オンライン・レッスン No. 21

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EBAKOS ON LINE LESSON NO.21 アーバン金管教本を使って(11)シンコペーション応用編



 
さてレッスンNO.20から1年間も空いてしまいましたが、レッスンNO.21を発表します。

 シンコペーションの基礎原理は解っていただけましたでしょうか?「ターン」という部分が、民族性やその原語によって少しずつ減衰の度合いが違うということも、お解りいただけましたでしょうか?

 実は、他の部分にも、民族性が関わっている部分があります。シンコペーションの1拍目の裏に出てくる音符が、西洋の民族と日本人とでは大きく違っています。日本人、ここではフン族をルーツに持つ蒙古系の民族としましょう。生まれたときに、お尻に青い痣があるのが、蒙古系民族の特徴です。

 アウフタクト(弱起)などにも同じ事が言えますが、西洋の音楽は8分音符は4分音符の1/2であるとして正確に分けようとします。ですから、裏拍の意識というものが、西洋音楽を演奏する場合、とても大切になります。それに比べ、日本音楽はどうでしょうか?平家琵琶に聴かれるように、アウフタクトという概念はありませんし、1拍を何等分するという意識もありません。概して、日本人は裏拍を早く取ってしまいます。

 これは日本のみならず、ヨーロッパにあるフン族をルーツに持つ国にとっても同様のことが言えるのです。フィンランドとハンガリーがそうです。両国とも、その意味を辿れば「フンの国」という意味です。ハンガリーでは、バルトークやコダーイという人が、自国の民謡についてのそのような研究論文を発表しています。それからもう50年以上もたつのです。バルトークの採譜した民謡の譜面には4分音符を2:3に分けて書いたような譜面が見られます。

 もちろん、西洋音楽も全てがインテンポというわけではありませんが、2等分しようという概念は確かにあるわけです。そして、西洋音楽にも、民族音楽としての側面もあるわけですから、ドイツの音楽とフランスの音楽とでは少しずつ、その「ノリ」は違ってきます。

 ということで、日本人には2等分する能力はあらかじめ備わっていません。ですから、西洋音楽をきちんとやろうとするなら、最初の内はメトロノームを使って(時には裏拍を鳴らしながら)注意深く、2等分する訓練をしなければなりません。

 そして、その際に注意することは、シンコペーションの音が「ターン」になるようにする事です。次の拍の頭をはっきり意識しようとして、「ターアン」のようになってはいけません。

 拍子の感覚・位置のエネルギー・フレージングなど、いろんなファクターに注意しながら、自分の表現方法を探していって欲しいと思います。では、皆さん、良い年の暮れと新世紀を!!!

 2000年12月24日 20世紀最後のクリスマスイヴに


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