「舞」 〜橋本國彦歌曲集
藍川由美 (ソプラノ) 花岡千春 (ピアノ)
    曲 名         詩 人曲 名          詩 人
 なやましき晩夏の日に 

 牡丹 

 薊の花 

 お菓子と娘 

 黴 

 斑猫 

 舞 

 富士山見たら 

 旅役者 

 百姓唄 

 北原 白秋 

 北原 白秋 

 北原 白秋 

 西條 八十 

 深尾須磨子 

 深尾須磨子 

 深尾須磨子 

 久保田宵二 

 北原 白秋 

 北原 白秋 

 親芋子芋 

 田植唄 

 スキーの歌 

 母の歌 

 國民協和の歌 

 勝ちぬく僕等少國民 

 かたみの手風琴 

 朝はどこから 

 乙女雲 

 アカシヤの花 

 浜田 広介 

 林  柳波 

 林  柳波 

 板谷 節子 

 中央協和会・大政翼賛会 

 上村 数馬 

 楢崎  勤 

 森 まさる 

 藤浦  恍 

 松坂 直美 

録音:1997年7月9日・10日(田園ホール・エローラ)      カメラータ 30CM−532


カメラータ 30CM−532
 天才・橋本の作品が忘れ去られるようでは「日本歌曲」もおしまいだ。
 フランス印象派ばりの和声で彩られた橋本國彦の作品の中でも、昭和3年の《黴》《斑猫》《笛吹き女》と昭和4年の《舞》は、ドイツの機能和声に支配された当時の日本音楽界に大きな衝撃を与えた。
 ところが、昭和9年から12年にかけての欧米留学から帰国後は、日中戦争及び太平洋戦争の影響で、時局音楽の作曲依頼ばかり。橋本は数少ないオーケストラ作曲家の一人として、また指揮者やピアニストとして活躍した。そして戦後は東京芸術大学を追われ、失意のうちに病死してしまう……。
 結果、すでに橋本が昭和初期に確立していた日本語の朗誦法は、次の世代に受け継がれることなく放置されてしまった。
 生きた時代が違っていたなら、もっと多くの優れた日本の歌を残してくれたに違いないと嘆息するのは私一人ではないだろう。
(藍川由美)

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