今年は徒子峪中学校の理科実験棟を建てる資金の申請をしていました。 徒子峪は興隆県の西南の貧しい谷です。小学校8校、中学校1校、前年の農民の平均収入は年720元、中学校は13クラス、530人。9年の普通教育(日本でいう義務教育)をという政府の掛け声で中学進学が増え、就学率は100パーセントに近いのですが、収容する校舎が不足しています。谷合の村は広い土地が少なく、生徒増とともに他に土地を求めて校舎を建て増してきたので、この中学の校舎は3ヶ所に分かれ、上院・中院・下院といいます。上院には、普通教室は6教室しかありません。あと7教室は下院にあります。下院にはまた学生寄宿舎があります。中院には、教員の宿舎及び図書室その他。雨の日、先生たちは傘をさして、自転車に乗って3院を往復しています。上・中院は、1970年代に建てられた、旧式の建物でどの部分も大変狭いのです。理科の実験室とは名ばかりで、正常な理科教育が行える状況ではありません。せめて理科棟の建設をと願いながらも貧しい郷では見送らざるを得なかったのです。
本来なら3ヶ所に分かれた校舎を1ヶ所に統合するのがいいのですが、それは私どもの手で出きることではありませんので、せめては、理科棟(生物・化学・物理の各実験室)の建設だけでも支援できたらと、ボランティア貯金の配分金の申請をしたのでした。これは上院の南の農民の畑を買い取って平屋の3教室を建てるのです。
理科実験棟の建築必要経費は273万円です。 ボランティア貯金の配分がだめになりましたので、この費用を当会が負担しなければなりません。毎年のことで、恐縮ですが、事情ご賢察の上、応分のカンパをお願い申し上げたいと存じます。