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童謡ジャズCD「かつて童謡ジャズがあった」


Akora Label AKCD-002
2011年7月発売

歌&竹久夢二作品の作曲:藍川 由美
ピアノ&アレンジ:福田 重男

録音:2011年1月21,22日/コピスみよし

3,000円(送料・税込)

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かつて童謡ジャズがあった
藍川由美「童謡ジャズ」をうたう


(収録順)

「童謡の世界」

揺籠のうた
七つの子
赤い靴
人買船
四丁目の犬
シヤボン玉
雨降りお月〜雲の蔭
あの町この町


「填詞の世界」

酒場の唄〜星めぐりの歌
牧馬地方の春の歌



「竹久夢二 子供の世界」

断章1 ドンタク〜断章2 ねがひ
子供の国
歌時計
兎 兎
秋の空
つばめ
靴下
幸福の日に

「竹久夢二 失はれし世界」

かへらぬひと
ゆく水
やくそく
春はとぶ
言葉
故郷
越し方
あけくれ〜古風な戀

宵待草
(ブルー字以外、藍川由美作曲)

 “アコラレーベル”第二弾は童謡ジャズです。真冬の録音なので、私は上っ張りの下に黒のタートルネック2枚+半袖のTシャツを着込んで暖房無しの過酷な環境に耐えましたが、福田重男さんはピアノの鍵盤の冷たさが直接指に響くので大変だったことでしょう。
 今では忘れられた感がありますが、昭和初期、ビクターやコロムビアといった外資系レーベルがレコードの大量生産を始めた頃、すでに大正期に発売されていた佐々紅華の童話唱歌というジャンル名(お伽歌劇とも呼ばれた?)の『茶目子の一日』や、児童ジャズ『黒ニャゴ』『おいちにの兵隊さん』などが平井英子という天才童謡歌手の歌で発売され大ヒットしていました。そうして文部省唱歌までもが童謡ジャズとして発売されていたのです。童謡は文部省唱歌の対抗勢力として誕生し、文部省は大正時代に生まれた童謡を学校で歌うことを禁じていたはずなのに…。
 残念ながら童謡ジャズは戦争によって途絶え、戦後の音楽教科書は童謡を歌うことを禁じた過去を忘れたかのように何でもかんでも掲載するようになりました。
 いったい大正の童謡運動は何だったんだろう?
 そんなことを考えるうち、多くのセノオ楽譜の表紙画を手掛けた竹久夢二の詩があまり作曲されていないことに気づき、野口雨情らとの交遊、大逆事件との関わりなどに興味をひかれつつ、自らフシをつけて歌い始めました。そんな20数曲の鼻歌の中から「子供の世界」と「失はれし世界」というテーマでそれぞれ8曲を選びました。夢二と雨情の作品をならべてみたことで、童謡運動の何たるかが見えてきたような気もします。
 このアルバムはジャズと録音を知り尽くしている井口啓三さんあっての企画でもあり、かつての録音技術ではできなかったことを井口さんが鮮やかにカヴァーして下さいました。感謝しています。
 即興的童謡ジャズ、どうぞお愉しみください!
(↓2日目終了時。「おかあさんと一緒」ではなく、一歳お姉さんなのでした…)


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