●第2
号 1992年(平成4年)4月発行

お年寄りや障害者にやさしいまちづくりを!!
福祉環境整備指導要綱等の見直しについて一般質問
−ノ−マライゼイションの実現−

 
3月2日から26日間の日程で平成4年第一回定例議会が行われた。五日の本会報で山下議員は一般質問を行った。二十一世紀に向けてのまちづくりのあり方を述べるとともに、どのような政策もきめ細やかなフォローなくしては、形骸化すると指摘した。それにこたえ、早速、土屋市長は見直しの指示を出した。

福祉環境整備指導要綱

  21世紀に向けて、健常者も、障害者も、子どもも、お年寄りも、誰もが生きがいを持ち、快適に暮らせる街づくり−ノーマライゼーションーの実現が求められています。
  本市でも年をとるとともに障害者数が増える傾向があり、60歳では30歳代の3.4倍になるというデータもあります。高齢化社会の到来は誰もが障害者になる可能性を示しており、障害者問題は全市民レベルの問題として考えなければならないと考えます。さらに、65歳以上の人口が2005年には実に全市の17・32%を占めると予測されており、お年寄り、障害者にやさしい街づくりが求められています。その実現のために「福祉環境整備指導要綱」があります。これは一定規模の建築に際し、障害者用のトイレ・スロープ・エレベーター等の設置をお願いするものです。
  この指導要綱は、昭和59年に都内でも、いち早く制定されたものです。しかし要綱が一番生かされるべき市政センターなどの公共施設でさえ、お年寄りや障害者への配慮が欠けているのを見るにつけ、要綱の趣旨が生かされているのか疑問を持ち、次の質問をしました。

(1)指導責任の主体は開発指導課と障害福祉課、どちらにあるのか?
(2) 基準にあった建物に交付するシンボルマークが市内に2カ所しか張られていないが、その程度にしか実現されていないのか?
(3) 施策を効率的に進めるために、日野、町田市のようにチェックリストを作成すべきでは?
(4) 指導すべき建築物の対象を広げるべきではないか?

低公害ゴミ袋

次に、ある主婦の方(西久保在住)から質問されたことを受け、昭和57年より市で斡旋を開始し、焼却炉の延命に効果があると市報で進めている低公害ゴミ袋(サンプラック)の販売方法について質問。その対応の不合理さについて指摘した。

(1)販売場所が市役所、コミセンの一部、「クリーンむさしのを考える会」にしかなく、販売単位も一般市民が購入するには多過ぎる。
(2) 斡旋開始以来、販売数がほとんど伸びていないがどう考えるのか?

 この2つの質問を通して、どんなによい施策も、制定することはスタートであって到達点ではない。日々の業務を逢して常にチェックし、真に市民のためになるように運用していくことが大切である、と指摘した。


一般会計622億6千万円に賛成!!
予算特別委員会副委員長として活躍


 「基金」を取り崩して積極予算。対前年度比8・5%増。山下議員は効率的な市政運営と市民サービス向上を求め、予算特別委員会副委員長として活濯。注目すべき施策を聞きました。


セカンドスクール構想

選挙公約の中に「はばたけ子どもたち」とありましたが?

山下議員 予算の中に子どもに関する施策はたくさんありますが、私はセカンドスクール構想に強い関心を持っています。児童生徒と教師が、教室を出て豊かな自然に恵まれた場所で体験学習をするものです。最初は10日間ぐらいから始め、最終的には一カ月間にわたり学校そのものを移してしまおうという画期的なものです。短期間では出来ない、動植物、星の観察、地域散策や歴史調べ、登山、スキーというようなものを体験し、そればかりでなく、集団生活をすることによって、子どもたちに自立した生活に必要な知識・技能・態度・習慣をつけさせることが狙いです。
  現在、「セカンドスクール構想策定委員会」が検討中で、秋ぐらいには答申が出ると思います。第三期長期計画の中でも教育の分野では大きなテーマになるでしょう。武蔵野らしい、今までの学校教育に対する発想の転換を求められる、二十一世紀を目指した構想だと思います。
  私も議員としてこの実現のために、積極的に取り組んでいきたいと思います。


三鷹駅北口にエスカレーター設置

次に、「生き生きした高齢化社会に」ということで、お年寄りの関係ではいかがですか?

山下議員 雑誌「クロワッサン」でも取り上げられていましたが、武蔵野の高齢者福祉は日本でもトップクラスだと思います。今回の予算でも、「吉祥寺ナーシングホーム(特養+介護施設建設」「高齢者緯合センター」「高齢者向け民間アパート借り上げ事業」等さまぎまな施策が盛り込まれております。また、お年寄り・障害者のために三鷹駅北口のエスカレーターが来年9月稼働を目指し工事にかかります。市民の皆様から強く要望され、私も、立候補前からその設置の必要を感じていたものです。議員となってからも関係各所にお願いしていたものだけに、その完成が待ち遠しいですね。

障害者の関係はいかがですか?

山下議員 来年三月、北町に「総合授産センター」が完成します。その他、各種福祉手当も増額されました。


境南町にビッグプロジェクト

農林水産省倉庫跡地についてはいかがです?

山下議員 武蔵境駅南口の一等地ですが、購入費の一部として20億円計上されました。購入費だけでも総額百数十億円になると思います。財政的負担を考えて有効に活用できる建物を考えています。境南地区発展にとって大きな核となります。
  生涯学習のための図書館・美術館の設置も考えられます。いずれにしても、たいへん大きなプロジェクトですので、境南の皆さんの要望も聞きつつ、全市民的見地に立って進めるべきです。また武蔵境駅南口は三鷹市、小金井市との関係も深いところです。広域協力の観点からも検討を進めるべきだと思います。


総合的な自転車対策を

吉祥寺は放置自転車数が全国でワーストワンになりましたが。

山下議員 今年度は武蔵境駅北口に1、300台、吉祥寺駅南口に1、700台の駐輪場の建設の予算がつきました。駐輪場の確保がむずかしい現在、自転車対策は地下利用の検討、レンタサイクルシステム、吉祥寺サイクル(折り畳み自転車)、登録制、他市との広域的協力など、総合的に取り組む委員会の設置を働きかけて行きます。


市制45周年

今年は市制45周年ですが。

山下議員 11月3日の式典を中心にさまざまなイベントが企画されています。そのなかでも、福祉先進国への市民視察団の派遣に注目しております。そのほか全市民の皆様が参加できる「花火大会」も予定されています。

最後に一言お願いします。

山下議員 さまぎまな分野にわたる予算について語り尽くせません。市税の伸びが心配されるときにこのように主要事業が停滞することなく進められるのも、計画的に運営し貯えていた基金があるからこそです。

固いイメージしかなかった予算ですが、本当はとっても身近なことなんですね。今日は興味深いお話をありがとうございました。


中学校給食を考える

 今回の定例会では、中学校給食の実施を求める2件の請願が採択された。いずれも昨年より文教委員会で審議されてきたものです。私は「食文化の変化」「財政面から」「家庭の役割」等を考え反対いたしました。


これまでの経過

 この中学校給食問題は、昭和40年代から後藤、藤元、土屋と3代の市長のもと、十数年にわたりその実施について論議されてきました。「武威野市立中学校給食検討委員会」は中学校給食を「健康教育を行う場」として位置づけ、平成2年に次のような条件が満たされるならば実施すべし、との報告書をまとめました。
 その条件は、
(1) 非委託、単独方式
(2) 食堂での食事を
(3) 複数選択給食
です。
  教育委員会はこの報告書と教育的見地からの検討を重ねた結果、「中学校給食は実施すべきでない」との見解を平成4年2月に発表。
  私は、このような経緯をふまえ、次のように考えます。


食事も個性化の時代

 戦後の食糧難の時代、「子ども達だけには栄養をとらせたい」ということから始まった学校給食。
  栄養、衛生観念、マナーなどの教育が必要な小学生と違い、自我に目覚める時期にある中学生に画一的に拘束する給食が必要なのか。生徒の嗜好や量の個人差(運動量や体質、体格など)に応じた、きめ細やかな対応は給食では不可能です。また、今回の教育課程の改訂の主旨である「個に応した指導」に逆行することになります。一日中緊張している生徒の息抜きの時でもある昼休みが、給食の準備、後片付けでなくなってしまうのも問題です。自由に自分で選択し、食べることのできる現代の日本において、人として、もっとも個性的であるべき食べ物をもっと大切にしたいと考えます。


財政面から

  ある試算によると、単独校方式で全員が食べられるような食堂を設置すると、市内6校の現状から敷地買収費、建設費など60億円位の初期投資が必要です。ランニングコストも年間2〜3億にのぼると言われています。今後の武蔵野市の財政に大きな影響を与えます。


家庭の役割

  子どもの体質や毎日の健康状態を一番知っているのはお母さんやお父さんです。小学校給食においてさえ、わが子の体質に合わせて弁当を持たせる親がいます。
  子供を健やかに育てるという家庭の役割が問われている時代ではないでしようか。


画期的な対応を

  共働きや労働時間の多様性など社会情勢の変化で、従来にはない、さまぎまな事情で弁当を持ってこられない生徒もあるでしょう。このような生徒に対しては、
(1)五中で行われている「パンの斡旋」を充実、
(2) 小学校給食とお年寄りや障害者に対する食事サービスとともに総合的な面で給食を考える
など、武蔵野市独自の「食事サービス」を検討する時期だと考えます。



後援会総会及び懇親会のお知らせ

 皆様の熱い支持を得て議会に送って頂きはや一年。山下倫一は新時代の議員像を求めて毎日、一生懸命頑張っています。
  さて、当選後初めての後援会総会を開催いたします。当日は皆様と懇親を深める気楽な会にしたいと思います。お誘い合わせのうえ、ご参加下さい。

日時‥平成4年6月5日PM7時
場所‥JA武蔵野(武蔵野市農協)
     武蔵野市西久保1−18−10
会費‥3千円(ご夫妻5千円)



編集後記

・先日、山下議員の一般質問を傍聴に行きました。議場に響きわたる大きな声。これは、街に出て、実態をよく見、よく聞いた自信の現れだと思いました。
・さて、今回は4月1日から執行されている予算を中心にまとめました。福祉、教育、都市整備等、細かくあげたらきりがありません。詳細は後援会事務所に予算特集の冊子があります。ご一報頂ければお届けいたします。




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