オンライン・レッスン No. 8


EBAKOS ON LINE LESSON NO.8

今回は音の位置のエネルギーについてお話しします。 これは、音楽の深いところにも関係するお話ですので、 きちんと身に付けてください。

今まで地球上に現れた音楽の大半は緊張と弛緩の繰返しで出来ています。 緊張が増すときは、次第に音量も大きくなり、音の高さも上昇してゆく場合が多い。 何故でしょうか? それはその音自体が持つ力が音が高くなるに連れ増大してゆくからです。

例えば、ここに同じ大きさのボールが二つあります。 それを、一つは、おなかの辺りから、もう一つは頭の辺りから、落とします。 すると、おなかの辺りにあるボールよりも、頭の辺りにあるボールの方が、 大きく弾みますよね。 おなかの辺りにあるボールよりも、頭の辺りにあるボールの方が、 大きな力を持っていることになります。 これと同様のことが、音の高さにも(原則として)当て嵌まります。

ここでは音の持つ位置のエネルギーを、適切に表現してゆく方法を学習します。

ソ-ド-ラ-ファと演奏する時、ソという音とドという音の大きさが決まったら、 ラの音量もファの音量も、ある程度、決まってしまう。

もし仮にソの音とドの音を同じ音量で演奏したら、 その音楽は無機的なものになるでしょう。 そうした表現はそれなりの音楽のときに使えばいいのであって、 通常の音楽の場合、ドの音を少し大きく演奏するのが、 自然な音楽を感じさせるのです。

またソの音よりドの音を小さく演奏した場合、 不安感や次に現れるであろう大きなテンションの存在を予感させます。

この様に音の高さと音量には密接な関係があり、 そのことは音楽を表現するための大きな要素です。

音の高さのエネルギーを確実に表現することは、 奏法上にも大きな利益をもたらします。 例えば低音域の場合、息の通る穴、すなわちアパチュァは横に広い形になっています。

高音域は反対に横に狭い形になります。 従って低音域は息が出やすく、音量も大きくなりがちです。 高音域は息が出にくく、大きな音は難しい、息が出にくくなるためです。 そこで、下降形に対してディミヌエンドすることによって、 呼吸をコントロールすることを身体は覚えるのです。 上昇形に対して、クレッシェンドすることにより、 息を吐こうという基本的な力と、それを支える唇と頬、顎の筋肉が鍛えられる。

その力が十分備わったとき、初めて、 低音域の強音や、高音域に於ける弱音がコントロールできるようになるのです。

さて、理屈が解かったところで、実践です。 身近にあるエチュード、何でも構いません。 なるべく、音の長いもの(全音譜で書かれている練習曲)を、 先ほどの原則にしたがって吹いてみましょう。

この先はある程度練習曲を前提にレッスンを進めて行こうと思っておりますので、 ご興味のある方は、アーバン金管教本の購入をお進めします。 内容といい、価格の安さといい、手に入り易さも含めて、最も適切な本だと思います。

続けて参考になさりたい方は、次回までに購入されますようお願いいたします。


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