「操」
頭と弓手の持ち方  車人形の操作者は、右手で人形の右手を持ち、左手で人形の頭と弓手(左手)を持って操作を行います。
 人形の弓手に取り付けられた凸状部分を操作者の左手親指で押し下げるようにすると人形の弓手全体が持ち上がります。弓手から出ているしかけの紐は操作者の右手親指に巻き付け、これを引くことで弓手の肘や手首が曲がります。
 これらの操作と同時に首の上げ下げ、表情の変化、右手首の曲げ伸ばし、さらに足の操作も行うので、車人形の操作にはかなり高度の技術を必要とします。

轆轤車(ろくろぐるま)

 車人形の操作者はこれに座り、紐で腰に結び付け、前後に動かしながら人形の操作を行います。

※右の写真をクリックすると底部についての説明へジャンプします。


車人形・内部と操作の様子

車人形(浅野内匠頭)を操る前田益夫氏

 車人形は1人で操り、轆轤車に乗って移動するので素早く派手な動きができるところが大きな特徴になっています。

 車人形の支度は操作者自ら行います。
 写真は右手を取り付けているところ。

 操作者は人形の右袖と腰の部分に手を差し入れて操作を行います。

 人形のかかとにある金具を操作者の足の指にはさんで、足の操作をします。
 操作しやすくする為、金具はT字型をしています。

 横から見た様子。轆轤車に乗って操作する様子がわかります。
 人形の重さは役柄によって差がありますが、人形をしっかりと立たせる為に操作者は両手と両足を常に上下に引っ張っているので、人形の重さの2〜3倍の負担がかかっています。

人形製作・修理用具一式

 車人形の頭や手足はこれらの道具を使い、前田家の人々の手によって製作、補修されました。

女性の車人形(清姫)

 想う相手に恋いこがれて身もだえする様子も操作者の技によってたくみに表現されます。

 女性の車人形を操る場合には足を取りつけず、衣裳の裾の裏に縫いつけた布を足にはさんで、裾をさばくようにして移動します。

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