第12回 紡がれていく、三芳の歴史 

 地中に埋もれた三芳の歴史を解き明かすためには、これまで書いたように、遺跡の発掘調査をはじめ、炭化物・黒曜石・土壌などの自然科学分析結果や文書資料の検討も含めて、総合的に考え合わせることがとても重要です。

昔を知ることで、今がわかる
 話は変わりますが、町内には大雨が降ると水が溜まりやすく、なかなか引かない場所がいくつかあります。なぜでしょうか。その答えは、発掘調査によって明らかになった太古の三芳の姿にあります。かつてその場所には川が流れていたのです。そのため土地が周りよりも低く、水が溜まりやすいのです。“昔を知ることで今がわかる”事例のひとつです。
 これまで紹介してきた町内の遺跡。意外と身近に存在し、実は私たちとどこかでつながっていることがお判りいただけたでしょうか。今の私たちの暮らしは、太古の人々の生活の上に成り立っており、そして今の私たちの暮らしもまた、太古から連綿と続く「三芳の歴史」の一部なのです。

 (『広報みよし』令和3年3月号掲載分を一部修正)


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