住所: 兵庫県芦屋市山手町3-10(阪急芦屋川駅から北へ徒歩10分) 設計者: フランク・ロイド・ライト フランク・ロイド・ライトによって設計されたヨドコウ迎賓館(山邑邸)は兵庫県芦屋市の丘の上に1924年に完成しました。1974年には国の重要文化財に指定され、1989年からは一般公開されています 私もこの建物を見るために、関東から芦屋に行ったのですが、まず周辺の関西の高級住宅街の凄さに衝撃を受けました。敷地や建物の大きさもそうですが、それぞれの家が街並みに対して責任をもち、プライドをもって住宅街をつくっている印象を受けました。こんな土壌があるから、アメリカの建築家のライトに住宅の設計を頼むような人が出てきたのだと思います。 芦屋の住宅街は海に向かっての傾斜地で、この住宅も敷地の形状を生かして、4層を階段状につながるリズム感のある空間で構成されています。スリット状の窓の形状や室内の装飾、大谷石の質感を含め、ライトは20世紀を代表する建築家のひとりだと実感できます。ライトが好んで使った幾何学模様は現在でも充分通用するデザインで、独特のデザインの家具や照明は現在でも市販されています。 海外の建築家が手がけた住宅を内部も含めて見学出来るのは極めて貴重だと思います。
住所: 東京都渋谷区 設計者: 芦原義信 参考図書:「家族をつくった家」 芦原太郎(発行:インデックス・コミュニケーションズ) 芦原義信という建築家は国立歴史民俗博物館や、第一勧業銀行本店、銀座ソニービル等を設計した有名な建築家です。 何点かの作品は見たことがあるのですが、すごいなーとは感じましたが個人的にはそれほど好きな建築家ではありませんでした。 ある時にご自宅を外から見る機会があり、大変な衝撃を受けました。その住宅は、雑木林に囲まれた北欧風の山小屋のような外観のほんとに小さな家でした。 東京の住宅街の普通の区画の土地ですから、それほど広いわけではありませんが、そこには別世界がありました。ご自身の建築に対する姿勢や、人間としての暖かさがにじみ出ているような住宅だと感じました。 残念ながら芦原さんはお亡くなりになりましたが、先日息子で建築家でもある芦原太郎氏が、自分の育った家の本をだしました。題名は「家族をつくった家」。 その本により、私がみたご自宅が15坪からの増改築によって変化してきた住宅だったことを知り、また衝撃を受けました。 個人の住宅なのでもちろん見学は出来ませんが、その本を読むことにより、芦原邸の増改築の遍歴や、すばらしさがよくわかると思います。現在の住宅メーカーの考え方とはまるで方向性の違う住宅のあり方が実感できます。
住所: 長野県北安曇郡松川村西原 設計者: 内藤廣 信州、安曇野にある、岩崎ちひろの美術館です。ひじょうに美しい安曇野の風景のなか、この美術館はたっています。 ちなみに初めて所長と訪れたのは建物が出来たばかりの冬の土曜日でした。土曜日に美術館がやっていないとは思っていない我々はなんの疑いもなく行ってしまいました。(営業は3月から11月までで冬はやっていません。) 中は見られませんでしたが、それでも行ったことに満足出来ました。それほどこの建物は風景に溶け込んでいました。納屋のような建物を連棟したような単純な形ですが、風景、公園のランドスケープ、アプローチからの山を背に見えるエレベーション、全体で風景をつくっている印象です。 建物が建つことで、風景は変わりますが、この建物は数少ない好事例だと思います。設計者の内藤廣氏は構造や素材にかなりこだわる建築家です。それが外観に力強さを与えています。 その後夏に再度行きましたが、内部も期待以上でした。(ちなみに内部の家具は中村好文氏です)子供も大人も楽しめる、数少ない美術館だと思います。
住所: 東京都品川区東五反田5-25-19 設計者: マリオベリーニ+大林組 五反田の駅の近くにある、ショールームやホールのある建物です。基本設計はイタリアのマリオベリーニ。世界的に有名なデザイナーです。(マリオベリーニデザインのキャブという椅子は非常にいい椅子で事務所でも愛用しています) エントランスを入ったところから日本のオフィスビルとはまるで違う建物だと実感できます。 大きな階段がずっとつながり、その上は大理石の壁が5層分の吹き抜け空間になっています。そして、なんと、階段の突き当たり部分にはアルミの大きな馬の彫刻! また、裏庭に面して各階にバルコニーがあり、バラの鉢が規則的な列をなしてそれが手摺になっています。 この建物は改めて日本人と外国人のデザインの考え方の違いが認識でき、こんな考えもあるのかと、物の見方を再度考えるひとつのきっかけになる建物です。 建物内部はショールームのほか、書籍を扱う店舗と、いい雰囲気のレストランもあり、デートコースにもお勧めです。
住所: 東京都新宿区西新宿三丁目7番1号 設計者: 丹下健三 新宿の高層ビルの一角にある東京ガスの高層ビルです。ここは住まいに関しての総合展示施設になっています。 代表としては、東京ガスショールーム、コンランショップ、リビングデザインセンターオゾン(私共の事務所も登録しています。)、住設メーカーのショールーム等が入っています。そこだけでも住まいに関しては面白いのですが、最上階にあるパークハイアットもぜひ覗いてください。 ホテル専用の渋いエレベーターに乗って最上階のロービーに向かいます。(もちろん宿泊しなくてもOKです) 特に夜はロビーの暗さに驚かされ、夜景や、テーブルのキャンドルの光が独特の雰囲気をだしています。通路の一部のライブラリー、上品なブルー系のクロス等住宅で参考に出来る部分もたくさんあります。 ショールーム、オゾン、ホテルをじっくり見ると一日では足りないくらいです。
住所: 東京都世田谷区弦巻2-5-1 設計施工: 佐藤秀 向井潤吉アトリエ館は、茅葺き屋根の民家をモティーフ として描く画家の、向井潤吉氏のアトリエ兼住宅を世田谷区が公開している建物です。閑静な住宅街の庭と一体になった住宅で氏がどのように生活し、作品を描いていたかを想像することが出来ます。 建物は、昭和37年に建てられた、アトリエと住まいを兼ねた建築と、昭和44年に岩手県より移築された土蔵によって、構成されています。 大屋根の切妻の形態で梁や柱を露出した民家調の形式は現在見てもデザイン的な古さを感じません。地方の民家調の建物は少し野暮ったく見える建物もありますが、この建物はひじょうに洗練されています。 このような画家のギャラリーは新築で建てたものよりも、実際に愛着をもって暮らしていた建物のほうが、作品への理解度が高まるように思います。 いわゆる造られた日本庭園と違う武蔵野の面影を残す雑木林の庭も必見です。 HP http://www.mukaijunkichi-annex.jp/
住所: 東京都千代田区九段南2-1-17パークマンション千鳥ヶ淵1F 設計: 内藤廣 皇居に面するマンションの1Fにある本と工芸品のギャラリーです。 建物自体、皇居に面するというまたとない敷地に建つ希少性から質を真面目に追求したようで、デザイン監修を内藤廣氏が行っています。 内藤氏は、外装のイメージ、低層部の処理、エントランスホール、共用部等の監修をし、ほんとの質を追求するために左官、石、漆、家具等を日本でも最高の素材で、最高の手で造られたようです。しかしマンションエントランス等は実際には部外者としては簡単に見ることはできません。 しかしこのギャラリーは誰でも入ることが出来ます。ここの主役は本棚です。 住宅の中に書斎を造りたいと思う人がかなりいると思いますが、その中でも本当に本が好きな人が見たらきっと参考になると思います。全集本の棚、文庫本の棚、本と工藝の棚とわけ、空間も緩やかに分かれています。意図的に棚の奥行きや棚の高さを変え、本の背表紙自体も空間構成に参加しています。 床はカリンフローリング、一部ナラムク材、壁は左官の第一人者の久住章氏による土壁、家具類はナラ材を使用し、きっと住宅を考える人の参考になると思います。 HP http://www.satsu.jp/
住所:東京都千代田区銀座5-4-1 設計:レンゾ・ピアノ 2001年に完成したエルメスの新築ビルは、銀座ソニービルのとなりの細長い敷地に凛とした佇まいでたっています。 完成した当時は入る人で行列が出来ていましたが、今はゆっくり見学することが出来ます。階段を使いながらの回遊型の空間や上層階のギャラリー等、ブランド品に興味がなくても充分楽しめます。 建築関係の人には、吹き抜けの竪穴区画や、ガラスブロックのカーテンウォール、店舗としては難しい敷地等すごいことをやっていることがわかると思いますが、実際に空間のなかにいるとそんなすごさは少しも感じられません。無理をしていない自然な空間になっています。 私はエルメスのブラントのことはあまりよくわかりませんが、控えめの表現、建物の普遍性、質感、クラフトマンシップ等がブランドのもっているものを伝えているように思います。 階段の革張りの手摺を触りながら上品なインテリアの空間にいると、せっかくだからエスメス革製品を買ってみようかなどと考えてしますから不思議です。
住所:横浜市中区海岸通1−1 設計:foa 横浜港に大さん橋が出来たのが1894年。現在の大さん橋は2002年にリニューアルしました。設計はロンドンのfoaというファーシッドムサビ氏とアレハンドロザエラポロ氏のグループです。コンペによって選出されました。 3万uを超える延面積と海の上に突き出た立地により、建築と土木のボーダーラインの建物かもしれません。 この建物もコンペ案当時から構造やプロセス等が建築的に話題になっていました。建物を簡単に説明すると主要用途が国際客船ターミナルで1Fが駐車場、2Fがロビー、その上に屋上があります。 2Fのロビーから屋上にいくにも階段はなく、うねるようなスロープです。床、壁とも仕上げはすべてウッドデッキで、外部と内部、床と壁等のボーダーなく続いています。ウッドデッキはイペという熱帯広葉樹で最近は住宅のデッキにも使用されるようになりました。基本的に塗装しなくても耐久性があります。 芝生も生えている屋上に立ち、潮風に吹かれていると建物の最上階にいるという感覚はなく、公園にいるような感覚です。また私が見学したときは客船も来てなかったので客船ターミナルにいるという実感すらありません。それがいい意味で不思議な感覚でした。 HP http://www.city.yokohama.jp/me/port/general/terminalhome/
住所:東京都千代田区神田神保町1−21 設計:土岐新 1980年に本の街神保町に出来た建築専門の書店です。東京周辺で建築関係の人は一度は行ったことがあるのではないでしょうか? コンクリートをただ打放しにするのではなく、装飾をくわえ、モダンながらも味のある建物になっています。平面的にもそれほど広くない敷地ですが、1階から2階への吹抜でボリュームをとり、狭苦しい印象はありません。 上階には建築関係の展示のためのギャラリーもあり本を買いに来たのも忘れてついつい長居してしまいます。 |
トップページ | はじめて訪れるかたへ | 設計のプロセス | こんな事務所です | これまでの主な作品 | |
部屋別インテリア特集 | 生活情報ページ | 家づくりQ&A | information | リンク |
飯島建築設計事務所 | 〒272-0805 千葉県市川市大野町1-451-9 TEL047-337-7077 FAX047-337-8575 |