METAL ART MUSEUM HIKARINOTANI
2003年
 4月26日
 〜5月25日

4〜5月の企画展

大野公二展

The Body Wall
−体壁−

オープニング企画 2003/4/26(土)13:00〜 15:00〜 (2ステージ)

箏曲家 柳澤カツミとのコラボレーション

会 期
 2003年4月26日(土)〜5月25日(日)

作家名
 大野公二(おおの こうじ)

作家紹介
 なぜ,あなたは作品をつくるのか,と問われて正確に答えられる芸術家は一体何人いるだろうか。自らに問うてみる。現時点において答えられる唯一の返答は,それを欲するからだろうし,それすら曖昧な霧の中を手探りで歩いて見つけた一本の木のようだ。では一体なぜ欲するのか?それはきっと自らの感情やイメ−ジを外に出すことによって精神的な安定を求めているのではないだろうか。つまり,自分自身に溜まったオリのようなものを作品に込めることによってしか安定することのない人間たちが,制作という行為によってのみ救われているに過ぎない。しかし,その過程で産み落とされた残された膨大な数の作品は,時として我々の精神に何らかの作用をもたらすのも事実だ。作品を通じてコミニケ−ションが生まれるとしたらそんなことだろう。もし,心にイメ−ジがあったとしても,だれもがそれを実態化して感じることのできる形に置き直せるわけではない。しかし,残念ながらすべての芸術家が正確にイメ−ジを実態化しているわけでも,また,ない。きっと,朧げながらでもそのイメ−ジに近づくために制作と破壊を繰り返すのではないだろうか。そして,実態化することはできるのだろうか。と,自らに問かけつつ今日まで制作することにしがみついてきたような気がする。そして今後もその霧のような存在を相手に生きていくことになりそうだ。

作 品
 内容 : 彫 刻
 素材 : 鉄,木材 

制作意図
 人間の体は一体どうして生きているのか。科学的なアプロ−チでは,細胞の活動が認められる物体は生物という形をとる。では,感情や感性といった心の問題は?と問われると,現段階では脳研究の一環で論じられているが,まだ不安定な要素をかなり含んでいる。生きる,といった一見単純そうで,とても複雑な行為を飽ことなく連続している世界に我々は存在する。霊長類ヒト科の生物たちはこの連鎖のたったひとつの駒に過ぎないという現実を理解できているのだろうか。“体壁”この固体としての人間を外の世界と分ける最後の部分。我々は,もっと真剣に生を考えなくてはならない。

略 歴
1791 東京都生まれ
1993 多摩美術大学彫刻科卒業
1995 二科展入選(以降4年間入選)
    多摩美術大学大学院彫刻専攻修了
1998 妻恋高原芸術展(以降3年出品)
1999 個展 ギャラリ−ef
    個展 ギャラリ−ブロッケン
    国際芸術展(ギャラリ−・スペ−スエヌズ)
    ア−トフォ−ラム22(多摩信金本店ギャラリ−等)
    日韓国際交流展 波動 1999〜 2000
     (韓国,光州市立美術館)
2000 個展 ギャラリ−棲山荘
    ミレニアム・イヴェント ギャラリ−ef
    日韓国際交流展 波動 1999〜 2000
     (横浜,県民ホ−ルギャラリ−)
    イセヨシ・アニュアル(ギラリ−・イセヨシ)
2001 個展 ギャラリ−元町
2002 個展 ギャラリ−ef
2003 個展 Metal Art Museum Hikarinotani
     (千葉・印旛沼湖畔)
 現在,横浜中華街にて築50年の廃墟を改造したギャラリ−棲山荘を中心に活動中。