共演:ウィーン・シュランメル・アンサンブル
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録音:2001年12月20日・21日(ウィーン スタジオ・バウムガルテン)
![]() ZAPPEL MUSIC 直輸入盤 CMCD−28010 |
昭和13年に出版された『古賀政男藝術大觀』に出合ってからというもの、このオリジナル版による録音を成し遂げたいと思い続けた甲斐あって、ようやく2001年の暮れにウィーンでの録音が実現した。言うまでもなく、この仕事がCDとして結実し得たのは、さまざまな方のお力添えの賜物である。 ウィーン・シュランメル・アンサンブルとの録音に踏み切った発端は『古賀政男藝術大觀』所収の《人生の並木路》が「シュランメル四重奏団」の楽器編成(2 Vln.+Accord.+Guit.)で作曲され、それに準ずる、ヴァイオリン、アコーディオン、ギターという編成が多用されていたことにあった。また、古賀は昭和6年頃より「ジプシー音階」を好んで用いており、ハンガリーの音楽に親しんできた彼らとの共演は願ってもないことだった。 2003年に生誕100年を迎える古賀政男の作品をオリジナルの形で演奏することで、彼が志向した音楽を追究してみたい。それが古賀メロディーの再評価につながるのではないか。そんな思いで、古賀の初期作品を集めたCDを企画した。そしてこの録音を通して、私は実に得難い体験をした。このことは拙著『「演歌」のススメ』(文春新書/2002.10.20発売)に詳述したので、是非とも御一読いただきたくお願い申し上げたい。 なお、今回はヨーロッパでの発売ということを考えて、ジャケットにはかねてより私が心酔している渡辺俊明画伯の絵を使わせて頂いた。日本の心を歌った古賀メロディーはもちろんのこと、日本の精神を筆に託す渡辺先生の作品によって、多くの方々の心が癒されんことを願いつつ。 (藍川由美)
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