オンライン・レッスン No. 19


EBAKOS ON LINE LESSON NO.19



リップスラー強化編

リップ・スラーの口腔のメカニズム、少しずつ理解して頂けているでしょうか?
肺から出た空気は、細い気管の中を通って、口腔までやってきます。
そして、通常は、ここで息の流れが「淀む」事になります。
「淀んだ」息は、静かに、唇を震わせながら、唇の隙間を通って、楽器の中に出て行きます。
リップスラーというのは、口腔の広さを調節してやることによって、この「淀み」の度合いを変えてやることで、倍音の間を、滑らかに移行する技術のことを言うのです。
倍音のより高い音に移行する場合は、舌の位置を変えて、口腔を狭める事により、息が余り淀まないようにします。
低い音に移行する場合は、唇の両端を緩め過ぎないように注意しながら、舌の位置を変えて、口腔を広げてやります。
うまくイメージできないという方は、口笛を吹いてみましょう。
その時の舌の動きに注目して下さい。
高い音を出そうとすると、舌の奥歯辺りの部分を、上顎に近づけていると思います。
これが、何度も言うようですが【yi】と発音する形になります。

さて、メカニズムが解ってきたら、これを強化するための練習をしなければなりません。
一度出来るだけでは、ダメなのです。

44ページを開きましょう。真っ先に飛び込んでくるこれらの幾何学模様に、皆さんは、まず、うんざりされるのではないでしょうか?しかし、ここでへこたれていたのでは、明るい未来はいつまでたっても見えてきません。これは筋肉強化トレーニングなのです。頑張ってゆきましょう。

譜例16から21を見て下さい。速度記号では、四分音符=116とか112to124となっていますが、初心者には、まず、このテンポは不可能です。私とて、譜例21をこのまま吹ききる自信はありません。ブレスもしなくてはなりませんし。


そこで、私は生徒に次のようなやり方を勧めています。まず、テンポは四分音符=80にします。もちろん、16番はゆっくりの方が、きついです。ここで、以前やったロングトーンの練習がものをいってきます。14ページの7番から10番を吹き通せた人には、さほど苦しい練習曲ではないと思います。4小節を一息でふけるように、練習して下さい。
譜例17も同様に4小節を一息で練習します。ブレス記号を譜面に書いて下さい。しかし、最初の内は高音域になると、お腹や背中に力が入りすぎて、短い間で息を取るのが難しくなります。一度、力を抜かないと、息はスムースに体の中に入ってきてくれません。そこで、そういう人たちのために、ブレス毎に2拍のお休みを入れます。1拍目で残った息を吐きながら、身体の力を抜いて下さい。2拍目で、曲を始めたときのように、息を吸って下さい。
この17番の練習曲では、そのお休みを1拍にしたり、最後は無くせるように、練習しましょう。


譜例18も同様です。4小節毎に2拍お休みをし、きちんとブレスをして、身体の力を抜きながら、練習してゆきましょう。
譜例18・20・21も同様に練習します。速くなると、舌の動きがついてこられない人が居ると思います。その時は、口笛で同じ音程を吹いてみて下さい。その舌の動きが、リップスラー上達の鍵を握っています。
ローマは一日にして成らずと言います。これらのような練習曲は、まさに、こつをつかめばすぐに出来るようになる類のものではありません。毎日の少しづつの積み重ねが、明日の自分を作るのだと思って、頑張りましょう。

46ページ譜例22は、各段を一息で練習します。テンポはこれまでと同様、譜例21などと同じ速さにします。そして、位置のエネルギーの原則を忘れないように、各段が、位置に応じて、「相似」の関係になるように、音量を設定して下さい。最初の内は、なかなか最後の段まで、たどり着けないと思います。そういう時は、各段の間に一小節間の休符を入れて練習しましょう。出来るようになったら、もちろん、続けて練習して下さい。

譜例23にも、頑張ってトライしましょう。このパターンについても、譜例22と同じリズムでやってみるようにして下さい。
これ以降、49ページの譜例30までは、リップスラーの応用編です。とにかくチャレンジ精神で頑張って下さい。システムが解ったら、「習う」より「慣れろ」です。

みなさんからのお便りを待っています。


オンライン・レッスン No. 18に戻る

オンライン・レッスン No.20に進む

オンラインレッスンQ&A(番外編)に進む

目次に戻る

EBAKOS出没情報へ


Exclusive rights reserved. Last update 11/18/1999
Site authored & maintained by ebakos@jade.dti.ne.jp