藍川由美 (ソプラノ) /中野振一郎 (チェンバロ)
曲 名 作 詞 | 曲 名 作 詞 | ||||
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録音:1999年1月8日・9日(横浜みなとみらい小ホール) コロムビア COCQ−83152
![]() コロムビア COCQ−83152 |
クラシック畑の日本の歌を歌っていると、「日本の音」「民族の声」といったものを模索した作品に出合うことがあるが、大抵の場合、「古賀メロディー」の方が「ふし」としての完成度が高いと感じる。 古賀政男は、その作品が「古賀メロディー」と呼ばれていることでもわかるように、線的美を追求した作曲家であった。 ところが、近年、「古賀メロディー」の真髄ともいえる日本の伝統的な唱法に立脚したユリやコブシの歌い方が崩れてきているようだ。 おまけに、こうしたユリやコブシはその時の気分で即興的に歌われるものだ、などとのたまう評論家まで出てきた。が、民謡ならともかく、少なくとも「古賀メロディー」の場合、すべての節回しは楽譜にきちんと書き込まれており、古賀自身が歌った音源とも完全に一致する。 なら、勝手に歌い変えられた「ふし」は、「古賀メロディー」とは呼べないのでは? そんな思いからこのアルバムを企画し、楽譜を忠実に再現しようと試みた。また、平均律ではなく、日本の伝統的な音階で歌うべく、チェンバロを雅楽の振動数で調律している。 (藍川由美) |