今戸家住宅
この住まいは住宅博覧会の出品作品ではなく、終了後翌年に建てられましたが、会場跡地内であり、あめりか屋の施工による建物で周りの出品作品とも調和して一体的な景観をなしています。箕面市教育委員会による住宅博解説看板もこの住まいの生け垣に設置されています。
何といってもこの住まいの特徴は屋根にあるでしょう。オレンジ色の塩焼き瓦を葺いた急勾配の屋根は屋根窓の下でにほぼ左右対称にスパッと切り取られ、そこに一本の木が植えられています。そしてこの部分に向かって門扉が取り付けられています。屋根の棟にも装飾的な避雷針が取り付けられ門扉から屋根・避雷針にかけて全体に軸線を強調しています。このように一見厳格な構成のようでありながら実際の建物の印象は硬さを感じさせません。それは例えば切妻屋根の頂部を少しカットしたり、白く塗られた窓にも格子を付けて小割したり、という細かな仕掛けから醸し出されるのでしょうか?生け垣の緑につつまれたオレンジ色の瓦屋根があいだにクリーム色の壁を挟んでとても映える素敵な住まいです。
出品者 | 今戸家住宅 | 設計者 | 奥戸大蔵 |
様式 | あめりか屋式 | 施工 | あめりか屋大阪 |
平面型 | 広間廊下 | 竣工年 | 大正12年 |
延べ面積 | 57.00坪 | 登録 | 国登録文化財 |
規模構造 | 木造2階 | | 箕面市都市景観形成建築物 |
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