□ミュート(弱音器)
私はこのミュートという言い方は適切でないと考え、最近はサウンドトランスフォーマー(STF)と呼ぶようにしている。音を変化させるための器具である。
ストレート・ミュート Straight Mute
通常ミュート(弱音器)というと金属製のこのタイプの事を言う。同じ構造でグラスファイバーのもの、木製のもの、プラスチックのもの、様々あるが、少しづつ微妙な音色の違いはあるので、聞き分けて使っていただきたい。また金属製の物でもメーカーによって音色は違う。どこまで規定するか難しいが、聞き分けて使うのが望ましい。
カップ・ミュート cup mute
グラスファイバーかアルミ製で、ベルの先をお椀のようなもので塞いだような形をしている。お椀の内側にフェルトを張ったものは、発明者の名前をとってロビンソンミュートと呼ばれることもある。
ハーマン・ミュート Harmon Mute
マイルスデービスが多用したことで有名になったハーマンミュートであるが、中央部に小さな喇叭が付いているときは、ワワミュートとも呼ばれる。中央部を手で開けたり閉めたりすることでウワーウワーというのでこの名前がある。シラブルを変えて、演奏できる。
ソロトーン・ミュート solotone mute
ハーマン・ミュートに似た形のカップミュートの親戚とでも言えばいいのかも知れないミュートである。ソロトーンの名のとおり、個性の光るミュートである。
プランジャー・ミュート plunger mute
お椀そのものである。このお椀でベルの先を閉じたり開けたりして、シラブルを変えることによって、喋っているような効果を与える。
バズ・ミュート buzz mute
ミュートの内部にハトロン紙が貼ってあり、カズーの効果を狙っている。
プラクティス・ミュート practice mute
本来大きな音の出るトランペットの、家庭での練習用に作られたものだが、音量が極めて小さくなり、詰まったような、無理に音を出そうとするような表情を持っている。
私の自作ミュート fuzz mute
バズミュートが思ったような効果が得られなかったことから、通常のミュートの先端部に穴を開け、いろいろな素材を張り付けてみた。面白い効果が得られたのは、アルミホイルと化粧用フェースペイパーで、エレキギターのファズの様な音がする。
バケツに水を張り、ベルを突っ込んで演奏する
バケツに水を張り、ベルを水につけて、吹くと、ぶくぶくという中に、音程が聞こえる。水笛の原理である。金管楽器は濡れてもいっこうに平気なので、こんな事もできる。ちなみに、油でやってみたら、粘って大変かも知れない。