□種類

通常のトランペット Bb C D Eb F G 管の長い方からBb C D という順番で徐々に音色はカン高くなる。F G は殆ど使われない。後述するピッコロトランペットと音色に於ても余り大きく変わらないことに起因する。

ピッコロトランペット 

20世紀になって、主にバロック期の曲を演奏するために考案された。Bb A のキーである。バロック期によく用いられたD-Durの演奏には A管で対応することが多い。オーケストラでは展覧会の絵の貧乏人のソロや春の祭典、ボレロなどこの楽器で高音部を演奏する。金管楽器を触ったことの無い作曲家の中には、ピッコロトランペットは通常の楽器に比べて管が半分の長さであることから、普通に吹いて1オクターブ高い音が出ると思う方もいらっしゃるようだが、金管楽器は唇の振動を楽器に伝え、増幅する楽器であるので、倍音列は確かに1オクターブ分変化するが、音域はそれほど拡大しない。フルートとピッコロのようには扱えないので、念のため。

コルネット 

19世紀にサクソフォーンの考案者でもあるアドルフサックスによって考案された。正確にはコルネット・ア・ピストンといって、ピストン付きのコルネットという意味。コルネットとは後述するツィンクの事を指す。構造的には円筒管と円垂管の割合がトランペットと違っている。円筒管の部分が多い直線的な音色を持つトランペットに比べて、円垂管の部分が多いコルネットは、拡がりのある柔らかな音色を持っており、叙情的なフレーズを演奏するのに適している。特にイギリスではこのコルネットによるバンドが発達し、金管楽器と打楽器だけでオーケストラの名曲を演奏したりしている。Bb とEb の2種類がある。フランス、ベルリオーズ以降の作品には殆ど使われているが、トランペットと同時に使われると、柔らかな音色のため聞こえにくく、奏者が嫌がったり、指揮者の無知によることもあるが、トランペットで代用することも多いようだ。

フリューゲルホーン 

これもコルネットと同じくアドルフサックスの作である。円筒管と円垂管の割合はコルネットとほぼ同じであるが、円錐部の拡がり方がより極端なため、より柔らかで、芒洋とした響きを持つ。ユーフォニウムと言う楽器を御存知の方も多いと思うが、それの高音版といった趣である。より肉声に近いといった印象から、ジャズのアドリブプレーヤーに珍重されている。Bb 管である。

ツィンク 

古楽器である。古くはコルネットとも呼ばれた。近年の古楽器復興の傾向から注目され始めた。リコーダーにトランペットより小さめのマウスピースがついている物を想像すると、近いイメージになる。

ゼフュロス (クリックして下さい)

1993年、曽我部清典氏によって考案された。トランペットとトロンボーンの機能をあわせ持つ楽器である。右手でピストンを左手でスライドを(やろうと思えば)同時に使うことが出来る。以前アメリカのホルトン社から似たような楽器が売り出されたことがあるが、スライド部も短く、音程、操作性とも良くなかったので、廃れてしまったようである。このゼフュロスはピストンを使用しない場合、7ポジションまでスライドがあり、ソプラノトロンボーンとしてだけでも演奏できる。トロンボーンでは自由に使えなかったグリッサンドも完全四度の範囲であれば、制約なしに使うことが出来る。キーはBbと C をスライド部の交換によってカヴァーしている。


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