フランクフルトぼちぼち行こか日記
2000年10月前半の子連れFrankfurt am Main日記
2000年10月15日-So.(のい1歳2ヵ月8日) 拾い物
珍しく、一日中、暖かかった。といっても最高気温は16度。
もうすぐ粗大ゴミの収集があるらしく、ご近所にも先週からそこここに家具の山ができている。
ソファだの棚だの椅子だのマットレスだのパソコンだの絨毯だの浴槽だのテレビだの……。
清掃局によると、これらは欲しい人が勝手に持ち帰っていいことになっているらしい。
夕方、少し家から離れた、うっそうとした森のような小さな公園まで、3人で散歩に出たら、
路面電車の通りに、ものすごい粗大ゴミの山があった。へえーと覗いていたら(夫は横で呆れていた)、
折り畳み式のベビーサークルを発見。汚れてはいるが壊れてはいないようなので、頂くことにした。
綺麗にクリーニングできるか、私の腕と眼力が問われるところだ。
2000年10月14日-Sa.(のい1歳2ヵ月7日) Nord-West Zentrum
路面電車とUバーン(地下鉄)を乗り継いで、郊外のショッピングセンター、Nord-West Zentrumへ。
ガラスの長いアーケードがあるので、冬でも雨でも快適に買い物ができそうだ。
「トイざラス」で、のい のオモチャを物色するが、日本同様のプラスチックのものが多く、買う気がしない。
ポケモンやテレタビーズなどのキャラクター物が、これでもかこれでもかと置いてあるのも、うーん……。
育児用品コーナーでは、シャンプーハットを発見したのは収穫だったかな。まだ、のい には不要だが。
私が食料品を買っている間(土曜の16時以降と日曜は、ほぼすべての店が閉店するので)、
夫とのい はベンチで休憩。のい は、噴水やシースルーエレベーター、散歩中の犬を見て、喜んでいたらしい。
日本人が多く住んでいる地区に近いためか、日本人を結構見かけた。
2000年10月13日-Fr.(のい1歳2ヵ月6日) シュテーデル美術館
のいと二人で外出。まず南駅の金曜市場へ。しかし昨日のBockenheimer Warteの木曜市場とほぼ同じ面子。
ニュルンベルガーヴルストと、チーズ屋さんのフルーツヨーグルトなどを買い、のいとベンチで昼食をとった。
南駅の広場の周りには、路面電車とバスが次々に来るので、のいは嬉しそう。
そして、念願のシュテーデル美術館へ。のいは満腹になったのか、道中でスヤスヤ。
“how you look at it”という、現代写真中心の特別展を見る。
監視員のオジサン(オニイサン?)と色々話していたら、
「どこから来たのか? ベトナムか?タイか?韓国か?中国か?」と訊かれた。
「日本だ」と答えたら、吃驚されてしまった(笑)。で「ヒデシマ、ナカサキ…私の知っている日本人だ」ですと。
常設展の部屋に入ろうとしたら断わられたので、チケット売り場に戻って確認。
間違えて特別展だけのチケットを買ってしまっていた。共通券との差額は3DM。替えてくれるか交渉し、
一旦は断わられた。が、なぜかすぐ後で「これをやるから、見ていいよ」と、入場券をくれた。
お礼を言って常設展を拝見。いやー もの凄い展示の数。中世から現代まで、どれもどれも素晴らしい。
大好きなKleeの中でも、目眩がするほど素敵なのがあり(やっぱり実物は迫力が違う)、
あまりの幸福感に意識がフッと遠のきそうになった。のい を見たら現実に引き戻されたが。
さて、シュテーデルの本館エレベーターは、どういうわけか、厳重にカギをかけて管理されている。
エレベーターのボタンを押してもウンともスンとも言わないので、仕方なくベビーカーで階段の下まで行き、
「はて、どうするかな?」と首を傾げていると、上の階から係員が「リフトを使いなさい。今開けてあげる」と言う。
係員同志でPHSで連絡をとり、「今、ベビーワゴンが来ているから…(聞き取り不能)」と盛んに言っており、
私たちの動きをチェックしている。親切心なんだろうけど、なんだか落ち着かない。
最後に特別展に戻るため、中2階に上がろうと階段の下に出たら、また係員がニッコリ笑ってPHSを……。
いや結構ですありがとう、と手で制し、のい を乗せたベビーカーを担いで、階段を上がったのだった。
帰りに、歩行者専用のホルベイン橋を渡り、川岸で休憩していたら、車椅子の老婦人が隣のベンチに来た。
彼女は介助の人には気難しそうに話していたが、のいを見た途端に、柔和な顔になった。
家の近くまでいく路面電車の停留所が近かったので、初めて乗ってみた。
治安が悪いフランクフルトの中でも、かなり治安が悪いという噂の中央駅も、車内から初めて見た。
帰宅したら、所用で街を回ってきた夫が「フランクフルトのダークサイドを見ちゃったよ」と言う。
おクスリを注射しあっている人たちを、間近に見てしまったらしい。
2000年10月12日-Do.(のい1歳2ヵ月5日) 皆さんニコニコ
家から一番近い市、Bockenheimer Warteの木曜市場に出かける。最近には珍しく、朝から晴れていて、市場日和だ。
のい をベビーカーにのせ、いつもの買い物袋に加え、空の大きなリュックまで背負って、張り切って出発。
といっても、我々はドイツ人ほど早起きではないから、市に着いたのは10時半すぎ。
どうやら、朝の混雑が終わって、売り手は一息入れている感じ。
あるパン屋は売り子不在で、買うのをあきらめようとしたら、向かいの屋台でオジサンが手を振っていた。
やれやれ。オジサンは走って店に戻ってきて、ニコニコ笑顔で売ってくれた。
惣菜屋でオリーブの品定めをしていたら、売り子のお姉ちゃんが「試してみて」とサーモンのパテを差し出すし、
先週チーズケーキを買った、おばあちゃんの菓子屋でも、お釣をくれる目が笑ってたし、
とどめに、市場を出てスーパーマーケットに入ったら、レジのおばさんまでが、
お客みんなに「どうもありがとう」と、笑って言っていた。レジのおばさんは、愛想が悪いのが普通なのに。
なんだか日本みたいだ。しかしなんでだ? みんなどうしちゃったんだ? 今日は天気がいいからか?
2000年10月11日-Mi.(のい1歳2ヵ月4日) 黙々と歩く
午前中、夫が銀行に口座を開きに行った。なんと予約制。しかも口座維持手数料を月12DMとるらしい。驚いた。
しかし、口座があれば、振替手数料が無料になる。現金振込だと、1回につき約5DMほどかかっていた。
午後は、のい を連れて散歩に出た。今日も黙って、歩いたことのない道を歩き回った。
商店街のすぐ近くに、老人ホームがあった。外国人排斥で93年に殺された少女を祈念した広場も。
風が強く、街は落葉だらけ。行く人は、コートや、皮のジャンパーを着ているのが目立つ。
のい は、車に見とれている。特にバスが好きらしい。日本から持って来た幼児向け雑誌の
車の写真を集めたページを開いて、私や夫のところに持って来ては、バスを指差す。
逆に、「バスは?」と訊ねるとバスの写真を差したり。
大人の言うことが分かってきたようで、「ダメ!」と言うと、泣きそうな顔をするし、
「ルーちゃん(LH航空でもらった鶴の指人形)は?」と言うと、人形をとりに行く。
でも、まだ言葉らしきものは、全くしゃべらない。
2000年10月10日-Di.(のい1歳2ヵ月3日) 料理雑誌を買う
のい が昼寝をしている間に、夫に留守番を頼んで、裏通りを探索。
例の商店街(Leipziger通り)まで出たが、つたないドイツ語で会話しながら買い物するのに疲れ、
今日はスーパーマーケットの品揃えを黙ってじっくり観察することにして、小休止。
のい と一緒だと、立ち止まると のい が怒って暴れるので、じっくり見ることができなかったんだよね。
ドイツの料理雑誌を買ってみた。これまで抱いていた謎が、少しだけとけた。
ドイツのペナペナした包丁(ナイフ)で、ドイツ人がいかにブロッコリーを切っているか、
市場に並んでいたゴボウそっくりの野菜が やはりゴボウだった、とか。そんな些細なこと。
のい に邪魔されずに辞書をひく時間があったら、もう少し謎がとけると思うんだが。
夜、のい の下顎に、奥歯が2本生えてきているのを発見。歯を磨いてやろうとして、
私の指を のい の前歯に当てたら、思いっきり噛まれた。血豆ができてしまった。
2000年10月9日-Mo.(のい1歳2ヵ月2日) 大根
朝は雨、昼から晴れてきた。天気予報はずっと「曇り時々晴れ時々雨」というのが続いている。
予報が優柔不断なのではなくて、ほんとにそういう天気なのだ。
午後、晴れてきたので、のい をベビーカーに乗せて商店街へ。裏道を歩いてみたら、可愛い幼稚園を発見。
店に入ったら、やはり、いろんな人から声をかけられる のい。機嫌がいいときは、右手を上げて応えていた。
にこやかなオニイチャンのいる屋台の八百屋で大根を見つけ、思わず買ってしまった。ドイツにもあるんだ。
そういえば、東南アジアのどこかの国では、日本人のことを「大根喰い」と言うそうで。
2000年10月8日-So.(のい1歳2ヵ月1日) レンズ豆Suppe
夫と交代で のい の相手をしたり散歩に連れ出したりしながら、家の中を片付け。
初めてレンズ豆のスープを煮る。日本から持って来た、愛用の西ドイツ製の圧力鍋で。
我ながら美味。レンズ豆のスープはフランクフルト名物らしいが、
ドイツ人のつくった本物を食べにレストランまで行くのは、のい連れでは大変。
2000年10月7日-Sa.(のい1歳2ヵ月0日) 蚤の市ふたたび+Hauptwache
土曜日毎にお買い物競争をしなければならないのは、何とかならないものか。
再び、Main川沿いの、蚤の市へ。のい を見て “Suss! Schoen!”としきりに言うオバアチャンが登場。
他の人にまで「あの子1歳2ヵ月だって、可愛いねえー」。「男の子です」と言ったら、驚いていた。
夫は60DM(約3000円)で自転車を買ったが、チェーンの辺りがどうも怪しい。
蚤の市を出ようとしたら、夫の知人の日本人留学生に会った。
またまたKonstablerwacheの市へ。おいしそうな、人気のある店には行列。時間がないので待たずに買える店を探す。
有機野菜の店で、ホウレン草とサツマイモ(ドイツ語で“甘いジャガイモ”)と、白い人参(名称不明)等を買ったら、
売り子の陽気な兄チャンが「Danke! サヨナラー!」だと。今度会ったら「マイドー!」を教えてあげねば。
息せき切って戻り、「早かった?」などと夫と日本語で話していたら、今度は日本の観光客から道を訊ねられた。
Zeilの裏通りで、子供用品の専門店を発見。ドイツのオマルはシンプルで可愛い。しかも安い。
天気がいいので、Hauptwacheの広場で、リンゴケーキ(タルトみたいなの)を3人で分けて食べて、
Hauptwacheから家まで、Zeilを直ぐ西にベビーカーを押して、歩いて帰った。案外近い。
のい はメイプルの落葉の上を車輪が行くのが面白くて仕方ないらしく、
“母ちゃん、行けー行けー!”とでも言うように、椅子の上で跳ねながら「フー!」と奇声を上げていた。
2000年10月6日-Fr.(のい1歳1ヵ月29日) 外国人登録〜検札〜IKEA
外国人登録へ。何時間も待たされるうえに、いろいろ書類を要求されるという噂を聞いていたが、
それほど待たずに済んだ。のい と3人で行ったのは正解だった。
窓口のお姉さんは、子連れを優先して処理してくれていたのだ。早く済んだので、
帰りに、役所の近くの家具店へ。木にこだわりのある店らしく、お兄さんが親切に案内してくれた。
まだ時間があったので、午後、大学の用事を済ませてから、組み立て家具で有名なIKEAまで行くことにした。
フランクフルト市街からは少し遠い、Hanauの郊外へ、Sバーンで出かけた。
私は、フランクフルト市内の1日乗車券しか持っていないのに、ぼんやりしていて乗越券を買い忘れていた。
オッフェンバッハの町に入って、それに気付いたのと、背後から「検札だ!」と声がかかったのとが、ほぼ同時だった。
ドイツでは改札はないが、有効な切符を持っていないのが見つかると、60DMの罰金を払わなければならない。
夫は、昨日貰ったばかりの学生証についたままの通行券(大学生は電車がタダなのだ!ドイツは学生天国)を
ビラビラーンとカバンから出した。学生証を含めて、B4大もあろうか?
私は内心ビクビクしながらフランクフルト市内の1日乗車券を出した。
DB(ドイツでいうJR)の黒いベレー帽の怖そうなオヤジ……。しかし彼は両方を眺めて、笑い出した。
「この大きい切符(夫が出した方)は大人2人、この小さいの(私の切符)が赤ん坊の分だな」。
そのうちに電車は終点に着き、彼は「楽しんでらっしゃい!」と我々の肩を叩きながら、下りていった。
呆気にとられていると、別の若い乗客が「ジョークだよジョーク」と夫に言っている。
つまり、お目こぼしを受けたらしかった。いやー危ないところだった。
IKEAは、Hanauの駅からも遠かった。バスを乗り継いで行かねばならず、しかも店に入ってからの長いこと!
お化け屋敷のように、決まった動線を歩かせられる方式なのだ。客は、我々ぐらいの小さい子連れが目立った。
結局、目当てのモノは見つからず、のい のイタズラ防止グッズと、木のオモチャを買ったのみ。
帰りのバスでは、忘れずに乗越券を買ったが、バス運転手は何を思ったか、子供用の切符を売ってくれた。
30すぎた子持ちのこの私が、「15歳未満」? ワッハッハー。
バスセンターで乗り継ぎのバスを探そうとしていたら、親切にも、窓から大声で教えてくれるし。
我々一家は、彼の目には、「哀れな東洋人3兄弟」に映っていたのかもしれない。
Sバーンでは、品の良さそうな老夫婦にあやされて、のい は珍しく愛想良くしていた。特におじいちゃんに。
家に着いた頃には、20時をまわっていた。長い一日だった。
2000年10月5日-Do.(のい1歳1ヵ月28日) Geburtstag
夫が登録をしに大学へ行っている間に、夫の本が入った最後の1箱も到着し、ほっとする。
今日は我が家はお祝いの日。スーパーでSekt(シャンペン)を、大学前の木曜市場で手作りのチーズケーキを入手。
どちらも日本に比べたら、驚くほど安い(特にSektときたら!)。そして美味。夫も喜んでくれた。
2000年10月4日(のい1歳1ヵ月27日) ドイツ生活入門セミナーへ
朝から、のい を連れて、欧日協会の「ドイツ生活入門セミナー」へ。
講師は、主婦向けドイツ語講座の先生でもあるK女史。日本人だが日本よりドイツの生活の方が長いそう。
ゴミの出し方、切符の買い方、銀行での振込の仕方など、有意義であった。
質問タイムがたくさんあったので、夫が気にしている、カルキの水跡をとる洗剤 についても訊けたし。
しかし、他の参加者2名は、聞けば在住8ヵ月、および1年とか。なんでなんで今頃〜?
会場を出るときK女史と話したら、主婦向けドイツ語講座は、商社の駐在員妻たちが多いらしい。
彼女たちは日本人ばかりのコミュニティーに閉じこもりやすいとのこと。そうかー。
「ドイツ人に囲まれて生活している方が、早くドイツに慣れますよ。招かれたら絶対に断わらずに行くこと」
とのアドバイスをいただいた上、「あなただったら大丈夫」と、心強いお言葉。うーん、厚かましいから?
家に戻ると引越荷物が届いていた。荷物を開けて並べると、なんとか自分の家らしく思えてきた。
しかし11個送ったはずが、届いたのは10個。夫の本が入った1箱が行方不明。ショック。
Y運輸デュッセルドルフ支店に何度も電話する。「フランクフルトよりデュッセルの方が通関が早い」と言われたので
デュッセル経由を承知したのに、フランクまでの国内トラック便でトラブルとは。ああああ。
2000年10月3日-Di.(のい1歳1ヵ月26日) 工芸博物館へ
ドイツ統一記念日。今日で10周年。マイン川を散歩。R.マイヤーが設計した工芸博物館へ。
スタッフのおばさんたちが、口々に のい に話し掛けるが、のいはニコリともせずに、じっと見ていた。
広い館内を回るうち、のいは疲れて眠くなり、館内で泣き出してしまった。
すると、スタッフのおじさんが、鍵をジャラジャラさせてあやしてくれた。
それでもどうにもならず、結局、庭園のベンチで授乳するはめに。
2000年10月2日-Mo.(のい1歳1ヵ月25日) ああ閉店法
日曜と祝日の間で、またお買い物競争。商店街を走り回る。はああ、なんだかなー。
頭の中で、♪月曜日は市場へ出かけ〜♪ と『一週間』の歌が鳴り響く始末。
2000年10月1日-So.(のい1歳1ヵ月24日) 動物園へ
動物園へ。肌寒かったが、イベントをやっていたらしく、大にぎわい。
顔を動物柄にペイントしてもらった子供たちが、ウロウロしていて可笑しい。
のい は、放し飼いの孔雀を追いかけたり、ポニーに触ったり(夫曰く「手を食われそうだった」)。
ダッコ紐から下ろしたら、自分で歩くのが嬉しくて、はしゃぎ、抱くと嫌がって暴れた。
この動物園の目玉、夜行動物の館では、暗いのが怖いのか、よく見えなくて退屈なのか、泣いた。
途中ではしゃぎ疲れてしまい、キリンやシマウマを見る前に、眠ってしまった。
肉食動物の檻では、餌(つまり動物の死体)を食べているところを、そのまま見せていた。
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