第1回 川の流れと遺跡 

 毎年、日本全国で9千件もの調査が行われている遺跡の発掘。三芳町でも、住宅や駐車場、倉庫などの開発に先立つ調査として年間10件ほどの調査を実施しています。その結果、これまで明らかになっていなかったことや、新たな事実が発見され、三芳の歴史に新たな一ページが書き加えられることも少なくありません。
 今回からは、そうした遺跡の発掘調査で明らかになってきた太古の三芳の姿を、みなさんにご紹介します。

遺跡のある場所はどんなところ?
 現在、町内には33か所の遺跡があります。もちろん水道などなかった太古の昔。人々は自分たちが生きていくため、また水を求めて集まってくる獣を捕まえるため、川のそばで生活していました。下図の赤色部分が遺跡のある場所、水色の線が川の流れです。遺跡が川の近くに広がっていることがわかります。
 しかし、この図の左側(上富地区)を見てください。川の流れがないところに遺跡がいくつもあります。なぜでしょうか。

 
三芳町遺跡地図

かつて流れていた川の発見
 この地域は、太古の時代から川がない場所だったため、人々の生活の跡である遺跡は少ないとこれまで考えられてきました。しかし、近年の調査で、この地域にもかつては川が流れていたことが明らかになり、その周りにいくつもの遺跡があることがわかってきました。次回はその遺跡について、詳しくご紹介します。 
  
~~~~~~~~~~ 深掘り解説 ~~~~~~~~~~


 町内の遺跡については、「みよし文化財だより」でも時代ごとの移り変わりなどを詳しく紹介しています。こちらもあわせてご覧ください。

「三芳の遺跡はどこにある?」(『みよし文化財だより』令和2年7月号)

 (『広報みよし』令和2年4月号掲載分を加筆修正)


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