にんぷ日記/妊娠5ヵ月の巻〜半分ほんとで、半分は嘘かも〜。

  3月23日(19週6日)   久しぶりに車


  妊娠による判断力の低下と、腹への圧迫が恐くて、なるべく車を運転しないようにしているが、
  今日は、かさ張るものを買わねばならぬので、久々にハンドルを握った。
  駐車場は屋根が無いので、車は鳥の糞だらけ。まずは掃除から。くーっ。

  3月22日(19週5日)   上野墓地公園の桜はツボミ


  春も近いのに寒い。北日本は大雪。大分も冷えた冷えた。スカートの下に膝上のスパッツをはく。
  外出時は、腰にウールのスカーフも巻く。変な格好。でも、胎児は快調に腹を蹴っておるのでヨシとする。
  美術館は、開館記念展の最終日ということで大盛況だった。
  ボランティアの仲間に“おぶい紐”着用時の髪型を相談してみた。
  ある人は、子供に髪を引っ張られないよう、カリアゲにしていたそうだ。チクチク。

  3月21日(19週4日)   春分の日


  「しばらく世間の雑事を忘れよう」と、句集を味わって読む。仙人気分。
  じっとしていると胎動を激しく感じる。腹の皮がよじれるとはこのことかしらん。ニコニコ。

  3月20日(19週3日)   印鑑信仰の恐怖


  夫宛ての書留を配達に来た中年の郵便局員が、「印鑑ないの?」と横柄な態度。
  「なぜ、そう強気な態度なんですか?いつもの配達員さんならサインでOKですよ」と抗議したら、
  押し問答の末、サインで受け取れた。なんだかなー。妊婦だからってナメられたか?
  そもそも、表札には出してないフルネームを書かせるほうが、
  よほど確認になるではないか。いつもの紳士的な配達員さんは、そうさせてる。
  それにしても、なぜ、印鑑はこうもありがたがられてるのかしらん。
  昨日も市役所にて、所得証明と住民票をとったのだが、
  自分の住所と名前を書き、文房具店にて数百円で買った「三文判」を押すだけで、
  即座に発行された。本人であるかどうかの確認は、全くなし。
  つまり赤の他人でも、本人になりすまして、プライベートな情報を閲覧したり、
  操作したり(転居届を出すなど)できるわけだ。実に恐ろしい制度なり。……と思いませんか?

  3月19日(19週2日)   連載終了


  原稿を出してホッとする。産休にはちと早めだが、この号で連載を終了させてもらうことにした。
  「最初は期待してなかったんですが……」って、なーんて正直なんでしょ>T編集長。
  そして、「時期をみて、ぜひ再開を」とのありがたきお言葉をいただく。
  帰りに中古CD屋で、デミセミクエーバーのシングルCD『Papia』を発見。即買い。
  今の季節と私の気分にピッタリなかんじ。エミちゃん、かっこいー。
  悪口雑言は、今日から止めた! 私は生まれ変わるのじゃ。
  既に、首から下は、数カ月前の面影をとどめていないしね。日々せりだすお腹。

  3月18日(19週1日)   あららら…


  とにかく眠い。家を出ようとしたら立ちくらみ。外出先に電話を入れ、横になる。だめだこりゃ。  

  3月17日(19週0日)   はしゃぐ子らの声を聞く


  隣の史跡では、保母さんに連れられた保育園の子供たちが遊んでいる。
  今の住処は周辺環境がいいし、夏は涼しいし。もう、引越はあきらめようかな。それにしても、眠すぎる。

  3月16日(18週6日)   『育児の百科』を入手


  快晴。カメラを提げて、街まで散歩に出た。その帰りに
  改訂されたばかりの松田道雄『育児の百科』(岩波書店)を購入。松田氏は1998年に亡くなった。
  67年の初版を母が読み、最終改訂版を娘が読むことになったわけだ。

  3月15日(18週5日)   子供を迎える筋トレは?


  腕の筋肉を鍛えるべきことに気付く。生まれたら毎日子供を抱えるのだ。
  とはいえ ♪うでたて〜うでたて〜 無理だ! 妊婦の腕立て伏せ♪ だ。
  妊婦用の、上半身の体力づくり対策 を考えねばなるまい。
  とりあえず今日は、スーパーにて、重くなった買い物カゴを、鉄アレイ代わりに上下させてみた。
  子供が出てきたら是非やってみたいことの一つが、昔ながらの「おぶい紐でおんぶ」。
  だが、私の針金のような髪の毛が、背中の乳児の柔肌を直撃する可能性は高い。
  今だって、自分の指に髪の毛がささって痛いことがあるんだから。
  どんな髪型なら安全なのだろうか、悩めるなあ。

  3月14日(18週4日)   胎動だったのかあ


  1週間ほど前から、下腹で何かがモゾモゾグリグリ動いているような気がしていたが、
  どうやら、やっぱりこれが胎動というものらしい。はははは……早く気付けよ>自分。

  3月13日(18週3日)   花鳥風月もよろし


  またまた美術館へ。今日は当番日。例によって朝から雨(苦笑)。
  京都国立博物館の狩野博幸先生の講演会。一番後ろの席で、講演を聴かせてもらった。
  日本画は苦手だったのだが、伊藤若沖の、日本画の王道を外しているという独自の作風を
  ユーモアたっぷりに解説して下さったので、講演が終わる頃には、すっかり愉快な気分になっていた。
  椅子を片付けるのを手伝って、解散。帰るときには雨もやんでいた。
  それにしても、ここのところ花鳥風月まみれ。柿の木に雀が鈴なりになっているのも見かけたし。
  この子は鳥好きなのかも(→さっそくの親バカ)。

  3月12日(18週2日)   夢の話


  昨日の頭の痛い話が響いて、明け方から目が覚めてしまって眠れず。一日中眠くて参った。
  ネガティブな情報は身体に良くない。妊婦の身体はデリケートだ。
  妊娠して以来、眠りが浅いせいか、夢をよく見る。
  大抵は、過去の生活や、日常生活の延長のような夢で、どうってことはない。
  あるとき、珍しく荒唐無稽な夢を見たので、夢に詳しい知人に解釈してもらったところ、
  《幼い子によくある、「自分がやりたいことは何でもできる」的な思い上がりの表れ》と指摘されてしまった。
  ああああ、まだガキなのねえ私ってば……と思いつつ、
  ひょっとして、胎児の気持ちが私の頭に伝わってきたのかも?と思ったり。だとすると楽しい。

  3月11日(18週1日)   妊婦猫になぐさめられる


  ボランティア運営会議のため、美術館へ。午前中いっぱいかかった会議は、かなり頭の痛いものだったが、
  解散後、開館記念展の、田野村竹田や帆足杏雨やらの文人画をつまみ食いし、
  常設展の、今井俊満のアクションペインティングや、野見山曉治やらを眺めて、気を取り直す。
  帰路では、妊婦の野良猫と遊んだり(犬のようにシッポを振る変な奴)、梅の蜜をなめている鴬?を眺めたり。

  3月10日(18週0日)   不思議を食べて生きてます


  今年最初の“豆ご飯”を炊いた。食べ終わったところで、遠方にいる家族から電話のベル。
  会話の中で突然、相手から“エンドウ豆”のたとえ話が出たので、驚く。
  千里眼? うーむ、不思議。
  不思議といえば、昨年9月には、ライブがらみで驚きの出合いがあったが、
  ここ数日も、意外や意外のつながりが、立て続けに2組も判明。
  その出会いラインの一端をインターネットが担っているのが、いかにも今時で面白い。
  今、臍の緒でつながっているこの子は、世に出たらどんなつながりの中に生きていくのだろう、楽しみだ。

  3月9日(17週6日)   お下がりをいただいた


  うちの胎児が、突然、“衣装持ち”になってしまった。
  新聞の『ゆずります』欄に出していた隣町の方から、大量の衣類をいただいたのだ。
  最初の話では、妊婦服と乳児用衣類がそれぞれ数枚、布おむつが20枚あるかどうか…ということだったのに、
  実際にくださったのは、妊婦服数枚は同じだが、乳児用のものの量がすごい。
  乳児用衣類20枚、布おむつ55枚、おむつカバー10枚などなど。大箱にぎっしり。
  ええー、こんなに? いいんですか?
  「もう子供は3人いて、これ以上産むつもりはないの。もうすぐ引越なので片付いて助かるわ」ですと。
  何がどれだけ必要なのかも、今はまだピンときていない私。
  先輩ママからの“支援物資”により、物質的にも精神的にも助けられたかんじ。感謝。
  「初めての子供なのに、お下がりなんて!」という意見もあるけれども。

  3月7日(17週4日)   ヘソの危機


  へその形が平べったくなってきた。日に日に腹が出てくる。
  週数の割には出が大きいような気がするのは、身体の横幅が少ないせいだろう。
  臨月には一体どのような姿になってしまうのだろうか。

  3月6日(17週3日)   ありがたきジャンスカ


  マタニティ用のジャンパースカートをいただいた。
  腹が強調されて、どこから見ても立派な妊婦だ。
  泣いたら、涙と鼻水が、胸じゃなくて“腹の上”に垂れたのには、驚いた。

  3月5日(17週2日)   えっ私が短大生ですか?


  ヤボ用で市役所へ。帰りはバス。終点で降りた。
  降りがけに、運転手氏から「今から学校なの?」と声をかけられた。近くに短大があるのだ。
  いくらなんでも、こんなに年喰った(しかも腹の出た)短大生はいないよー。
  「学生じゃないですよー、えらく若く見て下さって」と大笑い。
  運転手氏も、自分の間違いに気付いて大笑い。視力検査に行くべきだろう。

  3月4日(17週1日)   産院情報


  雨の山道を歩いて美術館へ(私は雨女になってしまったのか??当番の日に限って雨)。
  ボランティア室で、スクラップの整理をする。
  夜、ボランティア友達に電話。実は今かよっている医院は、彼女に教えてもらったところでもある。
  彼女の友達がこの医院で2人産んだのだそう。「食事がフルコースだって言ってたよー」。
  あれー、それは知らなかった。ひょっとして高いのかなあ、入院費。

  3月3日(17週0日)   歩き過ぎた…


  妊婦にふさわしい運動として、「散歩(ウヲーキング)」が勧められるが、
  私の場合、ついつい歩き過ぎてしまう。
  ぽかぽか陽気につられて、資料を集めながら、3時間近くも歩き回ってしまった。
  へろへろになって帰宅したら、不動産屋から物件情報のFaxが届いていた。
  でも、もう現地に足を運ぶ体力はなし……自転車に乗れたらなあ。

  3月2日(16週6日)   現代的腹帯を着用する


  ゆるいジーンズをはいているせいか、どうもお腹が冷える気がする。
  そこで、ドラッグストアにて、マタニティガードルを買った。
  妊娠5カ月の“戌(いぬ)の日”に腹帯を締め始めるのが、日本の習慣だそうだが、
  一体いつが“戌の日”なのか調べるのが面倒なので、「思い立ったが吉日」ということにする。

  3月1日(16週5日)   立て膝だと苦しくない


  ネタ探しも兼ねて、溜めに溜めた新聞や雑誌のスクラップ約3ヵ月分 を整理する。
  和室の床に空箱を並べて、項目ごとに投げ込む。
  妊娠前は、床にペタリと座り込んでやっていた作業だが、
  今は、その姿勢を長時間とると、出てきた腹が圧迫されて苦しい。
  意外にも、膝から下だけを床に着けた「立て膝」の姿勢が
  楽なことを発見。しめしめ。
  ……と思ったら、医院でもらった『妊娠中の生活と注意』なる小冊子に、
  “アイロンかけはひざまずいてすると腹部を圧迫しません”
  と、しっかり書いてあった。ちゃんと読まねばいかんな。

  2月28日(16週4日)   夫のジーンズをはく


  洗濯をしまくる。それはいいんだけど、着るものがない(苦笑)。
  これまでは、手持ちの服でウエストがゆるめのを、だましだまし着ていたのだが
  そろそろ妊婦服を買わなくちゃいけないか。うう、メンドクサイ。
  とりあえず、夫の古いジーンズを借りてみた。少々ゆるいが、楽ちんだ。

  2月27日(16週3日)   『母親になることを学ぶ』


  昨日、雨の中を車で県立図書館に行き、借りられるだけ目一杯(10冊!)借りてきた。
  そのなかから、レーナ・ニキーチナさんの『母親になることを学ぶ』(匹田紀子訳/暮しの手帖社)
  を読み始める。
  “29才になるまで仕事に夢中で、親になることなど考えなかった”という彼女の話は
  同様の生活を送ってきた私には、身近で興味深い。日本とロシア(当時はソ連)の違いこそあれ。
  彼女の場合、その後も勤めつつ、7人もの子供を産み育て、
  夫のボリス氏(先日、亡くなった。合掌)との独特の育児方法が、
  世界的に知られるようになるのだが。

  2月25日(16週1日)   掃除日和


  晴れたので、朝からエアコンほかの掃除をする。年末に大掃除もしなかったし。
  昨夜、風呂にも入らず+それゆえ桶谷式乳マッサージもせずに爆睡してしまったので、
  掃除でかぶった埃を落としがてら、昼風呂。贅沢だなー。
  メールチェックしたら、北海道と沖縄からそれぞれメールが。気温差は約30度?
  日本は長いぜ。九州のナスも長いが(→しつこい)。

  2月24日(16週0日)   テレテレと雨の山道をゆく


  今日は、ほんとにボランティアの当番日だ(苦笑)。
  「Postpetのテーマ」を頭の中で流しつつ、テディベアの歩調でゆっくりと歩いて美術館へ。
  途中の山道で、大きな真っ黒い野良犬2頭に出くわし、ちょっとビビる。
  しかし「あの犬は、どこに行くのかな?」「梅の花がきれいだよ」などと、
  お腹に話しかけていると、雨の山道もだんだん楽しくなってきた。
  (端から見たら、かなり不気味だとは思うがね……)
  美術館では、来館者は昨日よりは少なかった。雨のためだろう。
  昨日の教訓から、立ち仕事は遠慮し、美術情報のスクラップに専念させてもらった。

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