オンライン・レッスン No. 5


EBAKOS ON LINE RESSON NO.5

楽器の手入れ、気持ちの持ち方、立ち方(座り方)、持ち方(左手)、 ピストンの押さえ方(右手)とレッスンしました。 私の言葉の足りないことで、うまく伝わっていない部分がありましたら、 お気軽に質問してください。

さて、いよいよ楽器を吹く時が来ました。 楽器を吹くという事は一連の動作です。 これまでは、一つ一つ、確かめるように、行ってきましたが、 これからは、何か所かの筋肉を同時に使えなければうまくゆきません。 まず、その流れをリストアップします。

1息を吸う

2唇を振動するようにセットする

3舌を動かす

4息を吐く

5唇が振動する

6その状態を保つ

ここでは大きくこの6箇所に分けて、説明します。 行うときは一つの流れの中で行わなければいけない ことは申し上げるまでもありません。

LESSON NO.5ではまず、呼吸を取り上げます。 前述の分け方に分類すると、1と5と6が関係してきます。

私たちはもう何年か生きてきましたから、 呼吸に関してはプロのようなものです。 今までした来た呼吸を少しでも活かす事を考えましょう。 「ため息」というのがあります。 息を溜めておいて、吐き出すのです。 この時呼吸に伴う筋肉は「弛緩」しています。 大前提として、楽器を「ただ鳴らすだけ」なら、この呼吸で良いのです、 そのことを頭のどこかに憶えていてください。

さて、呼吸をしますが、この場合腹式呼吸と呼ばれている方法を取ります。 腹式呼吸とは、

胸の辺りの肋骨を拡げて行う「胸式呼吸」と対照的に呼ばれる呼吸法ですが、 骨のないお腹の辺りを横隔膜を下げることによって拡げることにより、 胸の辺りにスペースが出来、空気を取り込む、という方法です。 一番無理のない呼吸法と言えるでしょう。 では、実際にお腹のどの部分が膨らめば良いのか、 これを実体験する事にします。 やり方はいろいろあると思いますが、その一つを紹介しましょう。 正座します。そして、踵(かかと)とお尻が離れないように気をつけて、 上半身を前に倒します。手は出来るだけ前に伸ばします。 この状態で、息を吸ってみましょう。 お腹の回り(背中と脇腹も)が膨らむのがわかりますでしょうか? 今膨らんだ部位を忘れないようにして、 今度は上体を起こして同じ事をやってみます。 同じ場所を意識することが出来たら、第一段階はクリアです。 ストレッチ体操の呼吸は、このように行われるのが基本です。 もっと深く呼吸に関して知りたい方は、その専門のレッスンに付かれることを、 お勧めします。 中級者以上の方には、物足りない内容だと思いますが、 それは、回を改めてUPしようと思います。

次に息を吐く事も説明しておきましょう。 息を吸えて、息を吐く時に力が抜けるようになったら、 息を吐く事をコントロールしなければなりません。 風船を思い浮かべてください。 風船を膨らませて、手を放してみてください。 風船から、空気が出て、風船は飛び立ってゆきます。 風船の中の空気がなくなったら、風船は地面に落ちます。 >息を吸えて、息を吐く時に力が抜けるようになった 状態は、この状態に似ています。ため息と同じです。 つまり、吸った息(風船の中の空気)がたくさんあるときは、 勢いよく息は出ようとします。息の出ようとする力が大きいのです。 息(風船の中の空気)がなくなってくるにつれ、息の勢いは弱まってきます。 この二つの状態をコントロールしてやるのが、所謂LONG TONEの練習です。 一定量の息が唇の隙間から出て行くように練習してください。 息のたくさんあるときは、息が出すぎないように、 息が無くなってきたら、少し出すようにするのです。 それが出来るという事は、客観的にずっと同じ量の空気が出るように コントロールしている事になります。 まだ、このレッスンでは実際に音を出していないわけですから、 唇だけで練習してみましょう。 この時にチェックする内容があります。 唇です。 息を吐きながら、途中で、舌で息の通り道をふさいで見てください。 その時唇は閉じていなければなりません。 息が出ているとき以外は唇は閉じています。 言い換えれば、息の力が唇を開かせているのです。 息の力が0になれば、唇を開く力も0になります。 このことは、唇のレッスンの際に詳しく述べることになると思いますが、 息を無駄なく使う効率の良い奏法を身につけるためには、 きちんと守るべき大きな事項です。

初めから、音を出そうと思わなくて良いですから、 同じ事を

1マウスピースだけで、

2マウスピースとマウスパイプだけで(チューニングスライドを抜いて)、

3マウスピースと楽器(つまり、普通に吹く状態で)で、行ってみてください。

付記:

実際、小学生に教えるときには、こんな回りくどい方法は、 使わない方がよいと思います。 小学生中学年(普通に子供がトランペットを初めて持つ年齢)位でしたら、 唇を軽く閉じて、普通に(そっとでは無く)吹いてご覧というと、 大半の子は音が出ます。 子供は唇が柔軟ですし、息の強さも大人ほど強くないので、 普通に吹くくらいがちょうど良いと思います。 その子その子によって、ケースバイケースですが。

音のでない子には、取り合えず、唇を震わせる感覚を憶えてもらうために、 マウスピースでの練習をさせることもあります。 音の出にくいのは、唇を開いて(リコーダー感覚で)吹く子が多いですね。

一時期、母乳で育った子とミルクで育った子の統計を取ったことがあります。 概して、母乳の子の方が、音は出やすく、 長く吹いても疲れにくい、という結果が出ました。 私の推測ですが、母乳って吸う力が強くなるのでは無いかと思います。 そのことで唇回りの筋肉を自然に鍛えられる? 如何でしょう?

皆さんの、御意見御感想をお待ちしています。


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