METAL ART MUSEUM HIKARINOTANI
1998年
 11月21日
 〜12月23日

12月の企画展


−リュシアン
   たちの肖像−

藤浪理恵子展


【特別企画】 
藤浪理恵子展協賛
武久源造・チェンバロ・リサイタルの記録
98/11/28(土)

会 期

 1998年11月21日(土)〜12月23日(水)

作家名

 藤浪 理恵子(ふじなみ りえこ)

作家紹介

 銅版画の若手作家として1987年の「ミヤコ版画賞展」で大賞受賞,88年の「日本現代具象版画展」ではグランプリ受賞と賞を重ねてきた藤浪理恵子は,人物をテ−マにしながら人物は抽象化され,人物がある風景の空気のようなものの存在を表現することを試み続けてきている。描き込むことによらない腐食によるムラや銅版のきず,刷りなどの偶然性,紙の質感などと,自然な説得力をもつ線が,あえかな画面でありながら,しかも,ある種の懐かしさが印象に残る作品を生み出している。近年,タブロ−にも創作意欲を持っており,今展では「鏡」と「壁」のタブロ−による新作を発表する。

作 品

 内容:平面作品  素材:鏡・壁(金網・漆喰・パネル)

制作意図

「その人は詩情の人ではあるけれど詩人ではない,夢想するけれど考えない,興奮するけれど創造しない人,あなたのリュシアンは,そのような人です」……正確ではありませんが,バルザックの小説の中の一文です。
 今,私も含めて多分たくさんの人が,生きている自分自身から,遠く離れてしまい,死んでしまうわけではないけれど,自分自身に戻れなくなって魂がくぐもってしまうことがあるのではないかと思います。けれど,どこかで自分自身を演じてもやっていかなくてはならない。リュシアンのように。そのような,我々の中のリュシアンを漆喰の作品に描き,その向かい側に鏡の作品をおき,鏡に写るリュシアンとその間を通る,人の姿,そしてコンサ−トで武久氏(チェンバロ奏者)の奏でるクラビコ−ド(耳をすまさないと聞こえない音)によって,すこしずつ浮かび上がって,くぐもっている心が動きだしてゆく。そんなふうになればと思っています。

略 歴

1960 千葉県生まれ
1984 東京造形大学卒業
1986 多摩美術大学大学院終了
【グループ展・個展】
1987 ミヤコ版画賞展(大阪・都画廊)
1987 神奈川県美術展(90)
1987 CWAJプリントショウ(アメリカンクラブ,以後毎年)
1987 中華民国国際版画ビエンナ−レ(89,91)
1988 日本現代具象版画展
1989 プリズム3人展(鎌倉・ス−ジ−A&G,92)
1990 高知国際版画トリエンナ−レ
1990 2人展(神田・木の葉画廊)
1991 Mishnah 2.24人展(西麻布・アサクロス)
1995 UMORISMO ARTE 国際ビエンナ−レ(イタリア)
1997 奥野健男と多摩美の作家達展(東京・電通恒産画廊)
1998 個展(METAL ART MUSEUM HIKARINOTANI)
     (千葉・印旛沼湖畔) 他,個展多数
【賞など】
1987 ミヤコ版画賞展 大賞
1987 神奈川県美術展 美術奨学会賞
1988 日本現代具象版画展 グランプリ
1989 日本版画協会準会員( '92退会)
1990 文化庁芸術家国内研修員
1990 神奈川県美術展 県立現代美術館賞
1995 UMORISMO ARTE 国際ビエンナ−レ Citta di Tolentio賞
1998 文化庁買い上げ優秀美術作品