中山晋平作品集
「ゴンドラの唄」
藍川由美
カチューシャの唄 ゴンドラの唄 さすらひの唄 煙草のめのめ 酒場の唄 船頭小唄 旅人の唄 |
波浮の港 出船の港 鉾ををさめて 天龍下れば
てるてる坊主 |
黄金むし シャボン玉 露地の細道 背くらべ あの町この町 木の葉のお船 兎のダンス |
雨降りお月 雲の蔭 證城寺の狸囃子 あめふり 蛙の夜まはり キューピーピーちゃん 皇太子さまお生まれなつた |
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録音:1996年4月5日・6日(仙台市青年文化センター)
ピアノ:花岡千春 カメラータ CMCD-20063

カメラータ CMCD-20063 |
中山晋平なくして今日の歌謡曲も童謡もあり得ない。
島村抱月の書生をしていた彼は、その洋行帰りの早稲田大学教授から、いつも「芸術というのは大衆あってのものだ」「ヨーロッパの人たちは伝統を大事にする」「日本人の古来の伝統を見失ってはならぬ」と聞かされていた。 しかし、晋平が通う東京音楽学校は日本における西洋音楽の総本山のような場所で、まさにここから日本古来の伝統を捨てた唱歌教育が始められた。 「わらべうた」の復興を唱えた白秋に呼応するように、晋平は音楽の上で、古来の手毬唄や羽子つき唄のリズムである「ピョンコ節」を用いた。 残念ながら、われわれ日本人はさまざまな音楽の流入とともに、このリズムの本来の姿を見失いつつある。だが、晋平があれほどまでに固執したリズム感を忘れてしまっては、「日本のうた」を歌う意味も色褪せてしまうことだろう。
(藍川由美)
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