Daily exercises for warming up


 私の練習方法の基礎になる考え方は、いつも自分の出せる(出したい)音域の中庸なところから、楽に音が出せるようになることを前提にしています。初心者から中級者では中央の実音F(B管のソの音)から始めるのが良いでしょう。記譜で最低音のファ#から上はラの音まで出せれば、一般に出回っている譜面の半分以上は吹けると思います。その中心になる音がソになります。

では、実際にどうやって唇をほぐして行くか、以下を参考にしてやってみて下さい。

■Lesson 0

 まず、ほっぺたが膨らんでも良いので、口から強く息を吐いて下さい。その時に、おなかに一瞬力が入るのを確認しましょう。次に、今度は上下の唇を合わせ、唇と歯茎の間に息が入らないようにして、同じように息を吐きます。先ほどよりは、息は出にくくなると思いますが、できるだけ、最初の息の感じに近づけて下さい。そして、次は、同じ息の出し方で、タンギングをします。タンギングとは、息を吐きながら、tututututututututututututuと無声音で発音する事です。

 その唇の形を憶えたら、次はマウスピースを使って、音を鳴らす練習をします。先ほどの口の形を思い出して、形を整え、マウスピースを口に当て、中央の実音F(B管のソの音)を吹きましょう。この練習の事をBuzzing(バズィング)の練習と言います。最初の内は、音の高さが不安定になると思いますが、できるだけFの音を長く吹き続けて下さい。その後は、譜例に従って練習しましょう。

 できましたか?最初の内は、ピッチが不安定になったり、息の音が混じったりすると思いますが、続けてゆくうちに少しずつ安定して来ると思います。

 ですが、ここで間違ってはいけないことがあります。Buzzing(バズィング)の状態で演奏しているわけではありません。トランペットは、Buzzing(バズィング)の音を増幅しているのではないのです。

 次に、唇の形を整えて、マウスピースを使って、音を鳴らさない練習をします。唇の当て方はそのままで、鳴らす時よりも唇をリラックスさせます。tututututututututututututu-----と、息の音だけで発音しながら、徐々にマウスピースを楽器に差し込んでゆきます。差し込む途中で、音が鳴り始めます。そしてその音は明るく伸びやかな音がするはずです。

■Lesson 1

 Lesson 0が体験できたら、Lesson 1に進みましょう。
 Lesson 0で学んだ吹き方で、アタックをしないで発音できるかどうかを試します。ノーアタックで最初の音がでたら、2つ目の音は、歯の裏側に舌をつけて、柔らかなアタックを心がけてください。3つ目の音は、柔らかなアタックをして4拍間で、無理のないクレシェンドをします。残りの4拍かけて、最初の状態に戻るよう心がけて練習してください。4小節を一息で吹きますが、音の最後がきれいに終われることに、充分な注意を払いましょう。位置のエネルギーを表現することを忘れないように、高音域になるにつれて、少しずつ大きく吹くようにしましょう。

■Lesson 2
 Lesson2も1と同様に行います。低くなるにつれて、息は出やすくなりますが、だからといって、音量を増やしてはいけません。位置のエネルギーを表現することを忘れないようにしましょう。低音域になるにつれて、少しずつ、小さくなるようにコントロールしてください。

■Lesson 3
 Lesson2で出した音を、次は速いトリルで吹けるようにします。唇はできる限り、動かないようにして、はじめに出た音(ソ)をロングトーンするつもりで、延ばしてください。ソミソミはかなり難しいと思いますが、唇を緩めすぎないようにしてやっていると、唇が少しずつほぐれてきて、できるようになります。

■Lesson 4
 今度は素早くあがる練習です。唇を閉じすぎたり、息の量を増やしすぎたりしないで、あくまでもロングトーンの延長のつもりで吹きましょう。


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