2002.03.07.
★FM新潟 [MUSIC BOOK]★
キリンジ特集(インタヴュー)


「最終的に、ミュージシャンは、出した枚数で評価が決まると
 思ってるので(笑)。」

番組レポ(BBSより)/GENさん

2月12日、キリンジ新潟公演(@CLUB JUNK BOX)の前に収録された、トーク中心の30分番組。

♪「双子座グラフィティ」

アナ(以下ア)「それでは、今日のMUSIC BOOKのゲスト、2002年にお会い
        したかった人No.1、キリンジのお二人です。」
ア「 ツアーの時は、各地で街を歩いたりする時間とかはあるんですか?」

泰「人によりだよね。」
高「僕は割りと早く起きるんで、ぶらぶらするんですけどね。」
泰「僕は殆ど起きないすね。コンビニ行くぐらいすね。よっぽどの余裕がない限りは。
  だいたい寝てるか。」

ア「新潟の街は今まで何回かいらしていて、どんなイメージですか?」
泰「街中は実はまだあんま知らないんすけど。どんな街なんだろう。」
高「(信濃)川を挟んで、古町とかあの辺と、こっち(FMがある万代)側と、
  2つ街がある感じの印象がありますね。」

ア「高樹さんは、新潟でどっかフラフラと歩かれたりしたんですか?」
高「ずっと前、かせきさいだぁ≡のツアーのサポートで来た時、結構ブラブラして。
  ボヤーって歩いていると、すぐ(会場に)着いちゃいましたけどね。
  あと、あの(レインボー)タワーの所でフリー・マーケットとかやってたのを覚えてます。」

ア「気候的にはどうですか?」
二人「寒いですね。」
泰「夏来た時は暑かったような。」
高「そうそう、”暑くて寒いのかよ!”(笑)って思ったんすけど。」

ア「お二人は、どの季節が一番好きなんですか?」
泰「暑いよりは寒い方が好きですけどね。夏以外は好きかな。」
高「僕もそうだったんですけど、最近、(冬は)着込まなきゃいけないってのが
  最近面倒くさくなってきて。薄着の方が楽でいいなと。」

♪「野良の虹」

ア「アルバム「Fine」は、セッション形式の録音など、新しいものをドンドン
  取り入れていこうとしている感じがうかがえるんですけど、
  そうした理由というのは何かあるんですか?」

泰「んとね。理由は特別ないんですけど。なんとなく面白そうな事を普通にやっているだけですが。」
高「同じことをずーっとやってても、聴いている人も僕らの方も飽きちゃうだろうし。
  例えば、”キリンジというのはこういうサウンドだよね”っていう認識があって、
  そういうものを求められたりするわけですね。お客さんからもレコード会社からも。
  そういう時に、求められたことするのも楽しかったりするんだけど、それは
  言ってみれば自己模倣なわけで、自分のやった事をもう一回真似するみたいな
  ことになってしまうから、作り手としてはあまり健康的ではないというかね。
  自分が今までできなかった事とか、作れなかったような曲、やらなかったような事をドンドンやっていく 方が、
  いろいろ刺激になって、次も新しいものを作ろうという気分になるんですよね。」

ア「お二人はご兄弟ということで、そうした新しいものをやっていこうという時に、
  対立みたいものとかはないんですか?」
二人「対立というほどのことはないですね。」
泰「基本的には、好きなようにやる、お互いを尊重して。という心構えではいるので。
  あと、冨田さんというプロデューサーが、うまく両方のやりたい事をやらせながら、
  全体としてキリンジの音にしてくっていう。三人でバランスは取れてる感じはしますけどね。」

ア「私も年子で弟がいるんですけど、ちいさい頃は、上からみると、その下の弟というのは、
  なんとなく子供ごころに「邪魔者が来た」みたいな感じがあったんですけど、高樹さんはどうでした か?」

高「年子というのは微妙ですね。僕らは三つ離れてるから、差があって、
  そういう感じはあまりなかったですね。」

ア「仲のいいご兄弟だったんですか?」
二人「そんな仲よくはなかったよね。特別、一緒に遊んだりはしなかったね。」
泰「大人になってから。24ぐらいで、一緒に音楽をやるようになってからですね。」

ア「ご実家が、私の実家のすぐ近所で、小さい頃の埼玉って、周りに自然が一杯ありましたよね。」
泰「そうすね、川原、田んぼ。」
高「あと、住宅地があって」
ア「そういった子供心に映った風景とかが、作品の中に織成す歌詞とかすごく表れたりします?」
泰「なんらかしら、出てるとは思いますけどね。ただ、意図的にというのはないんですけど
  気がつくと、どうしてもずっと目にしてきた風景なんで、出てるとは思いますね。
  川原の土手の感じとかね。」
高「あと、関越高速道や、それを中心に走っているバイパスとかの風景が、しみついてますね。」

♪「グッデイ・グッバイ」

ア「ツアー終了後は、すぐに制作に入るご予定ですか?」
高「ちょっと休むのかな。」
泰「僕らそのものがものを作る活動に入るんじゃないすかね。具体的にスタジオ入るとかじゃなくて、家で曲 を書きためるとかね。」

ア「お二人のオフの一日ってどういう感じですか? 泰行さんはお酒好きだそうですが。」
泰「そうなんですよね。去年はだいぶ飲みすぎちゃって。今年も体調に良くないって
  言われそうで。ま、今年はあまり飲まないようにしようかなと思ってて。」
高(笑)
泰「でも、だいたいオフの日って、他人から見たら、退屈だと思いますよ。
  ただ、起きて、メシ食って、ギターぼろぼろやって、TVみて、とかそんなの繰り返しですよ。」
ア「だいたい何時頃起きられますか?夜型ですか?」
泰「だいたい昼ぐらいには起きなきゃと思いつつ、だんだん遅れて、夕方になってしまう
  こともあるんですがそれじゃイカンなと。今年からは、だいたい11時頃には、
  ちゃんと起きてようかなと。」
高(笑)
ア「2002年は健康的な毎日を過ごそうというのが目標という感じに聞こえたんですが。」
泰「そうですね、もう少し時間を有効にうまく使おうと、子供みたいな事を考えてますけど(笑)」
高「(笑)まるいグラフみたいの書いたら。”すいみん、おふろ”とか。」
ア「高樹さんは?」
高「僕はだいたい9時ぐらいには起きるようにはしてるんですよ。」
ア「なんか、すごく規則正しい、計画的な毎日という感じがしますけど。」
高「そんなでもないすけどね。ただ、寝すぎると、頭がボーっとしてくるのと、あと年齢の
  せいですかね、1日8、9時間寝ると、太ってくるんですよ。アルバム作り終わって、
  1週間そういう生活をしてたらなんかプクプクしてきちゃったな、また、みたいな
  感じで。今年入ってから、7時間以上寝ない、6時間ぐらいで眠いぐらいにしとく
  という方がいろいろ体調がいいという。」
ア「なんか、すごくガッシリした体格ですけど。」
高「意味なくね(笑)」
ア「なんかでもスポーツされてるのかなと思ったんですけど。」
高「スポーツねぇ。ちょうど成長期に水泳とかバスケとかやってたんですが、中3ぐらいから音楽を始めて
  それから一切スポーツには興味なくなったんですけど。(ガッシリしてるのは)
  そのせいじゃないですかね。」
ア「動こうという気は2002年はあまりない?」
高「でもね、僕、結構歩くの好きで、2、3時間普通にバンバン歩いて、どこでも行きますね。」
ア「東京で、お気に入りの散歩コースってありますか?」
高「最近気に入ったのが、小石川っていう、文京区の、植物園がある、後楽園のそば
  なんですけど、東大の何学部がわかんないけど、敷地に、いろんな植物があって面白いですね。」
泰「植物、面白い?!」
高「いや、面白いよー! すずかけの木とか知ってます?」
泰「(笑)知らないよ。」
高「ボンボリが枝から一杯ついてて、結構デカイ木なんですけど、見上げると
  ビッシリついてて、それがスゴイなと。
  文京区が今、気に入ってるんですよ。・・・ 文京区の話で、あんまり盛り上がんないですね(笑)」

ア「次の作品の計画は、まだ見えていないですか?」
泰「いまんとこ、具体的には。」
高「たぶんツアー終わってから、考え始めると思いますけどね。」
ア「何かチャレンジしたいものというのは、お二人の胸のうちにはあったりするんですか?」
高「んー。何か、一回、同じメンバーでアルバムを1枚作るとかね。ドラムとベースが同じ人とか。
  楽しいかなって思うんですよね。あんまり余計な事悩まなくて済むし。
  とかっていうような事を漠然と思ったりしてるんですけど、どうなるかはわかりません。」

♪「エイリアンズ」

ア「最後に、お二人に会ったら、是非お聞きしたい事があったんですけど、
  お二人の人生の、大きなスパンで見た、野望みたいなものはありますか?」

二人「難しいすね。」
泰「僕は音楽の話になるんですけど、当たり前ですけど、好きな音楽をずっとやっていたい。
  やっていけたらいいなというか。そういう風にやっていこうとは思ってるんですけどね。
  ま、そんくらいですけど。」
高「僕もそんぐらいですよ。自分の名義で作品を出せるような状況にずっとあればいいなと。
  アレンジャーになったり、職業作曲家になったりしますよね、ミュージシャンって、年取ると。
  そういうんじゃなくて、普通に堀込高樹なり、キリンジなり、そういう名義で、
  作品をコンスタントに出していくっていう。
  大概、40とか越すと、作品を出すペースが遅くなっていくじゃないですか。
  そういうのをあまり気にせず、作品を出す間隔をあけずに、1年半で1枚ぐらいで、
  出していければいいという。
  最終的に、ミュージシャンは、出した枚数で評価が決まると思ってるので(笑)。
  『出した枚数100枚。こんなに出してるよ、ばかじゃないのコイツ』みたいな
  感じがいいかなって(笑)。」
ア「でも、枯れたりするんじゃないんですか? 心配なんですけど、老婆心ながら。
  枯れる気配は全然?」

高「いや、わかんないすけど、どうなんでしょう(笑)」

♪「雨は毛布のように」

ア「お二人は、音楽以外で、すごい興味あることってあまりないですか?」
二人「あまりないですね」
泰「くう・ねる・あそぶぐらいしか。」
高「関心がないわけじゃないんですけど、いろんな細かい事が気になったりするんですけど。
  関心あるって言っていいのかどうかわかんないものだったりします。」
ア「ちなみに、今、一番、気になっていることって?」
高「スター・バックスのカップのふたがあるじゃないすか、細い溝があるでしょ、
  あそこから飲みますよね。あれが嫌なんです! 缶ビールで、じゅるじゅるじゅるじゅる、
  飲むのって、いまいちだと思うことがあるでしょ。あれと同じなんです。
  穴でズーズーやっても、よくない、行儀が悪いって思ってんですけど。
  だーれも、賛同してくれないんですよね。」
ア「私も、あの小さい穴から飲んでると、こぼしますけどね。」
高「あれ、変でしょ?」
ア「泰行さんの気になっていることは?」
泰「(油断していて)ん!気になっていること?なんだ、今ので終わりかと思った。
  最近、コンビニとかで、お菓子でおまけがついてくるのが増えていて、
  僕、松本零士のやつとか買ってて、集めたくなったとたんに、次のシリーズに変わってて。
  回転率が早すぎるんですよ。商品の盛り上がりと盛り下がりが。
  だからもう、松本零士のやつは家の近くのコンビニには売ってなくて、結局、中途半端なとこで。
  メーテルとクイーン・エメラルダスしかいない。キャプテン・ハーロックがいないという。」
高「あー、それは盛り上がんないね。」
泰「あと、変な鳥しかいなくて。」
高「トチローがいればよかったんだけどね。」
泰「そうそう。」
ア「鉄郎とあの車掌さん二人だったら、メーテルとクイーン・エメラルダスの方が素敵な感じしません?」
泰「でも、どうも、真ん中がいなくて、名脇役ばっかていうのもね。コレクションとしてはやだなと。
  いろいろ見るようにはしてるんですけど。企業はもっと長くやってほしいすよ。一斉に商品の入れ替え
  するので、困ってて、どっかないかなーつってんですけど。」
ア「今、最後に、お話をうかがっていて、こんな所にも、お二人の性格が表れているんじゃないかと。」
高「”小さい”ってことですか? 小さいことにこだわるっていう(笑)」
ア「いやいやいや、お二人の日常が、ラジオの前のファンの方にも垣間見えたのではないかと。」
高「そうですか、それはよかったです(笑)」
ア「今日は、ライブ前のお忙しい所をありがとうございました。引き続き心を込めて応援させて頂きます。」
二人「ありがとうございました。」

2003.02.12. up



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