●第20号 1999年(平成11年)1月発行

「行政評価システムの導入」を一般質問
 平成10年第4回定例議会は、主な議案として平成9年度決算の認定や学童保育が有料化に伴う経過措置の修正を加え可決された。また、山本ひとみ議員(市民の党)が、個人情報を無断で取り出そうとした行動に対し、議会の信頼を損なうものとして「猛省を求める決議」が賛成多数で可決された。山下議員は、決算委員会に市民クラブを代表し出席しするとともに「公共用地の必要性並びに行政評価システムについて」一般質問をした。

 後援会だより「土地問題特集号」(平成10年11月発行)で山下議員が公有地について自分の考えや経過をご報告いたしました。多くの方から「よく分かった」、「自分が賛成した議案についてしっかりと書いたことを評価する」、「これからもこのような記事を届けてほしい」等の声が寄せられ、編集担当としては大変うれしく感じました。ありがとうございました。
  11月16日、山下議員は特集号を踏まえ、土地問題と昨年来、取り組んでいる、「行政評価システム」の導入という新しいテーマで一般質問をしました。

公有地はまだまだ必要
 土地の値段については底値安定の傾向が出ているが、フレキシブルに対応するという点からすれば今後とも公社の役割は大きい。
  また、緑化を始め再開発事業、今後の福祉等を考えれば公有地はまだまだ必要だ。市長就任以来、合わせて1150億円、面積にして11万平方bぐらい買った。現在の残高が245億円あるのでこの15年間のうち900億円返したことになる。借入れ利率は、平均は1.15%ぐらい。
  日本テレビの取材の経緯については、質問が裁判で相手が主張していることとそっくりそのままなので、裁判に与える影響も考え慎重に対応したらあのような番組になり誠に遺憾だ等が市長の答弁により明らかになった。最後に市としても公共用地取得の必要性について市民の皆様に対し、特集号でも組むなりして説明を早急にしていただきたいと要望し土地問題に関する質問を終えた。

新しい行政評価システムの導入について
山下議員 昨年これからの財政面のアカウンタビリティを高めるためにも企業会計方式の決算を研究すべきと質問したが消極的な返事だった。しかし、今年になりさらに進んだ連結決算までも研究しようとしている自治体が出てきている。再度、企業会計の導入に対する市長の認識は?

土屋市長 例えば土地の評価をどうするなど企業と行政は必ずしもイコールではないので、難しい面がある。

山下議員 これからの行政の在り方の一つとして、行政評価を、今までの予算の執行率から見た達成主義という考え方から、その事業が市民にどれだけ役に立ち、満足を与えているかを評価する成果主義に変える動きが他自治体でで出てきている。このような「行政評価システム」の導入を考えるべきではないかと思うが市長の見解を聞きたい。

土屋市長 どのように数値化していくのか難しい面がある。

  山下議員は企業の会計システムや評価システムをこれからの行政に導入し、より高い透明性、効率性を含めたアカウンタビリティ(行政の説明責任)を高めるべきだと考えています。難しい面がありますが、さらに研究してもらいたいと思います。 この会報を作っている時、日経新聞に三鷹市が「社会経済生産性本部」と組んで自治体の評価を企業経営の評価基準を使って評価する試みを始めるとの記事が出ていました。「社会経済生産性本部」は企業会計を自治体の会計に導入を提唱している団体でもあり、山下議員も講習会に出席し、研究していますが、今後三鷹市で行われる試みに注目していきたいと思います。


山下倫一後援会臨時総会のお知らせ
日 時:2月4日(木) 午後7時より
場 所:西久保コミュニティセンター大会議室 (西久保1-23-7 電話54−8990)
会 費:無料
議 題:今年4月に行われる武蔵野市議会議員選挙について



介護保険 2000年4月導入 21世紀の地域社会をより良くするために 武蔵野市は大胆な提言
介護保険事業計画策定委員会発足
基本方針「介護保険導入による介護は、公的介護の一部に過ぎず、市の行政サービスは低下させない」

 介護保険がいよいよ平成12年(2000年)4月から導入されます。介護保険導入により、何がどう変わるのか山下議員にお聞きしました。

介護保険が導入されると、どのようなところが現在と変わりますか。

山下議員
 一番大きく変わるところは、その人にどんな障害があるのか、まず市の判定(要介護認定)を受けること、そしてその障害や程度に応じて受けられるサービスの内容や金額が違ってくるという点です。
  例えば、今は、老人病院に入院するのも、健康保険証を持っていき、その施設で介護が必要だと診断されれば入所できますが、介護保険の施設では、原則として、まず市の判定を受けてからということになります。

判定の結果、障害が軽いと判定されると利用できなくなるサービスもあるということですね。

山下議員
 そうです。例えば、「自立」や一番軽い「要支援状態」と判定されると、今の特別養護老人ホーム、老人保健施設や大部分の老人病院は利用できなくなります。
 また、同じ在宅療養をするにしても、重いと判定された方とそうでない方とでは、1ヶ月に利用できるサービスの量に違いがあります。今出ている案を見ますと、要介護度1(軽度)というランクだと1ヶ月17万円分ぐらい、一番重い要介護度5では、35万円分程度という具合です。
  したがって今そのランク以上のサービスを受けている場合、4月以降それは利用できなくなる事態も予想されます。

利用者がサービスを受けるためには市の判定が必要になり、障害のランクによって受けられるサービスが違うということですね。それで、市で行う判定がうまくいきますか。

山下議員
 課題はあります。市の調査員が訪問し、聞き取り調査で85項目の調査表と調査員特記事項を作成します。そのうち調査表だけをコンピューターに入力し一次判定が出てきます。

調査員の質ですか。

山下議員 いや違うと思います。調査員の教育は現在始まっておりますので、開始までには一定以上のレベルを確保できると思います。しかし、問題は、調査員が一定以上のレベルの調査表を提出したとしても85項目の調査表がコンピュターに入力されるわけですが、生身の人間の様子をコンピューターが微妙な面を判定できるのだろうかという点が問題になるのではないでしょうか。

土屋市長はそこを言っているのですね。

山下議員 そうです。私もフランクフルトに行った際、判定をする機関に行き調査してきました。そこでは、専門の機関で専門家が判定を行うとのことでした。しかも、その機関は介護保険が始まる以前から障害の判定を行っており、その判定に対しての社会的信頼が確立されていました。このことは介護保険がうまく行くかどうかのポイントだと思いますので、判定方法については、もっと本人の様子を正確に捉えることや、従来の市で行われている家族の状況なども加味するなど改善すべきだと思います。

まさに「保険あって介護なし」の状態が予測されますね。

山下議員 そうです。充分なサービスが受けられるという前提で市民は、保険料を払うのですから、ふたを開けてみたら充分なサービスがありませんというのでは大きな問題になりますね。
  その他予定された保険料で間に合うのか等いろいろ問題が介護保険には内在しています。土屋市長が昨年暮にもブックレット第2号を出し改善を求めているのは当たり前です。おそらく全国で最初にこの介護保険の欠陥を指摘し声を上げたのは土屋市長だと思います。そのような中、武蔵野市では、「介護保険導入による介護は、公的介護制度の一部にすぎず、市の行政サービスは低下させない」を基本方針に、市民からの公募委員を交えた「介護保険事業計画策定委員会」を昨年12月に発足させ、今後、高齢者が安心できるサービスをどう確保するかの検討を始めています。

本当に安心できるという点が私たちの一番の関心です。

山下議員 私は、質のよいサービスを提供する社会、資源がその地域にあることが介護保険の成功の鍵だと思っています。
 例えば、リハビリテーションをしっかりとやってくれるところがなければ、障害は悪化するばかりです。痴呆性老人に対しても、寝かせておくだけのケアでは、痴呆も身体の衰弱も進んでしまいます。
  ちゃんとしたリハビリを提供したり、ひとり一人に適切なケアを提供するところでは、利用者も快適で障害も重くならず、介護者も安心でき、財政的にも負担が軽くすむわけです。こういうリハビリテーションを含む総合的なケアシステムを武蔵野地域につくらねばならないと考えております。
  さまざまな問題点を抱える介護保険ですが、いかに武蔵野市の福祉を後退することなく進めていけるか、私も努力したいと思います。

ありがとうございました。これからも福祉への取り組みをお願いいたします。
また、今年はいろいろと大変な年ですね。頑張って下さい。



「山本ひとみ議員に猛省を求める決議」可決

 11月17日の本会議において山本ひとみ議員の一般質問の際、山本議員が、用地担当の管理するキャビネトを開けて公文書を無断で引き出し、注意を受けるという前代未聞の事件がおきたとの市長答弁がありました。市長の答弁に対し山本議員は、自分の行為に対し反論する機会があったにもかかわらず一言の反論もしませんでした。
  その行為に対し各会派代表者会議を開き、当事者である山本議員と担当課長、部長より事情聴取をした結果、事実に間違いないことが確認されました。
  そもそも公文書は、行政がその役割を果たすために、市民から提出を求めたり、収集したもので、行政の業務執行に使用されるものであります。そのため内部的にはもちろん、外部への公表は、「情報公開条例」など一定の手続きを踏むことによってのみ公表されるべきものであります。その管理を行政がしっかりしているからこそ市民は安心してプライバシーに関するものも含め行政に任せられるものであります。
  もしこのように、ルールを無視して「目的のために手段は選ばず」という行為がまかり通るのなら、とんでもない話です。
  代表者会議の検討をふまえ、本会議最終日に山本議員に対し、賛成多数で猛省を求める決議が可決された。


「山本ひとみ議員に猛省を求める決議」

 去る11月9日、山本ひとみ議員が都市開発部用地課で管理している個人情報資料を無断で手に取るという常識では考えられない行為に及んだことが調査の結果判明した。しかもこれが計画的な行為であったことは、11月6日に同課に下見に訪れたことからも明らかである。
  その後開催された市議会各派代表者会議では、山本ひとみ議員の行為は議員としての品位を著しく汚すと共に議会の名誉と信用を損ない、議会に多大な迷惑をかけたもので陳謝すべきである、との発言が多く出された。しかし山本議員は、議会に対して一言の反省もなく、陳謝もしないという態度に終始した。
  山本議員の行為によって、執行機関の良好な信頼関係が崩されるような事態が生じたことは、正常な議会活動を行う上で看過できない全く遺憾なことと言わざるを得ない。
  よって武蔵野市議会は、山本ひとみ議員に対し猛省を促すものである。
  以上、決議する。



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