●第10
号 1995年(平成7年)1月発行

市税収入対前年度比3.8%減
ますます求められる効率的・計画的な財政運営

 11月15日から35日間の会期で平成六年度第4回定例議会が行われた。
 山下議員は、決算特別委員会で活躍するとともに、12月16日の本会議で「市民クラブ」を代表し平成五年度決算案に対する賛成討論を行った。基金を活用した財政運営を評価しつつも税収が減少する状況の中、さらに効率的な運営を要望した。

  平成五年度の財政収支状況は別表のように、一般会計において本市の歳入の基幹である市税収入の伸び率は、平成四年度と比ベマイナス3・8%で、前年度に比ベ4・7ポイント下回り過去最低のマイナス成長です。バブル崩壊後の景気後退の影響がはっきりでた決算です。

  平成五年度は、武蔵野市にとって「福祉施設元年」といえる年でした。今までは他市と比べ福祉施策は充実していましたが、施設面では充分といえない状態でした。しかし平成五年度は「障害者総合センター」 「高齢者総合センター」「三鷹駅北口のエスカレーター」など、前年より着工していた福祉施設の完成。さらに、市内初の特養「吉祥寺ナーシングホーム」(平成6年12月完成)等の工事も順調に進み、南町の特養施設、信陽舎との合築のケアハウス基本設計予算や、秋川市にできた特養施設「こもれびの郷」に対する補助金が順調に執行されました。

  また、第三期基本構想・長期計画のスタートした年でもありました。中央図書館の着工、千川小学校の改築事業など着実に成果を上げたと認められます。税収の減少があったにもかかわらずこれらの施策が順調に進められたのもバブルの時代に基金の積み立てを行うなど計画的な財政運営があったからこそと評価できます。全体的な財政状況は、良好な状況を保っているが財政分析の指数をみると、例えば経常収支比率、平成三年度65・5%→五年度79・9%と約15%上昇。経常的経費と臨時的経費の割合をみると平成三年度、経常的経費55・1%→五年度66・4%と11・3%上昇するなど決して楽観できる状況ではありません。原因の一つとして近年の福祉関係の様々な施策の充実があげられます。本格的な高齢社会を迎えるにあたり、今後さらに高齢者福祉の充実を図らなければならないことを考えると、さらに一層の効率的、計画的な財政運営が求められます。

  厳しい経済情勢の中、民間では、昼休みに電気を消したりしてまで経費の削減を図っているところもあります。市役所も例外ではありません。


市政アンケート第1位 放置自転車問題解決へ
新自転車条例成立

 12月議会で「武蔵野市自転車等の適正利用及び放置防止に関する条例」(以下自転車条例)が成立しました。
 山下議員は、これまで放置自転車の解消には、条例の改正、特に規制と駐輪場の有料化を主張してきました。大きく変わった、新しい自転車条例についてお聞きいたしました

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
自転車条例が12月議会で10年ぶりに改正になりましたね。


山下議員 はい。全面改正になりました。
  条例の話の前に現在の状況を少し説明いたしますと、吉祥寺駅は、総務庁の昨年10月の放置自転車調査では、全国第2位(H3年度第1位)となりましたが相変わらずひどいですね。3駅周辺に、は2万3千台の自転車が乗り入れています。溢れる自転車を整理するために市も40人の整理員を配置し毎日整理しております。しかし3駅周辺には、常時8千5百台の放置自転車が溢れています。放置自転車は通行の妨げになるばかりでなく、もし火事や地震などがあった時、惨事を起こす凶器ともなります。
  この対策として市としても今まで駐輪場の増設(別表1)や先に述べた整理員の配置などによって努力をしてきました 。

どのぐらいの費用をかけているのですか。

山下議員 平成6年度の予算でみると6億2千万円です。

ずいぶんかかっているわけですね。さて、今回の条例改正でどのようになるのでしょうか。

山下議員 今回の改正は本年6月から施行された改正自転車法に基づいて改正されたものです。この改正によって利用者に大きくかかわりのある点は、自治体が撤去した放置自転車を保管し、その費用を徴収できることを認めた点です。
  この法律の改正を受け、また3駅周辺の駐輪揚が1万5千台以上になり、乗り入れ台数の約70%を収容できる見通しが立ったことで今回の改正にふみきったわけです。
  今回の改正は、歩行者や車椅子利用者にやさしい街を作ろうとするところから出発しています。その実現がこの条例になったということです 。

放置禁止区域の設定や駐輪場が全部有料になると聞きましたが…。

山下議員 放置禁止区域は3駅周辺の現在の整理区域を中心として指定されることになると思われますが、そこにはあらかじめ登録された自転車(登録料別表)しか止められないことになります。禁止区域に放置された場合、これからは、市が撤去することになります。撤去された自転車は市が2ケ月保管し(現在6ケ月)引き取り手がない場合は市が売却できることになっています。持ち主が引き取りに来た場合、2ケ月以内なら撤去保管料として自転車が3千円(現在無料)、バイクが5千円とられます。もし2ケ月をすぎて売却後の場合は、市は撤去料・保管料を引いた売却代金を返すことになります。
  また、現在市内に無料駐輪場が16ケ所ありますがすべて有料になります 。

ずいぶん変わるんですね。買い物やちょっと止めておいても撤去されるのですか。

山下議員 これはあくまでも放置された自転車に対してですので、お店で買い物をしているくらいでしたら大丈夫ですよ。ただ、何軒も寄るような場合は有料の駐輪場にいれていただくことになります。また、この条例はことし6月〜8月頃実施されると思いますが、それまでに、例えば駐輪場のある店は開店時間に合わせ駐輪場を開いたり、地域の商店街では買い物客専用の駐輪場を確保するなど、買い物客を逃さないように市の交通対策課と協議し、皆さんに迷惑をかけないような条件整備も必要となりますね。そのために市の交通対策課の方でも秘策を練っているようです。
  先に述べましたように、この条例は人にやさしい街をつくろうということであり、また、現在市がかけている自転車対策費から考えても、自動車などと同じように自転車の利用にもコストがかかるというように認識していただきたいと思います。
  いずれにしてもこの条例の施行まで6ケ月ぐらいあるわけですから、市としても出来るだけ混乱しないようにお知らせいたしますので注意していて下さい。市民の皆さん、商店の方そして行政と三者が一体となって協力して、恋人同士が肩を並べて歩け、車椅子利用者が自由に通れる歩道、歩いて楽しい街を実現しようではありませんか。無公害の乗り物自転車と人とが共存できる街に向けてご協力をお願いいたします 。

ありがとうございました。今年は選挙の年ですね。ぜひ頑張って下さい。


資産公開条例可決

 「政治倫理の確立のための武蔵野市長の資産等の公開に関する条例」が16日の本会議で「21クラブ」を除く賛成多数のうちに可決されました。
  これは平成5年に制定された「国会議員の資産等の公開に関する法律」に基づき平成7年12月までに武蔵野市においても条例の施行が義務づけられていたものです。
  元来モラルや倫理というのは法律や条例で規制する以上に、政治を行う本人の意志や信念、責任感など心のありようで確立され、その行動の中で判断されるべきものと考えます。そして結果は良識ある市民の選挙を通じ、審判を受けるわけであります。土屋市政は発足いらい市長はもとより、議員や職員においてもモラルを問われる不祥事はありません。市民自治の徹底した武蔵野市において、このような条例の施行はじくじたる思いもしますが、政治に参画する者として謙虚に受けとめたいと思います。
  ただ、市長選がらみで妻や子どもまで公開せよとの請願が出されましたが土屋市長提案の原案どおりの可決をみたことは武蔵野市の良識を示したことと評価します。



インドの調べ、武蔵野市に響く
−ヴィーナ・コンサート開催される−

 ヴィーナ。南インドの大きな弦楽器。長さは1.5メートル。半球型の胴に柄がついていて形は琵琶に似ている。「琵琶」という言葉は、「ヴィーナ」の音訳だとか。インドの大自然と神々への信仰を感じさせる荘厳な調べ。 去る10月9日、源正寺(武蔵野市緑町)において、ヴィーナ・コンサートが開催されました。演者の的場裕子さん(吉祥寺南町在住)は、現在、日本女子体育短期大学助教授としてピアノを教えるかたわらヴィーナの演奏を続けています。彼女のご主人と山下市議が長年の友人との関係から、山下倫一後援会発足当初から事務局のメンバーを中心にコンサートのお手伝いをしてきました。
  六年前、初めて源正寺の本堂の貸し出しをお願いに行った時、ご住職は怪訝な顔をされつつ、持参したテープを聞いてくださり、ご諒承してくれました。また、チケットを売るにも全くマイナーな楽器の演奏会、相手にうまく説明出来ず四苦八苦しつつ、民族音楽の静かなブームに助けられ、やっとのことで買っていただいたなど、今では笑い話になるようなことの連続でした。
  しかし、日本で唯一のヴィーナ演奏者としての自覚と自信に裏打ちされた演奏は、聞く者の心を揺さぶり・捕え・離さない魅力に包まれています。今では広く大勢の皆さんに知られるようになり、熱烈なファンが遠方より駆け着けてくださるようになりました。
  「将来は向こうの人たちに本物のインド音楽を認めてもらうのが夢」と、コンサート終了後、インドの民族衣装「サリー」を身にまとい上気した顔で熱っぽく語る彼女に、私たちも、陰ながら応援し続けていきたいと思っています。



編集後記

・おかげさまで10号。
・ 議会の動きと山下議員の活動、主張を皆さんにいかにお知らせするか、手探りで始めた「後援会だより」。
・ ボランティアの皆さんによる宛名書きなどに支えられここまできました。。深く感謝いたします。
・ 前の亥年は 昭和58年4千万適職金額騒動起こる。4月土屋正忠武蔵野市長誕生。
・ 平成7年 経済成長の減速にともなう財政の圧迫。一方確実に進む高齢化社会への対応の必要。街にあふれる自転車。いじめ、自殺と心のゆとりをなくした子ども達。しかし、みんなの知恵と汗で明るい希望に満ちた亥年に。
・ 編集中に、本年度の大蔵省原案で、JR中央線三鷹ー国分寺間の高架・複々線が事業採択されたとのビッグニュースが飛び込んできました。市民の皆さんが長年待ち望んでいた「開かずの踏み切り」解消に向けて大きな一歩を踏み出す年になりました。




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