何の因果か「船の旅」
其の六/レディースルーム。

   二等客室(いわゆる雑魚寝部屋)では、
   寝床が番号で指定されているとはいえ、隣にどんな人が来るのか分かりません。
   女の一人旅だと、特に不安でございましょう。
   でも「レディースルーム」なら大丈夫。
   この部屋は、その名の通り、女性専用となっております。女の園です。
   雑魚寝部屋だけでなく、二段ベッドタイプの二等寝台にも、
   用意されているようです。

   先日は、相方が仕事で大阪にもう一泊することになり、
   私だけ先に大分に帰ることになりました。初めてのレディースルーム体験です。

   その日同室になったのは、女性2人連れが3組と、一人旅の人が3人ばかり。
   50代以上の方と、20〜30代が半々というところでしょうか。
   「いいわよねー、男がいないのは。ここで着替えもできるし」
   とあるオバサマ。女子校のノリですね。
   「レディースルーム」として割り当てられたうちの半分は、空いていたので、
   最年長とおぼしきオバサマの一人が仕切って、
   「みんな! もう誰も来ないんだから、広々寝ましょうよー」と言うなり、
   真ん中に、2人分の布団を並べてゴロリ。
   みんな!……ねえ。
   女同志だというだけで、
   もう一つのグループのような気持ちになるのでしょうか。おもしろい。

   何より、酒盛りをするオジサンたち、ニイちゃんたちがいないので、
   スルメほか酒の肴のニホヒや、オジサン整髪料のニホヒがしないのは、いいことです。

   ただしこの「レディースルーム」、いつもいつも確保されているとは限らず、
   大人数の団体さんが二等客室を占領してしまったりすると、
   「レディースルーム」はなくなっちゃったりするようなので、
   予約の際に確認が必要です。

   (30.Nov.1998)

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