□あとがき

思い付くままに演奏方や色々なミュートを書き出してみたが、まだまだあるだろうと思う。私が考案したゼフュロス(スライド付トランペット)にはもっとたくさんの可能性があると思うし、(実際、先日東京で今日のようなワークショップを行ったのだが、その中でも幾つかの発見があった。)これはCDでしか聴いたことがないのだが、(写真も見ていない)ミュータントランペットなる楽器があるのだそうで、この楽器はベルの部分がロータリーで回るようになっており、ロータリーを動かすレバーによって3つのベルが回るようになっている。(と解説にある)1つ1つのベルに異なったミュートを付け一つのフレーズの中で、音色(ミュート、エフェクターによる)を切り替ることが出来る。

 また、重音のときに少し触れたが、電気的な処理をすれば、いろいろな事が以外と簡単に出来る。例えば、ディレイ。ディレイの時間を自由に変えられるインターフェイスを使えば、ライヒのピアノフェーズの様なことは、いとも簡単に一人で出来る。また、ピッチシフターを使えば、完璧な二重奏が出来る。イコライザーを使えば、音色もある程度いじれる。というように、可能性は無限にあると言える。ただ、悲しいかな、私には電気の専門的な知識が無いので、今のところ先ほどのような演奏は実現していない。トランペット用というか、私が欲しいようなインターフェイスは、売り出されていない。ボリュームのつまみのようなもので、連続的にエフェクト音の設定を変えられる機械がないものか。しかし、普通にロックの少年達が使っているような機材(私が使っているのは、RolandのME-10というEFFECTERとPITCH TO MIDI CONVERTER、AKGのマイク)でも相当のことが出来る。専門家を仲間に引き込めれば、更に私のアイデアも拡がるだろう。

 先駆者は必ず最初は異端である。勇気を持って、新しい世界を切り開いて行くことが大切である。是非とも、私の知らない世界に、私も一緒に連れて行っていただきたい。


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