「和歌披講」と古代歌謡

@有酸素運動で健康に
人は息を完全に吐き切れば自然に腹式呼吸になります
平安時代に盛んだった和歌披講には二つのふしが残っており
息を吐き切るため腹式呼吸がマスターできます
無伴奏なので どんな場所でも簡単に有酸素運動が行なえます


A和文化を身につける
『百人一首』を毎回十首ずつ、十回かけて和歌披講します
各自が詠んで持参した和歌を全員で披講します
「大歌」「神楽歌」「琴歌譜」「催馬楽」「今様」といった古代歌謡を聴けます


B日本の歴史に触れる
日本人は万葉の昔から声に出して和歌をうたってきました
現代では目で読む和歌に変わり 和歌を詠む人も減りましたが
野に出て自作の和歌を詠む
「やまとうたのふるさと」にも御参加いただけます

野に出て歌のふるさとを探し、自作の和歌をうたおう!

「やまとうたのふるさと」

「和歌披講の会」が和歌に詠まれた歌の舞台を訪ねて歌披講古代歌謡をたのしむ会に!!
参加費無料/現地までの交通費・宿泊代、当日の交通費・食費は御本人負担となります


2018年3月22日(木) 11:00〜 「陸奧會津にて詠める」



ひかりさし 水面(みなも)に映(うつ)る 木立(こだち)かな ~沼(おぬま)をわたる 風ぞすずしき
磐梯
(いははし)の山噴火せむ 大同の元年(ぐわんねん)を期す 寺社ぞ多かり
長床の いてふ守りて 千歳
(ちとせ)なる 東陬(とうすう)陸奧の會津(あひづ)の氣凛(きりつ)
碧なす 只見
(ただみ)の川に 映ゆる橋 門前町に 灯(ひ)をともすごと
道の奧 白河の関 越えゆきて なほも響かむ 海人の歌ごゑ


2018年2月18日(日) 13:00〜 「杣保(そまのほ)にて詠める」

戊戌正月 (2018年2月16日)
あらたしき年のはじめに ハレの世のうた言祝(ことほ)ぎて こころ鎮(しづ)もる
雙龍
(さうりゅう)の瀧音(おと)ひびく 巖(いは)に立ち 遊ぶ女(をみな)ら 赫(かく)と面(おも)照る
いにしへの 縁
(えにし)をたぐり 棚澤(たなさは)へ ひかり舞ふ谿谷(たに) 永遠(とは)に輝け
穴澤
(あなさは)の 急峻(きふしゅん)な坂 登りたる 主(あるじ)と駒(こま)の 息に草ゆれ
玉川
(たまがは)の 水~(みづかみ)祀る 鳩ノ巣へ 導かれ來て ルリビタキ聽く


2017年11月26日(日) 13:00〜 「奧州にて詠める」



枯れ葉ふむ 建鉾(たてほこ)の道 いろどりて われとどめけむ 実ムラサキシキブ
建鉾
(たてほこ)の 頂(いただき)に立ち 見む里の 人の生業(すぎはひ) 久しくあれと
立鉾
(たてほこ)の巖(いは)に響かむ 久の聲 討たれし蝦夷の 末裔(すゑ)やいづこに
(あふ)ぎ見し 不動明王(みやうわう) 眷属の 三十六(みそむ)童子の 像(ざう)を数へむ
(み)の本(もと)を たづねて聞きし せせらぎが 命をめぐむ 久慈(くじ)の大河に


2017年11月12日(日) 13:00〜 「毛野國にて詠める」



下野(しもつけ)の産土(うぶすな)なるや 産王の宮に色づく 玉章(たまづさ)の朱
赤沼の 天
(あま)の河原に 射す光 御~渡りの道にぞ見ゆる
群馬
(くるま)なる 馬蹄カルデラ 大沼は ~庫(ほくら)の峰と 黒檜(くろび)の要


2017年11月 4日(土) 13:00〜 「上毛野にて詠める」



(あめ)に坐(ま)す 豊岡姫の ~樂歌 ひびく奧山 黄金(きん)に輝く
貫前
(ぬきさき)の 宮に聳ゆる 大公孫樹(おほいてふ) 秋の風にぞ 舞ひ踊りけむ
黄金
(こがね)なす 銀杏(いてふ)舞ひたる 一ノ宮 蓬ケ丘(よもぎがをか)に 鳴るや琴の音
朝倉に 齋き祀らる 大王
(おほきみ)の 名さへ知るすべなき世を生くる
朝倉の 古式ゆかしき みささぎに おちゆく夕日 澄み渡るうた


2017年10月 8日(日) 13:00〜 「毛野國安蘇郡にて詠める」



(とほ)つ世の 大王(おほきみ)に寄せ ~樂せむ 毛野(けの)國安蘇(あそ)の 天の陵(みささぎ)
(をさな)き日 埴輪(はにわ)見つけし 里人が 古墳を齋く 名草(なぐさ)の祭りに
御~樂
(みかぐら)の野に群れ飛ぶや 秋津の翅(は) 透かして見つる 雲のたなびき
里の秋 黄金
(こがね)の稻ぞ 刈り干さる 水穗(みづほ)の國に ひかり降り注げ


2016年 8月11日(木) 13:00〜 「因幡への道を詠める」



秋立ちて 黄金の稻穗 實りたる 気高(けたか)の里に ノビタキの群れ
オハグロのトンボたはむる 川べりの 杜をくぐりて かむやしろ見む
亀金
(かめがねの)岡に殘りし 雙履石(さうりせき) 因幡の國の 一之宮かな
道に落つ 金糞
(かなくそ)ひろひ 遊びしと 古老かたりぬ 波賀の里にて


2016年 7月2,3日(土日) 13:00〜 「伊吹山・琵琶湖にて詠める」



湧き上がり 山を越えゆき 雲たつる 伊吹おろしに 湖(うみ)もさざめく
みどり濃き 笹ふく杜に憩ふ吾れ とほつ世を生き 蹈鞴
(たたら)ふみしか
アカキツネ カメラ目線で ポーズとり ネコ眼
(め)細めて 白き尾を振る
~豬
(カムヰ)なる 伊吹にやぶれたる尊(みこと) 能褒野(のぼの)に死すと 記紀にしるさる
龍~の 人目しのぶる 元宮や くぐもるこゑを 雨に散らせて


2016年 6月19日(日) 13:00〜 「伊豆國賀茂郷にて詠める」



いただきの御洞(みほら)に芽吹く 草木(さうもく)や 熔岩おほひて あふるる緑
汐風の のぼりて雲を生
(な)す山や 霧をまとひて白く輝く
黒潮の めぐむる幸に いだかれし 伊豆の島々 ゆたけき心
いつの世に 呼び習はさむ 伊豆
(いづ)の名や 人のおよばぬ 嚴(いづ)の島山
毒をもつ ホタル蛾
(が)とびし 縄文の森の生気に 喚(よ)び醒まさるる


2016年 5月29日(日) 10:00〜 「立山にて詠める」



らいのとり ちさき姿ぞ ふくさなり 飛ぶをり聲の けたたましくも
~樂歌 ききつつ雷鳥(らいてう) あそびたる 白銀まぶし 大汝山(おほなむぢやま)
御厨
(みくり)てふ 立山連峰 をさむ池 こほりていまだ 鏡とはならず
萬歳
(よろづよ)の 山のいのちを 言祝(ことほ)ぎて はかなき人の いのち思ほゆ
星ちかく 瞬く間にも めぐりゆく 永久
(とは)の果たての 天の川銀河


2016年 4月30日(土) 10:00〜 「鈴鹿・近江にて詠める」



海人のうた 波立ち空へ誘(いざな)はむ 木漏れ日そそぐ 天の磐ふね
いはふねに乘りて琵琶湖をわたりたる~のごとくに 吾も飛びたし
燒け落ちて 巖膚
(いははだ)あらき 鈴鹿路の 瀧の響きに 名殘(なごり)とどめむ
高みにて 鳴く蒼鷺
(あをさぎ)の聲しげく 何を見据ゑむ 五箇(ごか)の社(やしろ)
田の中に 勝手の社
(やしろ)たたづみて 心きよまる歌うたひけり
あふみ路や 睛れわたりたる 空たかく あふぎてうれし 山藤の花


2016年 4月23日(土) 13:00〜 「上田真田にて詠める」



いにしへの タタラの里に 傳はりし 隻眼(せきがん)の魚(いを) 棲むといふ池
鳥居より 仰ぎし先に 淺間山 鎭
(しづ)もりたまへと 祈り歌はむ
空を衝く 觀音
(くわんおん)堂宇(だうう)飾りたる 枝垂れ櫻や やうやうと咲く
雲散らす 光のちから 浴びて舞ふ 蝶
(てふ)も遊びし 大日靈(おほひるめ)の樹


2016年 3月19日(土) 13:00〜 「雲ケ畑・大原にて詠める」



(いほり)さす 建礼門院 なぐさめし 小原(をはら)の里の 白大原(おはら)
鳴~
(なるかみ)の 岩屋不動に 滴(したた)りし 密かな響き 鴨の水源(みなもと)
心ありて 都のみづを まもりたる 人のまことの ひとしづくかな
(し)ひられし 都(みやこ)づくりの 民びとら 逃れ來し里 うぐひすぞ鳴く
願ひ込め 御百度石を踏む人の さらなる願ひ 御千度石に
菜の花の 奥にぞ埋もる 石垣に 名殘
(なごり)とどめむ 海(あま)の足あと


2015年12月27日(日) 15:00〜 「山城にて詠める」



相樂(さがら)なる 笠置(かさぎ)の山に 天降(あまくだ)る 磐舟あふぎ 棲む弥生人(やよひびと)
宇治田原
(うぢたはら) 茶どころに坐(ま)す 雙栗(さぐり)~ 分霊(わか)つ里にも クロツバキ咲く
久御山
(くみやま)の 雙栗(さぐり)の椿 つばらかに とほく聞こゆる みやひとのうた
冬の日に をとめつばきぞ そそと咲く 桃よりあはき 花辨
(くわべん)かさねて
ゆふぐれに みやこ路あゆみ つばき踏む いにしへの血か ほの闇きあか


2015年10月29日(木) 15:00〜 「伊豆半島にて詠める」



松陰の 見果てぬ夢のせ 漕ぎ出でぬ 下田みなとの 海人(あま)の釣舟
山を燒く 修験の火ぞや 外つ國の ザラストロかと 魔笛おもひて
琴歌の 古き巖
(いはほ)に 響かむと 鳥や草木(くさき)も ともに奏でむ
アイヌ語の アソウマの~ 鎭まりて 人々憩ふ 淺間の鉢に
秋の日に おとなふ人を 驚かす うす紅色の 十月
(じふがつ)さくら


2015年 8月13日(木) 16:00〜 「金剛山にて詠める」



けぶり立つ 不動の像に 迎へられ 高き修験の 山岳(やま)にまゐらむ
霧深き ブナの林に 鎭
(まも)られし 楠公(なんこう)の里 今も息づく
古き世に 一言主
(ひとことぬし)ぞ 祀りたる 禁足の地の おほやしろかな
高天山
(たかまやま) 葛城山とも 呼ばれたる 金剛の峯 道嶮(けはし)くも
苔むした 木々や磐根
(いはね)を 仰ぎつつ 登れば古社の しんと佇立(たたず)


2015年 6月29日(月) 14:00〜 「藏王にて詠める」



巖肌(いははだ)を 彩る花や コマクサの かそけき息を 洩れ聞くがごと
噴火
(ひ)ををさむ 修験の道の 険しさよ 足元にふと 駒草や笑む
たふたふと 雲ながれたる 熊野岳 白銀はゆる 草の尾根
霧リれて 五色の沼を のぞむれば 忘ることなし 不忘山
(わすれずのやま)
C水
(しみづ)湧く 旅の宿にて ひかり待つ ほたる憩へや 高き湯殿に


2015年 5月10日(日) 13:00〜 「塩山にて詠める」



笛吹の 水音(みづおと)ききし 實櫻(みざくら)や けふの琴音を いかに聞くらむ
緑なす 山道ゆかば せせらぎの 妙なる調べ 山つつじ咲く
淡々と 御祖
(みおや)の祠(ほこら) 守りたる 山ふかき邑(むら) 谷間(たにあひ)の道
遠き日の すみれ 堅香子
(カタカゴ) ゆすらむめ その名をしへし 父やいづこに
あらたしき 芽のいきほひに 瀧音
(たきおと)に 目を覺ましたる 谷蟆(たにぐく)ぞ鳴く


2015年 5月 1日(金) 11:00〜 「越知にて詠める」



横倉(よこぐら)の 麓に咲くや 藤の花 人の手はなれ 天に向かはむ
苔むした 土佐の山道 さくら散り 育つタケノコ 行く手はばみて
(はや)せども 舞はぬ神輿(みこし)を 置きし宮 いくさに破れ 名を捨て去りぬ
伊予に向け 龍馬翔けゆく 道なれど いまは行き交ふ 人影もなく
みづ涸れて 人おとづれぬ 谷あひに 響く足音 遮りし栗鼠(りす)


2015年 4月14日(火) 10:00〜 「高野山開創1200年によせて」



春時雨(はるしぐれ) 奥高野への 道ゆけば 仏法僧か コノハヅク鳴く
枯れ居りし 枝垂れさくらぞ 黄泉かへる 紀念の年を 祝ふごとくに
絶え間なく 遍照金剛 響きたる 櫻の高野 よろづよまでも
外つ國の 少女子
(をとめご)はるか まゐりけむ いかで知らまし 高野への道


2015年 3月22日(日) 13:00〜 「甲斐にて詠める」



覺円峰(かくゑんぼう) 世にもこごしき甲斐(かひ)の山 古代の修験 かくも嚴(いか)しき
覺円の 座したる峰より 臨みても 遠き霊峰 遙かなる道
空海が 経文をさむ 金峰山
(きんぷさん) 鬱金櫻(うこんざくら)の 古木(こぼく)ゆかしき
甲斐の國 花の御嶽
(みたけ)の里宮に 人をいざなふ うこんのさくら
春霞 大空
(そら)を覆ひて ふじ見えず 富士見の里の遙拝処(えうはいところ)


2014年 7月21日(月) 11:00〜 「出雲にて詠める」



うるはしき 瑠璃に耀く かげろふと ともに歩みし 山里の道
磐膚(いははだ)に 咲く鬼百合の 朱(あか)き花 日ノ御碕(ひのみさき)にや 日沈みの宮
龍蛇に 牛おほひたる 大社
(おほやしろ) 鰐や兎の 物語かな
つくられし ~話の國に 屹立
(きつりつ)す 人智およばぬ 岩礁の巖
出雲とは 伊豆に巖原
(いづはら) みな同じ いつくしきとぞ ししもいふなり


2014年 6月22日(日) 11:00〜 「土佐にて詠める」



そそり立つ 頂(いただき)たかき 御在所に 愁霧(しうむ)不斷の 香(かう)を焚きをり
しか跳びて ふりかへりつつ 入る木立 太敷き磐根
(いはね) 千年の森
海空
(うみそら)を のぞまむこせの み社(やしろ)に 苦行しのばむ 御厨人窟(みくろど)の巖(いは)
物部川
(ものべがは) 遙か遠くに 名をうつす 加茂や吉野や 葛城の古瀬
幽玄
(いうげん)の 深山(みやま)に冴ゆる 鳥の聲(こゑ) C(さや)けき歌に 心なごまむ


2014年 5月19日(月) 14:00〜 「南紀にて詠める」



風さやか 新緑の森 あるきたる 友の姿に 縁(えに)しぞ想ふ
本州の 最南端と 謳はれし 潮御崎
(しほのみさき)に 吸ふ息深く
しかの海人
(あま)(ちか)の島にて 守られし 入り江に棲みて 万歳(よろづよ)を経む
黒潮に 洗はれし巨岩
(いは) をろがみて 祈る大師と 教(をし)へたる人


2014年 4月20日(日) 14:00〜 「早池峯にて詠める」



雪解けの C流はやし 早池峯(はやちね)の 修験(しゅげん)の杜に 剣舞(けんばい)思ゆ
春いづこ たづね訪ねて 道の奥 賢治ゆかりの なめとこの山
さくら待つ みちのく行けば まぼろしの カムイチカ
か ホロロ…囀(さへづ)
殘雪の 山に咲きたる 蕗
(ふき)の薹(たう) やはき蕾(つぼみ)に 春をしへられ


2013年12月 9日(月) 11:00〜 「高千穂にて詠める」



碧高フ しづかなる水 湛へたる 高千穂峡に 水鳥の波
おのころの 池に注がむ 水Cく 落ちて眞名井の 瀧と名づくる
高千穂の ~話の里を 訪(とぶら)ひて ~を祀りし さがを問ふらむ
古き書に くしふる峯と 記さるる 山に降りたか 瓊瓊杵尊
(ににぎのみこと)
大宮を 二所処
(ふたとこ)三とこ つくらむと 宣(の)りし大王(おほきみ) 天照(あまてらす)なり
山みれば 天孫降臨 海みれば ニライカナイを ゑがく人かな


2013年11月18日(月) 14:00〜 「大和にて詠める」



櫻井(さくらゐ)の 伊勢路に近き土舞台(つちぶたい) 百済渡來の伎樂(ぎがく)いかにと
もみぢ散る 天
(あま)の岩戸を尋ねゆき ~樂(かぐら)うたへや ~樂月なむ
祓戸
(はらへど)の瀧~(たきがみ)なるや 龍穴(りゅうけつ)の善如龍王(ぜんにょりゅうわう)います室生山
室生にて 仰ぐ巖の 天高く いづくより降る うるはしの雨
夕暮れに よろづことの葉 集ひ舞ふ 旅の道末 まほろばの里


2013年10月13日(日) 11:00〜 「丹波にて詠める」



みかげ山 高謔づよ 深まりて いよよCらに 瀧音(たきね)ひびかむ
丹波路
(たにはぢ)を 元つ伊勢より元出雲 古き歴史に遊ぶ秋の日
一書
(あるふみ)に 酒呑童子(しゆてんどうじ)の父と云ふ ヤマタオロチの 國譲りかな
國づくり 古事記
(ふることぶみ)をモデルとす高天原(たかまがはら)や津々浦々に
ゆふやけを その實に浴びて輝ける 赤より赫
(あか)き 道野邊(みちのべ)の柿


2013年 8月17日(土) 12:00〜 「熊野にて詠める」



水葬の 聲なき死者を弔(とぶら)ひぬ 殯(もがり)の杜も 聲うしなひて
みくまのの 山川ひとつ越すほどに いろどり深き 高スなびく
リれわたる玉置の山の磐余
(いはれ)杉 三千年(みちとせ)同じ 夏の日の雲
大峯の 山山山を駈けめぐる 修験者思ふ 果無
(はてなし)の山
いにしへの 元つ宮にぞ 流れたる せせらぎの音 蝉しぐれ和す


2013年 7月30日(火) 10:00〜 「三重にて詠める」



瀧の音(ね)に 耳を澄ませば 苔の呼吸(いき) 立ち上りけむ 朝や涼しき
みづみづし天
(あま)の岩戸に遊びたる 子らの瞳ぞ いよよ輝く
尾津崎
(をづみさき) ヤマトタケルの忘れおく 一振り(ひとふり)の大刀(たち) 武勲いのるも
ふりしきる蝉の聲にぞ行く末の はかなさ思ふ 夏の伊勢路に
夏木立 こもれびまとふ古社
(ふるやしろ) 守りし村の靜けさの中


2013年 6月30日(月) 14:00〜 「意布郷にて詠める」



紫陽花(あぢさゐ)に たはぶれ集ふ かげろふの のびたる脊すぢ りんとしたはね
~主も居らぬに村社の淨らけき 丹燕桙゚たる紫陽花ぞ咲く
靜かなる木立の中に輝ける あぢさゐの花 古
(いにしへ)思ほゆ
われもまた いづこより來たる命かと 問へばゆらゆら紫陽花の花
あぢさゐの風にゆらめく古社
(ふるやしろ) 彫刻(ほりもの)の美を いまにつたへむ
日々かよひ つくりしわざの みやしろに あぢさゐさくは 時のたよりよ
明治の世 人のつくりし~の道 一村一社に合祀さる杜
(もり)


2013年 5月27日(月) 12:00〜 「戸隱にて詠める」



戸隱の野にたたづまむ少女子(をとめご)や 憂ひて白き水芭蕉かな
戸隱に隱し戸なしと見えけむは 古代の隱喩たえし證
(あかし)
たづねきて 思ひ重ねし わが心 折れし木立に 忍
(しのぶ)われあり
戸隱の野に遊びたる子供らも いつかは知らむ いにしへの音
岩を打つC水の音
(ね)さへ消さうほど賑ははしきは戸隱の子ら
國人が 岩に隱れし 戸隱の 歩みの道の つちぞ淋しき
すがすがし 木立の杉の いきいきと 人ふみ歩み われを知らしむ


2013年 4月27日(土) 11:00〜 「筑州にて詠める」



さざなみの 打ち寄せ來(きた)る 海人(あま)の濱 いざ漕ぎ出でむ 志賀の荒雄(あらを)
宗像の 高宮の地に佇
(たたづ)みし 古人(いにしへびと)の祈り靜かに
辺津の宮 無垢の白さよ 吾妹子
(わぎもこ)の 末(すゑ)祈りたる 人のえにしよ
玄海の海に向かひて 防人
(さきもり)が戀(こ)ふは妹(いも)待つ ふるさとの山
磨かざる わが身の穢れ 告げられし すぐなる道に 立ちや直ると
沖津宮 岩場に遊ぶ をみならは 少女
(をとめ)のごとき ゑまひ湛へて
しこの民 しきつきのぼり 海
(あま)さかる すがすがしきは 滋賀のさざなみ
志賀の海人 いにしへよりの~樂をば 今に傳へし志賀海の宮


2013年 3月 3日(日) 11:00〜 「吉野にて詠める」



瀧~や 水と櫻の御社(みやしろ)に 虹に光りし階(きざはし)を立て
吉野なる 象
(きさ)の小川の瀬を織りて 歌はば睛るる 薄氷の空
靜かなる 象
(きさ)に舞ひ散る 風花や 古き都を 憶(おも)ひ起こさむ
杉木立 古き社
(やしろ)の守り人 傳へ傳へし 瀧音(たきね)の靜か
吉野山 和琴の音色 せせらぎに ひびきて空に 天のかけ橋
丹生
(にふ)の~ いにしへびとの捧げしは 祈雨に黒馬 止雨に白馬
櫻待つ 吉野の山に 菜摘
(なつみ)野に 義経おもひ 靜(しづか)舞ふらむ

第四期 「和歌披講」と古代歌謡 (全10回)

◆2015年6,7,8,9,10,12月+2016年1,4,6,8月◆
◆原則として毎月第1日曜(変更の可能性あり) 15時-17時◆


第三期 「和歌披講」と古代歌謡 (全10回)

◆2014年6,7,8,9,11,12月+2015年2,3,4,5月◆
◆原則として毎月第1日曜(変更の可能性あり) 15時-17時◆


第二期『百人一首』を和歌披講する会 (全10回)

2013-14年/原則として毎月第1日曜(変更の可能性あり) 15時-17時


「2012 和歌披講の会」

会場:木挽町 田村(地下鉄「新橋」「東銀座」駅徒歩5分)
開催日時:2012年5月13日、6月10日、7月8日、9月9日、10月14日、11月11日、
      
2013年1月13日         各回とも午後2時〜4時
テキスト:会場にて配布

藍川由美 「うたの寺子屋 2012」

いまうた・むかしうた

会場:銀座カンタータ(地下鉄「銀座」「東銀座」駅徒歩5分)
開催日時:2012年2月19日、3月11日、4月8日午後2時〜4時
テキスト:会場にて配布

藍川由美 「うたの寺子屋 2011」

『百人一首』の和歌披講と作曲された和歌を歌う10回シリーズ

銀座のサロンでお茶を飲みながら和歌を披講してみませんか?

会場=銀座7丁目サロン
開催日時=1/16,2/20,3/13,6/12,7/10,9/11,10/16,11/13,12/11,1/22 各回とも午後2〜4時
テキスト=会場にて配布(各回10首+1曲×10回)。

2009年より日本最古の絃楽器・和琴(わごん)の伴奏による「うたの寺子屋」を各地で開催しています。
明治の唱歌や大正の童謡、昭和の流行歌、平安時代の今様などを皆さんと一緒に歌います。

四国新聞での紹介記事 2011年

四国新聞での紹介記事 2009年

同じく東山魁夷せとうち美術館での「うたの寺子屋」の様子

広島でのワークショップ


藍川由美 「うたの寺子屋」2005年始動!

みんなで 「日本のうた」 を歌おう! 日本語を美しく歌うコツを覚えよう!

 わが国の音楽教育は、自国の音楽的伝統とは無関係に、明治時代に始まりました。最初、外国曲に日本語の歌詞をつけて唱歌教材とした文部省は、次第に日本人の作詞作曲による唱歌を充実させていったのです。
 一方、大正時代には、日本の伝統を無視した唱歌教育に批判的な詩人や文学者、作曲家らが子どもにふさわしい童謡を模索し始めます。いわゆる文部省唱歌は明治に急造されたヨナ抜き音階が主流でしたが、童謡は日本の伝統的な音階(陰旋・陽旋)を生かして作曲されたこともあって大衆に歓迎され、瞬く間に浸透したようです。こうした童謡わらべうたの関係を探りつつ歌うのも推理小説を読んでいるようで楽しいとの声が届いています。

 戦前は、文部省が学校で童謡を歌うことを禁じたほどの敵対関係にあった唱歌童謡ですが、戦後の教科書には童謡ばかりか流行歌まで掲載されています。また、歌詞や音符が改作されて、本来の姿を失った作品も少なくありません。このまま明治、大正、昭和…と歌い継がれてきた日本のうたが姿を変えてゆくのは悲しいですね。そんな思いから1年に20回のペースで「うたの寺子屋」を開催し、皆さんと一緒に日本の歌をうたう活動を続けています。
 伴奏は藍川由美が弾く足踏みオルガンピアノ、会場では歌詞カードを配布します。楽譜が必要な方は、藍川由美編集・校訂の『日本の唱歌』『日本の童謡』(音楽之友社刊)をお求め下さい。

 なお、「うたの寺子屋」の開催方法については、メールでお問い合わせ下さい。

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