ある非日常・2

「おい、リュミエール。」
公園へ向かおうとするリュミエールをオスカーが呼び止めた。
「何か御用ですか?」
「今日はお前の誕生日だろ。」
「ええ、そうですけど・・・。」
何でオスカーにまでそんなことを言われるのか、リュミエールは小首を傾げながら返事をした。
「そら、プレゼントだ。」
オスカーはリュミエールに向かって小さな包みを差し出した。
「はぁ。あの、ここで開けてもよろしいですか?」
「ああ。」
リュミエールが包みを開けると、中からシックな箱が出て来て、蓋を開けると小さな青い石の付いたイヤリングが出て来た。
「プレゼントする相手をお間違いなのではありませんか?」
「いや、これはお前に選んだものだ。付けて見せてくれないか?」
「はぁ。」
リュミエールは仕方なくイヤリングを付けて見せた。
「思った通り、よく似合う。」
「あなたにそのように褒められてもうれしくありません。」
「何か言ったか?」
「いえ。有り難く戴いておきますよ。」
リュミエールは逃げるようにその場を去った。

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