キング KICC−212
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ピアノ:花岡千春
録音:1996年11月12日・13日(光が丘 IMA HALL)
![]() キング KICC−212 | ヴァイオリン演歌のように即興性があり、固定されない流行歌ではなく、メロディーやコードなど楽譜で固定された部分が多い流行歌の始まりを大正3年の《カチューシャの唄》と見るか、大正10年の《船頭小唄》と見るか、いずれにしても中山晋平の作曲である。そして晋平は、大正の童謡運動に続き、昭和3年の《波浮の港》の大ヒットで新民謡ブームを巻き起こす。昭和に入ると、放送局が主導権を握るようになり、巷に氾濫するエログロナンセンス的な流行歌と一線を画すべく「歌謡曲」という呼称が使われ始めた。 このアルバムでは、そんな昭和初期から昭和40年までの歌を取り上げている。 激動の昭和、人々はどんな歌を選び、歌ってきたのか。 戦地に赴く友におくった《惜別の唄》、戦中に作られながら戦後の焼け跡の中で歌われた《リンゴの唄》など、歌はいつも人とともにあり、時代を象徴している。 (藍川由美) |