●第13
号 1996年(平成8年)5月発行

平成6年度財政力指数(1.643)日本一の武蔵野市が破綻なんてとんでもありません!!
健全な財政運営で着々

 平成8年度予算審議の中で、最も議論されたことは、武蔵野市の財政事情をどうみるかという点でした。特に予算委員会が始まる数日前「桜井くにとしとともに武蔵野市をよくする会」発行の「市の財政破綻」と大きな見出しのついた「むさしの市民ジャーナル」号外(以下ジャーナル)が議論のきっかけでした。
  現在、全国の自治体の財政は、長引く不況や特別減税(3年間で約63億円減収)の影響により厳しい状況にあり、武蔵野市も例外ではありません。しかし、武蔵野市の財政は決して破綻しているというものではありません。そこで、武蔵野市の財政について改めて考えてみたいと思います。
  「ジャーナル」では借入金の増加と基金の減少を財政破綻のあらわれとして挙げております。しかし、これは高齢者総合センター、障害者総合センタd中央図書館、吉祥寺ナーシングホーム、千川小学校など、これからの福祉、教育、防災等の拠点となる施設の整備を進めてきた結果であり、借入金の増加も予想されていたものです。また、借入金の一般会計に占める率をあらわすものとして、公債費比率がありますが、本市は、平成6年度は6・4%で、三多摩では27市中2番目に低い数字です。
  次に基金の減少についてですが、確かに基金も減少しております。しかし、基金はバブルの時代に予想以上に税収が伸びた分を財源不足の時に備えて積み立てておいたもので、事業が順調に進めば、基金を取り崩すことになり減少するのは当たり前のことです。また、「ジャーナル」 では、平成7年度の基金残高を20億円以下としておりますが、実際には140億円が残る予定です。基金を貯めることに反対の共産党議員が「使っても使っても減らない基金」と質問するほど基金をうまく利用して財政運営を進めているのが武蔵野市です。
  さらに、「ジャーナル」では、武蔵野市の土地の買い入れについても投機目的で破綻した「住専」と同じようなとらえ方をしています。しかし、市の財政運営は地方財政法により投機目的の行為ができないしくみになっています。平成3年から7年までの間の土地の買い入れと事業を見てみると公園用地、都市計画事業、自転車駐車場の増設、福祉施設用地など今、武蔵野市がしなければならないこと、これから必要となる土地を買い入れているのが実際です。住専と同じレベルでとらえるとはとんでもない話です。
  しかし、武蔵野市の財政が厳しくなりつつあるのも事実です。標準行政以上の高度な行政を維持していくためには、税収の落ち込んだ今、市民の皆さんとともに行財政改革を進めることが求められています。そのために、行政の専門家によって出された中期行財政運営懇談会の最終答申を受け、市では5年間で118名の職員減を含む、定数・組織・給与の見直し、大型建設事業の見直し、受益者負担の適正化等を発表し、取り組みつつあります。
  昨年の市長選でも、「武蔵野市の財政は火の車」という誤てる情報を訴えた候補者がいましたが自分にとって都合の良い一部の情報を取り上げ、混乱を招こうとする態度は市民の皆さんを愚弄するものであり憤りを感じます。私は、これからも正しい情報を提供し、高度な武威野市の行政を維持していくために市民の皆様とともに頑張りたいと思います。


平成8年度予算 環境・福祉・安全
将来を見すえた3つの施策 着実に実現

 本年度の一般会計予算は、市の財政状況を考慮し、事務・事業の見直しを行い、経費の節減を徹底した結果、前年度比マイナス0・5%、559億8千万円という市政始まって以来の2年連続の緊縮型予算となった。


街づくりへ大きく前進! 建築確認事務実施

さて今年の予算の中で山下議員が最も注目している施策は何ですか

山下議員 建築確認事務を武蔵野市で行うようになったことです。武蔵野市は様々な条例や要綱によって街づくりを進めてきましたが、建築確認事務を東京都が行っていたために、条例や要綱の主旨を生かしきれない面がありました。このことについては、私も平成3年の決算委員会を初め、たびたび質問をし意見を述べてきました。この導入により、4月l日より建てられる建物すべてが、武蔵野市の指導監督を受けることになり、街づくりのために大きな力を発揮するものと思います。

具体的にはどのような点が大きく変わるのですか。

山下議員 これを契機に市では宅地開発指導要綱に該当しない建物についても「事前調整制度」を設け、きめ細かな街づくりを目指します。たとえば、消防自動車の乗り入れや防災面で問題のある狭あい道路の拡幅整備や接道緑化を初め、雨水浸透、自転車駐車場の問題等武蔵野市が目指す数々の施策について関係部署と連携をして指導を行うことで、緑豊かな安全で快適な街づくりに大きく前進します。

いままでのような違反建築はなくなりますね。

山下議員 そうです。今まで東京都が行っていた確認事務をこれからは、市の建築指導課が行うようになるので、市内の建築物すべてに目が行き届くということです。私は、この建築確認事務を実施することは、武蔵野市の街づくりにとって歴史的なことだと考えます。しかし、ここで大事な点は、建築基準法にのっとって公平に厳正に実施していかなければならないことです。それが10年、20年先のすばらしい環境の街をつくることにつながるものと確信しています。市民の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。これからは、すべての建物の情報が行政側に入手できるわけですから、先ほどの狭あい道路や緑化の問題のみならず、例えばゴミの集積場や段差解消などに関しても新しい展開が考えられるのではないでしょうか。単に違反建築の取締りだけをするのでは、この制度を武蔵野市が導入した効果が100%活かされないと思います。大切なことは、いかにこの情報を活用できるか行政側の真剣な取り組み方が問われています。


ハードからソフトヘ福祉新たな時代へ

次に福祉関係では南町の特別養護老人ホームと桜堤のケアハウスがいよいよオープンしますね。

山下議員 南町の特養は、7月にオープンします。この施設は、武蔵野市の努力で全国で初めて定員30名の都市型の特養として認められた施設です。また、桜堤のケアハウスは6月にオープンします。60歳以上で独立して生活するには不安がありかつ、家族による援助が期待できない方に住んでいただく施設で30名の定員です。長野県の学生寮「信陽舎」と合築の施設ですので学生とお年寄りが共生するユニークな”家”となります。両施設ともデイサ−ビスセンタ−や在宅介護支援セン夕−の機能を併せ持つ施設になります両施設の完成により、在宅介護支援センターはすでにある緑町の「高齢者総合センター」と併せ、東部、中部、西部地区にそろうことになります。

在宅介護支援センターが地域にそろうことによって今後どの様に変わっていくのでしょうか。

山下議員 そこが大事な点ですね。役所の窓口が地域にできただけでは意味がないと思います。これからは、地区の民生委員、地区社協等との連携を図り、ボランティアなど地域の力をいかに活かせるか。また、地域の情報をいかに細かく集め、施設にふさわしいサービスの充実を図ることが求められています。それと同時に役所の福祉部はもちろん市民社協や福祉公社等との連携をどのように図っていくかも今後の課題です。私もこれからは、福祉のネットワーク化がどの様に機能するかを中心にチェックしていきたいと思います。


防災対策費前年の3倍増

前年度に比べ大幅増となった、防災対策費についてはいかがですか。

山下議員 阪神大震災から一年。武蔵野市ではこの貴重な教訓を活かし昨年の3倍の予算を防災費に計上しました。
  主なものは災害時に同時に60チャンネルの回線が利用できる地域防災無線の導入。100トンの防火水槽5基新設。「5万人45万食計画」を柱とする、災害対策用備蓄品の整備、災害対策用器具機材の充実などを中心に7億2千6百万円の予算をつけてさらに防災対策の充実を図っています 。

これで市の備えがまた充実しましたね。

山下議員 武蔵野市は以前から防災対策には力を入れてきましたが、これからも充実するように私も議会で発言していきたいと思います。しかし阪神大震災で学んだことはどんなに市が備えていても行政の対応には限界があるということだと思います。大事なことは、市民の一人一人が常に防災対策に関心を持ち続けることだと思います。



吉祥寺の銀行、無料駐輪場開放!
5月25、26日は 吉祥寺へ行こう

 昨年12月17日より「富士銀行吉祥寺支店」の駐車場が祝祭日、土日曜日に無料で駐輪場として開放されたのに続き4月6日 「東京三菱銀行吉祥寺支店」の駐輪場がオープンした。昨年9月より施行された新自転車条例で買い物客用の駐輪場の不足がいわれていた吉祥寺地区で 「吉祥寺駅周辺自転車等適正利用懇談会」 (目黒実会長)の働きかけに銀行側も快く応じて実現したものでいずれも整理員の人件費(年間120万円)は地元の商店街の負担である。先にオープンした富士銀行では1日2000台の利用があり好評で全国初の銀行駐車場の利用を吉祥寺地区の皆さんの努力に感謝したい。
  また、吉祥寺地区では田無の西友、府中の伊勢丹のオープン10月の新宿高島屋のオープンなど地域間競争の激化する中、吉祥寺の地盤沈下に危機感を持ち必死に頑張っています。ユザワヤの開店、近鉄の改装に併せ5月25、26日にかけてウォークラリー(商品総額1千万円)などのイヘントを中心にウェルカムキャンペーンを街をあげて実施します 。



編集後記

・あれから一年。山下議員監査委員としてますます活躍。毎月の出納検査をはじめ工事監査、定期監査と一 通り体験。二年目さらに期待したいと思います。
・四月からははじまった建築確認事務。ただ単に違反建築の取り締まりが厳しくなるだろうなと漫然と考えて いた私。街づくりにこの制度がどれだけ活かせるか、山下議員と一緒によく見ていきたいと思います。
・恒例の「後援会総会」。今年もあの方にお会いできるかな、楽しみにしております。お誘い合わせのうえぜひおでかけください。




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