オンライン・レッスン No. 17
EBAKOS ON LINE LESSON NO.17
【日本語版アーバン金管教本41ページのスラー(またはレガート)の練習曲】その1
前回は柔軟性のお話をしました。
そこで、また、アーバン金管教本にかえって、今度はリップスラーのお話をしましょう。単元では、次は、シンコペーションの練習になっていますが、LESSON NO.14のno.50以降は、どの単元に進んでもかまいません。シンコペーションの練習については、次回やりましょう。
日本語版アーバン金管教本41ページのスラー(またはレガート)の練習曲を見てください。この単元で学ぶことは、大きく二つです。一つは、呼吸法、もう一つはシラブルの変化です。
まずは、呼吸法から始めます。
譜例no.1から、そのやり方を説明しましょう。
もちろんですが、きちんとウォームアップを行ってから、この練習にはいってくださいね。初心者でしたら、必ずそうしてください。
呼吸には大きく分けて、入ってくる息(inhale)と出てゆく(exhale)息があります。
ここでは、出てゆく息について、その出し方を考えます。これにも2種類あります。「出る」息と「出す」息です。
息を吸っておいて、身体の力を抜くと、息は勝手に出来ゆきますよね?これが「出る」息です。
風船を膨らませるときは、お腹の力を使って、風船の中に息を吹き込んでゆきますよね?これが「出す」息です。
この練習曲は「出る」息と「出す」息をうまくコントロールするための練習曲と思ってください。
音符の下に><の記号がありますね?このデクレッシェンド・クレッシェンドを守って演奏することが、とても重要です。
出る息と出す息で説明すると、1拍目(出す)2拍目(出る)3拍目(出す)となります。
音楽としては、不自然な感じになるかもしれませんが、大げさな表現でやってみてください。呼吸のコントロールを身につけるための練習です。
ちなみに、スラーの終わった音(3拍目)は、通常、スタッカートにします。
シラブルについてもお話しします。
皆さんは、小学校の時にリコーダーを練習しましたね?タンギングの際に、低い音はトー、高い音はティーと発音するように習ったと思います。この事は、金管楽器を吹くときにも当てはまります。
ただ、金管楽器の場合は「原則として」唇の両端は動かさないで吹くということですから、この母音の変化を、口腔で行います。
唇の両端は動かないように気を付けながら、Tu-o-u-i(yi)と言ってみてください。
うまく言えますか?うまく言えないという人は、舌の位置に気を配ってみましょう。
o-の時は舌は奥というか、下にありますね?
i(yi)-の時はどうでしょう?舌の中程の部分が上顎に近づいていませんか?
i(yi)-と書いたのは、i-ですと、唇の両端が横に引けてしまうからです。
どちらかというと、yi-に近い発音のほうが唇が横に引けにくいです。
1小節目から5小節目まではTyi-uittoと発音するような感じです。
勿論、ここに書いたことは、うまくできているときは舌の動きがこうなってるということであって、このように練習しなければいけないということではありません。皆さんの理解の助けになれば幸いです。
譜例no.2に行きましょう。
今度はno.1とは逆になります。1拍目(出る)2拍目(出す)3拍目(出る)となります。
シラブルはTu-i-utto|Tu-i-utti|Tu-i-utti|Tu-i-uです。
唇の両端の位置や、振動する部位が変わらないように気を付けながら(唇を巻き込んだりしないように)、「大胆に」練習を行ってください。
リップスラーの練習は、非常に根気のいる練習です。ですが、できるようになったら、これほど世界が変わるように思えることはないでしょう。頑張って、乗り越えてください。
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