日本の童謡  あの子はたあれ  ―― 藍川由美

かなりや

叱られて

十五夜お月さん

七つの子

青い眼の人形

赤い靴

揺籃のうた


夕焼小焼

おもちゃのマーチ

月の沙漠

春よ来い

絵日傘

花かげ

うれしいひなまつり


かもめの水兵さん

赤い帽子白い帽子

あの子はたあれ

仲よし小道

リンゴのひとりごと

船頭さん

里の秋


みかんの花咲く丘

やぎさんゆうびん

少年探偵団のうた

月光仮面は誰でしょう

サッちゃん

いぬのおまわりさん

ゲゲゲの鬼太郎

録音:1996年10月15日・16日 (和光市民文化センター)
ピアノ:花岡千春                                    キング KICC−211


キング KICC−211
 大正7年7月の『赤い鳥』の創刊に集った詩人・作曲家たちは、難解な文語体による学校唱歌を激しく非難し、子供の芸術心を養う童謡の創作を目指した。
 この気運は、翌8年5月号に、はじめて、作曲された童謡《かなりや》の曲譜を掲載してから盛り上がりを見せ、大正8年10月には『小学男生』『小学女生』、11月には『金の船(のち『金の星』)』と類似誌の創刊が相次いで、童謡の黄金時代が築かれた。
 中でも『金の船』で活躍した野口雨情は、北茨城の風土や言葉を背景とした独自の作風で、主に中山晋平とのコンビで多くの名作を残している。
 “チックタックチックタックボーンボン”と歌われる《早起き時計》は、彼らの《キューピーピーちゃん》にそっくりだし、晋平が雨情の「證城寺の庭は月夜だ」という詩を、「證、證、證城寺」「ツ、ツ、月夜だ」と改作して物議を醸した《證城寺の狸囃子》なくして、のちの《少年探偵団のうた(ぼ、ぼ、僕等は〜)》や、《ゲゲゲの鬼太郎(ゲ、ゲ、ゲゲゲのゲ〜)》が生まれたかどうかはわからない。それほど、彼らの影響力は大きかった。
(藍川由美)

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