2009年11月21日(土)〜12月23日(水)

野尻 聡 展「回廊」-光を経廻る-
(Satoshi Nojiri Exhibition)(屋外展)

■ 会期
 2009年11月21日(土)〜12月23日(水)
 休館日:月曜日、祝祭日の翌日(11/23(月)は開館し、11/24(火)は休館します)

■ 作家名
 
野尻 聡(のじり さとし / Satoshi Nojiri)

■ 作家紹介
 石を素材に彫刻を作ってきました。ノミで石を打つと、小気味良く破片が飛び散る、その楽しさから石を選んだ気がします。しかし「従来の石の量塊性、モニュメンタルな性質をはなれた表現」という宿題を与えられ、「何をどうすればいいのかわからない」という場所にずっといつづけてきました。割ったらやっぱり石なんだろうな」と感じる、彫った意味の感じられない作品を多く目にすると感じていたので、「宿題」に共感するものの、では自分がどうするかは暗中模索です。「量塊」の否定で、うすくしてみたり、組んでみたり、うまくいかない試みの中、「穴」をあけてみることに少し明るさを見いだし、考えつづけています。

■ 作品
 
内容:彫刻
 素材:黒御影石・安山岩・白大理石

■ 制作意図
 「穴は異界への入り口を連想させるモチ−フである」
 ここ数年、石に穴を通して「向こう側」に抜ける瞬間が面白くて、様々な形・深さ(厚み)の石の穴(トンネル)を彫り、穴を主人公に周囲の形を彫ることを試みてきた。冒頭にあげたような大仰なモチ−フありきではなく、始めは、あけるつもりのない所で穴が開いてしまった(失敗)のが、思いのほか面白いことにしだいに惹かれて、意識的にトンネル彫りにはまっていった。子供の頃、砂場で山を作り、トンネルを開通させるのがなぜか面白かったのに通じる感覚で、原始的に人が共有しているものではないかと思う。自分のなかでまだ十分言語化できていない衝動・関心を説明するものかもしれないと考えている借り物の仮説が、冒頭の一文である。今回は、トンネル彫につながっていった近作と、始めから意識した新作を展示する。近作で思い浮かんだ題名が宗教建築関連のものが多いので、新作2点は、石窟寺院を(アバウトにではあるが)モチ−フとし、トンネルはそのなかを廻るためのものとして考えていった。光なるものを廻るため、あるいは光そのものが廻るための通路として。

■ 略歴
1959 東京都生まれ
1982 千葉大学教育学部中学理科専攻 卒業
1986 千葉大学大学院理学研究科修士課程地学専攻 修了
1992 東京芸術大学美術学部彫刻科 卒業
1994 東京芸術大学大学院美術研究科修士課程彫刻専攻 修了
    東京芸術大学彫刻科非常勤助手(〜1997.3まで)
1997 東京芸術大学彫刻科常勤助手(〜2000.3まで)
2000 トルコ ミラス国際彫刻シンポジウム参加・滞在制作(ミラス市アタチャルク大通り作品設置)
2001 立教大学付属新座高等学校芸術科非常勤講師(〜現在)
2002 明治大学理工学部建築科兼任講師(2003.3まで)
【発表歴・受賞歴】
1993 安宅賞(卒業制作「流離」に対して)
1994 取手市長賞(修了制作「交差」に対して)
    個展 ときわ画廊/東京・神田 (95,97)
1999 個展 ギャラリ−なつか/東京・銀座 (01,03,07,08)
2001 彫刻7人展 ギャラリ−52/東京・飯田橋
2002 新世紀現代美術展 足立区民ホ−ル/東京・足立区
    ハ−ベスト展 ギャラリ−深志/長野・松本 (04,05,06)
2003 日本トルコ現代美術交流展「インタラクシヨン」京都精華大学/京都
    日本トルコ現代美術交流展「インタラクシヨン」京王プラザ/東京
    個展 ギャラリ−深志/長野・松本
2005 石の思考展−手塚登久夫と芸大石彫− 東京芸術大学美術館・陳列館/東京
2009 新鋭選抜展 小野画廊/東京・京橋
    mp3展 松本市美術館/長野・松本
2009 個展 Metal Art Museum Hikarinotani/千葉 印旛沼湖畔