METAL ART MUSEUM HIKARINOTANI

1999年
 4月24日
 〜5月23日

4〜5月の企画展


TEXT No.19, 20, 21(部分)

THE WHITE ROOM #12

淤見一秀展

Kazuhide Omi Exhibition
−THE WHITE ROOM #12−

会 期

 1999年4月24日(土)〜5月23日(日)

作家名

 淤見一秀(おみ かずひで)

作家紹介

 1993年より[THE WHITE ROOM]というタイトルによって,日常的な空間がもつ意味性を漂白・脱臼させ,そこへ新たに「意味形成性の根源的な構造」をオブジェクトとして設置するという作品をシリ−ズで発表している。作品は,あらかじめ展示そのものを目的としている画廊や美術館以外に,歴史的建造物の内部や学校の教室など用意されていない空間で,全く新しい状景を忽然と出現させる展開を続けている。

作 品

 内容 : インスタレ−ション
 素材 : 金属線・アクリル・その他 

制作意図

 私達が普段,あたり前のように順応している「世界」とは,実は,意味をめぐる「意味世界」のことです。例えば言語記号などを考えてみると,意味そのものは,記号それ自身の中にあるのではなく,他の記号との関係(差異)によって生み出されます。そして,これらの構造は,次から次へと絶え間なく,まるで網目のように組織化され,無限に意味を生産し続けます。このような意味形成性における記号連鎖の構造を<テクスト>と呼んでいます。つまり<テクスト>とは「世界」の言い換え(隠喩)なのです。
 私は,この<テクスト>の構造を,それと同じ語源の<テキスタイル>を使って,しかもニッティングという編組織によって提示しています。作品では,まず,日常的に見慣れた生活シ−ンを構成する家具や空間を,非安定性や流動性を直感させる透明アクリルで作り,そこに極細の金属線で編んだ本(テクスト)や衣服(テキスタイル)などが設置されます。両者のマテリアルが,透明や反射といった視線のよりどころを許さない特性をもつことを利用して,我々が普段,無自覚に順応している「世界」の「意味生成の構造」を 軽やかに浮き彫りにしようとします。

略 歴

1952 東京に生まれる。
1975 青山学院大学理工学部卒業
【個展】
1993 コバヤシ画廊(東京)
    ルナミ画廊(東京)
1994 コバヤシ画廊(東京)
1996 「ELEMENTAL EFFECTS'96−透過」ルナミ画廊(東京)
    「ROOM Vol.5-SPACE」 Gallery ART SPACE(東京)
1999 「THE WHITE ROOM #12」METAL ART MUSEUM
     HIKARINOTANI(千葉県印旛沼湖畔)
【グル−プ展】
1994 第23回現代日本美術展(東京都美術館・京都市美術館)
   第1回桐生有鄰調査団展(桐生有鄰館,群馬)
   TAMA VIVANT '94 (多摩美術大学,東京)
1995 第1回東京調査団展(和敬塾本館,東京)
   第2回桐生有鄰調査団展(桐生有鄰館,群馬)
1996 IZUMIWAKU PROJECT 1996
    (杉並区立和泉中学校,東京)
1997 第2回東京調査団展(和敬塾本館,東京)
1998 「BOOK-ART Vol.1」(Gallery ART SPACE,東京)