Seisyou of 坪田眞幸建築研究所

nanbara20_.jpg
竣工    2002年12月
構造規模  木造地上2階建
●面積
敷地面積   357.60㎡
建築面積  156.07㎡
述床面積    262.89㎡ 
●主な外部仕上げ
屋根     ステンレス塗装鋼板一文字葺
壁   アクリルリシン吹付 
開口部  アルミサッシ、木製ガラリ雨戸

●主な内部仕上げ
天井  玄関ホ-ル、食堂、居間/スタッコ塗り
     書斎、洋室、寝室/PB厚9㍉AEP
壁   玄関ホ-ル/砂入プラスタ-木ゴテ摺り
    食堂、居間、書斎/珪藻土塗り
        寝室/PB厚12㍉AEP
床   玄関ホ-ル、台所、洋室、寝室/
   ナラフロ-リング
        食堂、居間/クリフロ-リング

青霄庵

モダン和風の二世帯住宅

  敷地は、由緒ある神社や私設の美術館が点在する、緑の多い閑静な住宅街にあり、行政も町並みの景観整備を積極的に進めている第一種低層住居専用地域に位置します。
定年を目前にされた建築主ご夫妻は、須磨にお住まいだったご自宅が阪神淡路大震災で被災され、修復はなされたものの慣れ親しんだ町並みがすっかり変わってしまい、終の棲家としてこの場所に新しく住まいを求められました。
  外観は近隣に出来るだけ圧迫感を与えないようにする配慮と、内部空間を損なわずに軒や最高高さを押えるためにR勾配の屋根としました。柔らかさを感じさせながら夏の日差しを遮る深い軒を実現することができました。又、幾重にも重なった屋根が日本の美しい風景を形づくっていると思いますが、そうした外部空間への働きかけを積極的に試みました。
変形している敷地は、北側から南側に半時計回りにほぼ1層分の高低差があり、敷地周囲に擁壁を巡らさざるを得ないのですが、これも建築主のご理解を得て石貼りとしましたので町並みの景観形成に寄与することが出来たと思います。
 プランは将来増築することで二世帯住宅となるように計画しました。1階はリビング・ダイニングを中心として北側に和室、東側にキッチン、2階は書斎、寝室、水廻り、地階には車庫と納戸を配置しています。リビング・ダイニングは16帖の広間ですが、拭き漆の大黒柱で意識的に分節化を図りました。
北向きの和室は、南向きの緑を目にする事になるので意外と明るく感じられ、均一な穏かな光が入り落着いた空間となりました。リビング・ダイニングとキッチンとは壁のような建具を開閉することで色々な状況に応じて使い分けが出来るようになっています。
 住宅は、まず日当りや風通しが良いこと、そして構造のしっかりした安心できる家、その上に美しい町並みを形づくることが大切だと考えていますが、今回この思いによき理解を示していだだき、この機会を与えて頂いたことにとても感謝しています。又、この工事では監督さんをはじめ各職方のみなさんが設計意図の実現に非常に意欲的に取組んで頂きました。改めて感謝を申し上げます。 

プラン図

平面図_2.jpg



nanbara4_.jpgnanbara19_.jpgnanbara20_.jpgnanbara6_.jpgnanbara7_.jpg
nanbara9_.jpgnanbara10_.jpgnanbara12_.jpgnanbara11_.jpgnanbara14_.jpg
nanbara13_.jpgnanbara15_.jpgnanbara16_.jpgnanbara18_.jpgnanbara17_.jpg