オンライン・レッスン No. 9


EBAKOS ON LINE LESSON NO.9

アーバン金管教本を使って(1)

前回は音の高さのエネルギーを上手く表現しましょうということでした。

大変重要なことで、ややもすると忘れがちな事柄について、触れておきます。 音の高さを表現するということでしたが、ここで間違えないで欲しいのは、 その音程にたいして唇の形を用意し過ぎてはいけない、ということです。 音が出ている最中も唇は閉じたり、開いたりしていることを忘れてはいけません。 常に、唇は、息によって開かれているのです。 唇の筋肉は息に対して、常に受け身であるということです。 息が出ている状態で、振動しやすい形になることが重要です。 高い音を吹くといって、唇を強ばらせていたのでは、豊かな音質は望めませんし、 そのままで低い音は出ませんよね。

逆に低い音だからといって、唇を緩め過ぎてしまっては、次に高い音に登れないし、 音程もぶら下がってしまいます。 基本的に中音域(実音Fか、その上のBb)の吹き方で、 全音域を吹くつもりでいることです。

さてさて、今回からは譜例を使って、実際どのように演奏したらよいかについて、 レッスンしたいと思います。

アーバン金管教本1の巻の13ページを見てください。

呼吸直後のタンギングとフレーズの中でのタンギングについて考えます。 技術的なポイントとしては、ブレス直後のタンギングと演奏中のタンギングの質が 同じになるようにすればよいのです。 タンギングとは舌を使って発音することなのですが、 最初のうちは舌と息のタイミングが仲々合わない。 初心者に限らず、ウォームアップの時は、 舌を歯の裏側に「付けて」から「離す」ようにする事をお勧めします。 そうすれば、息を塞いだ舌を歯から離した瞬間に、閉じた唇の間から息が出て、 その息が唇を震わし音になるようになる。

演奏中のタンギングについても、始めのうちは舌を歯につけた後、 離すようにすることによって、息とのタイミングが合うようになります。 舌が歯に付いている間は、息が出ないので、音の間に休符が入ることになりますが、 タンギングが均質になるまでは、この方法でやってみてください。 この方法に慣れる事によって、 休符を入れなくても同じタンギングが出来るようになり、 更に速いパッセージの際も、クリアなタンギングが得られるようになる。 兎に角一つ一つ丁寧にタンギングして欲しいとおもいます。 ソーソーと演奏する時(tu-tu-とタンギングするのだが) 同じtu-になれば良いというだけのことなのですが、 誤解の無い様上手く(言葉で)表現するのは難しいですね。

私の稚拙な日本語表現の中から、その真意を汲み取っていただきたいと思います。

<譜例no.1> 2小節おきに息継ぎをしてください。

<譜例no.2> できれば、4小節おきに息継ぎをしてください。

アーバンは最初の練習曲として、ここに挙げた二つの曲を用意しています。 勿論その譜例には、息継ぎのマークが掛かれていますが、 全くの初心者でない読者には、譜面にあるようなブレスマークは不用です。 何故なら、詳しくは後述しますが、 ブレスとは、息継ぎをするという意味だけではなく、 音節(フレーズ)を区切る意味もあるので、2小節、または4小節おきに、 (私が示したブレスマークのように)息をとるようにして練習してください。 タンギングだけではなく、音量にも注意して、 この練習曲を自分のものにしましょう。

譜例no.3以降は、次回に。皆さんのご意見お待ちしております。


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