大林組(B号)出品住宅


どこか日本離れしたハイカラな西洋館というイメージにぴったりの住まいです。白いスタッこの外壁に赤い屋根瓦、そしてアーチ窓、煙突を飾るタイルの装飾、軒裏の換気口や樋の受け金物にもちょっとした飾りがあってとてもお洒落な印象です。玄関のアーチの上のクラシカルな灯具が壁面を引き締めセンスの良さを感じさせます。瓦はスパニッシュ瓦ではなく、形状は和瓦そのまま、軒先鎌の塩焼き瓦です。この瓦はほかにも何棟かで見られますが、落ち着いた中にも華やかさがあって建物の魅力が増します。


(この住宅は残念ながら保存を願う方々の尽力もかなわず、2004年秋に取り壊されました。取り壊しを待つばかりのこの住まいにはたびたび訪れる機会を得て、内部もじっくりと見せて頂きました。モダンであった暮らしが偲ばれます。一週間ほどの解体工事には毎朝立ち寄り、姿を消してゆく様を見届けました。建築の保存の困難さを思います。)

(2004年10月04日撮影)

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出品者 大林組(B号)出品住宅 設計者 大林組
様式 コロニアル 施工 大林組
平面型 広間廊下 竣工年 大正10年
延べ面積 56.02坪 登録
規模構造 木造2階



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