Iさん
先ほどの観光客のことですが、どの辺から来られますか?外国からも来ますか?
孟さん
観光客は基本的には北京と天津から来ています。外国からの観光客はほとんどいません。興隆県はまだそれほど自己宣伝はしていません。なぜかというと、ここの設備がまだ足りなくて、ホテルとかいろいろな交通もそうなのですが、多くの人が一度にどっと来るとこちらも困りますので。例えば今皆さんが泊まっているようなホテルは今建設中です。これから基本的な施設を整備して、それから外国からの観光客が来やすくなるようにしたいと思っています。今年の観光客は20万人ぐらいです。
Nさん
ここの産業で農業以外に、これから鉱石、鉱山業というのが重要になると思うのですが、その辺のことで困っていらっしゃることがあったらおっしゃって下さい。援助出来る方法があるかどうかをみんなで考えたいのです。
孟さん
鉱物といえばここは金が出るところなのですが、あれはほとんど戦争中に日本が工場を作って採掘して運んで行ってしまったのです。今の鉱物と言えば鉄しかないです。あとは石炭。これは今既にやっています。
Jさん
先ほど北京、天津への飲料水の供給地だというお話がありましたけれども、今年は旱魃だと聞いていますけれども、水事情はいかがでしょうか?
孟さん
厳密に言えば飲料水の提供地というより水源です。直接的に水を提供するところは2つのダムなのです。北京の場合は密雲県の密雲ダムというところ、天津の場合は潘家口というダムが水を提供するのです。ここはダムに流れて行く河川の上流にあります。ですからここを流れている水の質とか量とかは天津と北京にとっては非常に重要です。ここは森林が多くて空気も良くて、今は汚染物を出すような企業をカットしているので、北京や天津の日常生活にとって大きな役割を果たしているところです。
旱魃のことを言えば、99年、2000年、それから今年の春まで2年半ぐらいは雨が降らなかったので旱魃がひどかったのですが、しかし夏以来雨が降り出して旱魃という状況は今ほとんどなくなりました。今年の降水量は例年と同じくらいに戻りました。まだ多いとは言えませんけれども。降水量の多い時には年間1000ミリメートル以上になっております。普通は800くらいなのですけども。
Jさん
中国の水不足は世界的な問題になってとても心配しているのですけど、興隆の皆さんは、飲料水や農業用水は今のところ間に合っているというように理解していいでしょうか?
孟さん
まあ、そうでもないです。3万8000人の人々が今水の足りないところで生活しています。興隆の水の資源はその分布が偏っています。例えばN先生も行ったことがあると思いますが、営南峪や西三雅口などは水が足りないところです。西三雅口の奥の4つの村も水が足りません。
普通は飲料水はどこから来るかというと、まず雨が降って、それが屋根から下に流れて、下に小さな溝が掘ってあってそこを流れて、人工の池を作ってそこに流れて行くのです。飲料水をそこから取るのです。そこの地形は石灰質なので水が漏れて溜まらない。もし雨がよく降るとその人工の池の中に水があるのですが、もし雨が降らなかったら20キロから30キロの遠いところから水を運びます。トラックとかロバとかでやります。この水の足りないところはほとんど昔の根拠地のところです。もし時間があったら劉さんに案内してもらって、どういうふうに飲料水の問題を解決しているか見てください。県政府は毎年この水不足のことを非常に重視しています。
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