オンライン・レッスン No. 6-2


EBAKOS ON LINE LESSON NO.6-2

前回では、タンギングの基本について勉強しました。 中音域で、むりなくはっきりしたタンギングができるようになりましたか? 西洋音楽では、全ての音ははっきりと発音することが原則です。 息を吸って吐くタイミングを、 舌を一度歯に付けることによって合わせようというのが、前回の狙いでした。

今回は、少し踏み込んで、色々なアーティキュレーションへの対応を考えます。

マルカートとアクセント 一番間違いを犯しやすいのが、マルカートとアクセントの違いです。 時に一音一音おなかが動いている奏者を見かけることがありますが、 この人は全ての音をアクセント付きで演奏していることになります。 アクセントは発音する時、息をおなかで押して演奏します。 マルカートは舌をすばやく動かすことによって、はっきりと発音して演奏します。 おなかで息を押してはマルカートになりません。 そのことでフレーズの流れがぎくしゃくします。 すばやく舌を引くように心掛けてください。

スタッカート

スタッカートは音を短く切って演奏することですが、 この場合も息をおなかで押すことはしません。 舌だけが動くようにしてください。 うまく伝わるか心配ですが、カタカナで表記すると、 タン という感じでしょうか。 テンポによって「ン」の位置は変わってきます。 速いパッセージでは、殆ど聴き取れなくなります。 「ン」と言っている間にすばやく舌を歯に付けます。 そして、次の音に備えるのです。 ついでに申し上げますが、その間に次の音の指(ピストン)を押さえます。

テヌート

テヌートとは、その音を充分に延ばすというように楽典の本には書いてあります。 しかし、この記号ほど国の違いによって演奏法の違う記号はありません。 一番大きく違うのはフランス音楽とドイツ音楽に於てです。 ここではこの大きく違う二つの国のテヌートの演奏法について話します。 まず、フランスでは、音の終わりまで音を延ばすと言った表現はしません。 多少減衰の度合いを増す程度で、普通の音の延ばし方に弱めのアクセントを 付けた感じで演奏すると、テヌートになります。 これは、言語から来るものが多分にあると思われますが、 フランス語には長母音が極めて少なく、彼等の発音(シラブル)の中に、 延ばす音がないためと思われます。 次にドイツ音楽のテヌートの演奏方法ですが、充分に音を延ばした後、 次の音の用意のため、次の音の前に一瞬音がなくなります。 これは、非常に勤勉実直なドイツ人は、次の音のために舌を用意する ためではないかと思われます。 また、ドイツ語には非常に長母音が多いこともその理由に上げられるでしょう。

レガートタンギング

通常スラーの中ではタンギングはしないことになっていますが、 レガートタンギングができれば、スラーの中の重要な音に対して、 タンギングをしても、問題はありません。 フォルテのトゥッティの時などは、レガートの場合でも、 意識してレガートタンギングをします。 このように演奏することによって、トゥッティでも埋もれる事のない レガートなフレーズが演奏できます。

前回までにも述べましたが、息を吸い、舌を放せば、閉じた唇の間から、息が出て、 唇を振動させる、メカニズムが理解できていなければ、 自分のイメージした音は出ません。

まず中音域から、様々なアーティキュレーションで吹いてみましょう。 トランペットの場合、ソ(実F)の音から始めるのが良いでしょう。

皆さんからのご質問をお待ちしております。


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