をするために町田市、日野市、杉並区等に調査に行きましたが、杉並区の課長さんから、「武蔵野市がこれを制定した時は『さすが武蔵野市』と興奮したのを覚えている」と言われました。

しかし制定以来10年を経過しているのにうまく機能していなかったわけですね。その原因は何だったんですか。

山下議員 ひとつには、申請及び審査の手続きがうまく機能していませんでした。それは、「宅開要綱」の窓口である都市開発部開発指導課と、「福祉要綱」の窓口の福祉部との連携がうまくいってなかったからです。しかも技術的要素の多い建物のチェックを技術の専門家がいない障害福祉課が担当しているというような状態でした。私も質問のために両課に問い合わせをしても、どちらも責任の所在がはっきりしませんでした。縦割行政の最も悪いことが起きていたわけです。

その後どうなりましたか。

山下議員 私の質問がきっかけになって都市基盤整備を主に担当する技術部門から公園課、道路課、建築課、開発指導課等また、福祉を担当する老後福祉課、障害福祉課の職員からなる横断的な見直しの研究チームが平成4年8月に発足しました。その後、高齢者、障害者、外国人、駅の管理者等市民の皆さんの意見を聞くとともに、市役所の若手職員の意見も聞きながら平成5年3月までに改革案がまとまりました。

ずいぶん多くの課の人達が関わったわけですね。変わったところはどんな点ですか。

山下議員 大きな点は次の通りです。
(1)民間施設については、福祉要綱の適用範囲を宅開要綱とあわせ、2つの要綱を連携して指導効果の向上をはかる。
(2) 国または地方公共団体の施設については、さらに内容の充実した 「公共施設に関する福祉整備基準」を設けて整備の徹底をはかる。
(3) 前項の施設の中に、新たに道路と公園を適用させ、計画、設計にあたり高齢者等に配慮した、きめ細かな整備を行う。
(4) 適用施設を明確にし、技術基準は例えば20項目に細分化して各々の項目についてチェックできる体制とする等です。

山下議員は、常に縦割り行政の欠陥を指摘し、効率よい行政を目指すように主張してきましたが、その成果がでたといえますね。

山下議員 そうですね。縦割り行政の弊害もさることながら、いつも考えていることですが、新しい制度や条例は出来た時点で、形骸化が始まるという認識を持つことが大切です。新しい制度や条例を作ることが目的ではなく、いかに市民のために役立てるかを常に考え続けることが大切です。けっして「仏作って魂いれず」 にならないようにしていただきたいと思います。

この「福祉要綱」の改正については、土屋市長も折りにふれ山下議員の実績として評価されていますね。

山下議員 現在武蔵野市では、数年先に建築確認事務を東京都から武蔵野市に移管する予定で準備を進めています。移管されると、よりきめ細かい建築指導が行われるようになります。その結果、この 「福祉要綱」 の主旨がより一層生かされることになります。

選挙公約にもありましたが、「生き生きした高齢化社会」を目指し、今後も高齢者や障害者にとって住みやすい街づくりの実現のために頑張って下さい。本日はありがとうございました。


*TWCC(Total Welfare Configurated Cityの略)高齢者にやさしい街は、障害者にも他のすべての人にもやさしいといった福祉的視点で将来を見通し、道路・交通・公共施設などの都市基盤を整備していこうというもの。


がんばれ!! 山下倫一議員
第三回後援会総会盛会


 去る6月15日、JA武蔵野(武蔵野市農協)に於いて第3回山下倫一後援会総会及び懇親会が開催された。初夏の風がさわやかな夕暮れ時。会場は武蔵野市全域から集まっていただいた人・人・人で溢れんばかりであった。
  定刻を少し過ぎ、総会は熱気に満ちた中にも粛々と開始された。「新しい『福祉要綱』(2、3面参照)の完成は、山下議員、一期目の輝かしい実績と評価したい」との土屋正忠市長の力強いご祝辞を受け、場内のボルテージは一気に上がった。次々と登壇されるご来賓のご祝辞のあと、山下議員は昨年一年問の活動報告をした。
  「高齢者・障害者対策」 「放置自転車対策」 「子供たちの教育」 「まちづくり対策」等々。淡々と時には気迫のこもった話に会場のあちらこちらから図らずも「よく勉強している」との声が漏れ聞こえた。これらの声を励ましに、山下議員同様幹事一同、さらなる精進努力を重ね頑張っていかねばと改めて決意した1日であった 。


返信ハガキから

 今年も総会の出欠の返事とともに様々なご意見が寄せられました。ありがとうございました。その一部をご紹介させていただきます。

◎武蔵野市の「水」を守ってください。(吉祥寺本町Nさん)
◎1934年から武蔵野に住み、住みよい武蔵野市が気に入っています。若い力で頑張って下さい。(吉祥寺本町Sさん)
◎高齢者対策に今後も頑張って下さい。(西久保Yさん)
◎ごみ対策費は31億円にも及んでるとのこと。環境教育にご配慮ください。(境南町0さん)
◎行政の壁をとりはらって、市民からみたサービスが適切に受けられるようマネージメントしてくれるところがあったらいいと思います。(吉祥寺北町Kさん)
◎ご結婚おめでとうございます。どうどうとした姿で、今まで通りのやり方を通して下さい。きょろきょろした政治家にならないでください。(境南町Sさん)
◎図書舘の蔵書の充実と美術館を早く。北裏区画道路にバスを通して下さい。(吉祥寺北町Tさん)
◎駐輪場対策について着々と成果をあげられており喜ばしい限りです。こんどは車に対する安全対策(公害、交通事故、違法駐車・・・)について抜本策を是非。(吉祥寺北町Kさん)



山下議員再び厚生委員会へ

  6月議会にて下記のように今年度の山下議員の活躍の舞台が決まりました。

◎常任委員会…厚生委員会
  昨年に引き続き福祉、環境等の問題を扱う厚生委員として1年間頑張ります。
◎鉄道対策特別委員会
◎議会運営委員会
  議会の運営を担当する委員会で、山下議員は早く議会に慣れるため1年目より所属して釆ました。今年度は副委員長として活躍することが決まりました。

◎各種委員会等
  福祉公社評議員
  自転車対策審議会委員

◎「市民クラブ」 での役割
  会派幹事長



編集後記

・「まいりました」夏の猛暑。しかし、その分今年の紅葉は期待できそうです。
・ 山下議員の哲学、地方自治に政党はいらない。一方国政のこんとんとした状況。変革の過渡期と理解。
・ セカンドスクール構想。遠足、移動教室の延長?いやいや、21世紀を担う子供たちのためにもっと壮大な理想が込められています。
・「福祉要綱」実現。しかし福祉は行政にやってもらうのではありません。一番大切なのは、一人一人の真心をどう実践して行くかだと思います。
・ 議員が勉強するのは当たり前!!当然のご意見。しかし、ものすごい勢いでの知識の集積、山下議員の近況です。
・ 山下倫一後援会だより次回は1月発行予定。




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